第78話 妄執者は嗤い、最古の獣は眠る
…色々書きたい話を貯めているのですが「あれ?これ夏休み中に投稿して完結出来るわけないじゃん!?」となって、この夏休みで新作を投稿することはありません…多分。
………
……
…
「ククク、帝王城を吹き飛ばすのは予定外であったが…」
帝王城跡に、一人の男がいた。その男はルジェと戦い瀕死に追い込まれたはずなのだが、今は傷一つつけられていない。
「…まぁいい、奴を倒せたのが一番の成果だ!!それに比べれば大した損失ではない…」
帝王城跡には巨大な穴が空いており、その深さは覗いても底が見えないほどだ。そこから、怪しく青色に発光し、点滅していた。
………
「…」
身体から白煙を上げ、屋根で仰向けに倒れている少女がいた。
爆発から逃れるために影に潜ったまでは良かったが、あまりの閃光に影が掻き消されてスキルの〈潜影〉が解除されてしまった。迫りくる光をメメント・モリで斬り裂いたことで致命傷を避けることは出来たが、身体のあちこちをレーザーのような光が貫いた。
更に爆風と瓦礫が襲いかかり、何棟もの屋根をバウンドして、ようやく止まった頃には呼吸すらままならない状態になって意識を手放していた。
「ーーー」
突然、意識を失った少女は目を覚ます。しかし、生気を感じさせない瞳が紅く輝いているだけで、苦痛の声すら上げずに、状況を把握するように首だけを動かして辺りを見渡す。
「ーーー」
周囲に脅威がないことを確認したのか、左腕を天に上げると…鼓動を止めた心臓の丁度真上へ振り下ろすと同時に、その虚ろな瞳を閉じた…
「ーーーッ!!」
強く打ちすぎたのか、大きく身体を浮き上がらせながら意識を取り戻したルジェは、瞳に涙を浮かべて何度も咳き込みながら状況を把握する。
(くっ…まさか、自爆してくるなんて予想外だった…)
「これじゃ、何を企んでるのか分からないや…」
今回帝王城に乗り込んだのは、先程の男がナニカを近日中にやらかすことを聞いて、それがしなんなのか調べるために侵入したのだが…恐らくそれに関する文書や情報は失われているだろう。
「おい、早く探すぞ…」
「あの御方がいうには、死体がここら辺にあるかもしれないそうだ」
「…はやく、安全な場所に…うっ」
まるでレーザーのような光に穿たれた脇腹を、左手で押さえながら立ち上がったルジェは、自身を探す追手を交わす。
…きっと、理屈など気にせず自分を助けてくれるであろう猫耳の少女を頭に思い浮かべ、片脚を引きずり、壁にもたれ掛かりながら歩みを進める。
その歩みが、どれだけ血塗られていたとしても…彼女なら、自分のような血で穢れた化け物を受け入れてくれるだろうか…?
………
…
どうも、花火の煙で某大佐の現象に襲われた事があるミーシャです…先程、また某大佐の現象に襲われまして…
「うぎゃーーーッ!?!?」
目がッ!!目がアアァーーーッ!?気持ちよく寝てたら突然もの凄い光が襲ってきたんですけどッ!?しかも、何か凄い爆発音まで聞こえてきたんですが!?
…そんな状況なので、私は目を覆ってベッドの上をゴロンゴロンと転がって気を紛らわします。
ん?ベスタちゃんはどうだったかって?
…なんか、「こっちのほうが落ち着くので…」って言って聖剣に戻ってさっきまで私が抱いて寝てましたからね…勿論、何のダメージも受けてませんよ?
『…マスター?先程から尻尾で叩くのは…』
ちくしょう、何で私だけ…あれから数十分くらい経ちましたけど、まだダメージが…
「うごごごご、まだ目がチカチカする…」
「…貧弱」
…仲間がいました♪これだけで私の心のダメージが緩和されていきます…その時、研究所の扉をノックする音が聞こえてきました。
「はーい…って、ルジェちゃんッ!?その怪我…」
「あはは…ちょっと…油断、しちゃった…」
身体の至る所が血だらけで、ボロボロのルジェちゃんは、申し訳無さそうな顔をしながらバタリと倒れました…
「ど、どうしたんですか!?しっ、しっかり…」
とりあえず、気を失ったルジェちゃんを研究所に運び入れて、治療してあげる事にしました…




