第4話 アイテム:クリエイトはしゅごい
暫く待っていると、カウンターの奥から1人の男性が現れる。
「…えっと、君が依頼を受けた子かい?私はギルドマスターのカインだよ」
「はい、よろしくおねがいします!」
それからクミルの実について説明を受けたところ、どうやらかなり面倒くさい物らしく、まず木の高い場所に実が成って、しかも実の周りには鋭い棘がびっしり生えていて殻も硬くミスリル製のナイフでも傷をつけるのがやっとらしい。
「だけどクミルの実の中身は液体で、もの凄く濃厚で美味いらしいんだ!!だから…」
「はい…まぁ、やってみます」
そう返事をして私は森に向かった。一応勝算はあるけど、うーんどうしたものか。でもまずは…
「あの高さの実をどうやって叩き落とすかなんだよなぁ…」
何かないかとアイテム:クリエイトで探していると、高枝切りバサミなる物が目に入る。えっと材料が…ハサミと木の棒ね。
私はアイテム:クリエイトを使って“インベントリ内”の小石を【石のハサミ】に、落ちている枝を【木の棒】にクリエイトして、更にそこから高枝切りバサミを作製した。
「うん、この長さなら十分届くね!!」
高枝切りバサミをクミルの実がついている枝にセットして、腕に力をいれ切断した。それと同時に落下する全身鋭い棘だらけの実をインベントリを開けて収納!!…ふー、あんなのに触ったら手に穴が空くよ。
インベントリ内を調べると確かにクミルの実が入っている。さて、アイテム:クリエイトを使ってまずは棘を“素材”にする…出来た!!枝を木の棒に出来たから素材を素材に出来るのは分かってたからね、当然か。
お次にクミルの殻をマグカップに…出来ちゃったよ。かなり自由度高いな〜アイテム:クリエイトは。
それから、もう何個か同じ方法で採取した後、ギルドに帰還して報酬を受け取る事にした。
「おぉ、随分と早いじゃないか。もう諦め…」
「いえ、取ってきましたよ?ほら」
ギルマスの言葉を遮るようにそう言って、白い液体が入った焦げ茶色のマグカップをテーブルに置く。
「…本当にこれが?」
「そんなに疑うなら鑑定の魔道具を使ったらいいのでは?」
怪訝そうな顔をするギルドマスターに受け付けの女性がそう言って、片眼鏡を渡す。多分あれが鑑定の魔道具なのかな?その魔道具をかけてマグカップの中身を見つめた瞬間、目を見開いて喜びの声を上げた。
「なッ!!本当にクミルの実の果汁だ!!ありがとう、報酬は受け付けで正式に払うよ」
そう言われて私と受け付けの女性はカウンターに向かった。
「はい、こちらがクミルの実の採取依頼の報酬、金貨1枚です」
その言葉に、ニヤニヤしていたギルド内の人達から声が上がる。
「はぁ!?嘘つけッ!!」
「証拠出せよ証拠!!」
「ハァ…ミーシャさん、何かありませんか?」
「うん、いいよ?」
私はそう言って、半分にクリエイトしたクミルの殻と、クミルの実にあった棘をテーブルに出し、殻の半分を先程文句を言っていた男に差し出す。
「…ほら斬ってみなよ、クミルの殻」
「いいぜ?こんなのどうせ偽物なんだからな」
男は腰の剣を振り上げてクミルの殻へ叩きつけたが、パキンッという音と共に折れた剣身が宙を舞ってギルドの天井に突き刺さった。その光景に周囲は唖然としていた。
「もしかして、あの殻って鉄製か?」
「だったら何であの嬢ちゃんが片手で持って渡せるんだよ。重さ的に無理があるだろ」
「な、なら鉄より軽いミスリル製の殻じゃ…」
「バーカ、こんな辺境の村でミスリルをあんなお嬢ちゃんが用意できる訳ないだろ」
「あ、すみません。このクミルの殻と棘買い取って貰えませんか?」
私はまだ騒いで居る他の冒険者を無視して、先程テーブルに出した殻と棘を買い取って貰った。
クミルの殻と棘の買い取り料金は次回出します!!




