第88話 instead of me
危ねぇ…ぎりぎりせーふっ(´・ω・`)
どうも、ヴェスタちゃんを抱きまくらにするとお昼まで起きれなくなったミーシャですっ!!
今、私はあの悪夢から目覚めたのですが…
ん〜…んん?
「なんですか、これ…」
アルルさんの研究所が半壊して外の景色が見えてしまっているのですが…周囲の家やお店は倒壊したり火災が起きていたりと、酷い惨状です。
「一体何が…きゃっ!?」
突然、ドゴンッという爆発音のようなものが街中に響き渡りました…今度はなんですか!?
「あー…あれはルジェが戦闘してる音だから気にすんな」
「え、たたかってるんですかッ!!誰と!?」
「それは分かんねぇけど、多分あの悪夢の元凶だろうな」
ん?もしかして…
「アルルさんも…?」
「おう、見たぜ」
あ、確定です。完全に人為的ですね!!
「って、なら早く助けに行かないと…あれ、ヴェスタちゃんは?」
「それが…」
アルルさんは何故か歯切れが悪く、気まずそうな顔をしています。
「ヴェスタちゃんに…何かあったんですか?」
「…まだ、起きて来ないんだ…って、おい!?」
そう聞いた瞬間、私はいつの間にか走り出していました。ヴェスタちゃんの部屋をバタンッと勢いよく開けると、そこにはベッドの上で苦しそうにしているヴェスタちゃんがいました。
「ヴェスタちゃん…」
「…すまねぇ、私には、何もできない…」
「いえ、アルルさんは何も…」
どうすれば…何をしたら…
「あまり言いたくないが…恐らく、悪夢を克服しない限り目覚める事ができないんだろう…」
「つまり…」
「…ヴェスタだけは、私達よりも目覚めるのが遅すぎる…最悪、もう目覚めないかもしれない」
「そんな…」
わたしは、どうしたら…どうしたら!?
ただ私は、早く起きることを思いながら、苦しむヴェスタちゃんの手を握って目を閉じると…
「ーーーそんなに助けたいの?」
「え…へぶっ!?」
突然、背後から知らない声が聞こえたと思ったら、体重をかけていたベッドが消えて地面に土下座するように倒れてしまいました。
「…大丈夫?」
「はい…えっ、えっと…どちら様?」
私に手を貸してくれたのは、腰まで伸びた金髪に金色の瞳をした少女で、今まで会ったことはないはずなんですが…
「まぁまぁ、私のことより君の想い人の方が重要でしょ?」
「想い人…?」
「…ヴェスタちゃんの方が大事でしょ?」
何故か、すごく呆れたような顔で見られているんですけど?
「このままだと、ヴェスタちゃんは永遠に目覚めない」
「…っ」
「私が直接手を加える事はルール違反だから…代わりに君にやって貰おうと思ってね…どう?やってみる?」
「…やります、ヴェスタちゃんのためなら…」
「そっか…なら、君はこの物語を知っていた方がいいね」
私がそう答えると、目の前の少女は嬉しそうに微笑んで私の頭に手を置きました。直後、ヴェスタちゃんの『生きて、足掻いて、失った物語』が流れ込んできました…
………
……
…
「…」
「君は、彼女を助けられるの?どうしようもない苦しみから、開放できるの?」
「…大丈夫です」
「その根拠は?」
「私が待っていると知ったら、ヴェスタちゃんならなりふり構わず起きてくれますから」
「…彼女にとって、君はあの子のーーー」
「ーーーヴェスタちゃんは…貴女が思っているほど弱くないです」
「…そっか、なら、私からは特に言うことはないよ」
少女が正面に手をかざすと、そこにはじめから存在していたかのように扉が現れます。
「さぁ、入って…」
私はその扉に入る前に、一つだけ聞きたいことがありました。
「…あの、なんで私達を助けようとしてくれるんですか?」
「ん〜…『誰も』悲しい結末を望んでないってこともそうなんだけど、一番は…私が嫌だからかな?だって私はーーー」
「え?」
私は背中を押されて、暗闇が広がる扉に入れられました…
「ーーー頑張って…君達なら、乗り越えられるから」




