第47話 ちょっと変な狐
…どうも、狐の女性とヴェスタちゃんが泣きながら抱きしめ合っている光景を霊体になって見ているミーシャです。
さて、今私の思っている事を正直に言うと…
「…戻りたくない…」
そう、何か良い話風になってますけど、今ヴェスタちゃんの身体ボロボロですよね?あの身体に私戻らないといけないんですか?
「あ、マスター、もう終わりましたので…」
「ムリムリムリ…思いっきり殴られてたよね?多分まだ痛いよね?嫌だよ、絶対に」
メキャッとかグシャッとか色々聞こえてはいけない音がしてたんですけど?…え、大丈夫?痛くないから?…信じてますよ…?
…そして、目が覚めると目の前には知らない天井が…やっぱり?
「だ、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないです…」
隣から心配そうに話しかけてくれた鈴ちゃんに返事をして、とりあえず心の安定を図るために鈴ちゃんの獣耳をもふもふします。おぉ、中々…
「はぅ、くすぐったいです…」
恥ずかしそうに頬を染めながら、けれども嬉しそうに目を細めた鈴ちゃん…うん、かわいい。あと、尻尾大丈夫?千切れんばかり尻尾をブンブン振ってるんですけど…
「きゅぅ〜♡」
「ちょっ…へぶぅ」
ちょっと待って、今抱きしめられたら…痛たたたッ!?肋骨がッ…頬擦りは…ぐううぅ…
「すみません、すみません…」
「う、うん…もう謝らなくていいから…」
獣耳少女に触れ合えるのは悪い気はしないんですけど、今はちょっとご遠慮願いたいです…痛みでそれどころじゃないですから…
「あれ、そういえばヴェスタちゃんは…?」
「ヴェスタさんは、妖狐様と一緒に縁側で思い出話をしておられますよ?」
うーん、ヴェスタちゃんって確か聖魔法を使えたから傷を治して貰おうと身体に戻る前にお願いしたのですが…「盟友への罪滅ぼしだから」と必死にお願いされて治さずに戻ったのですが…今すぐ治して欲しいです。
「あの、えっと…その…」
「ん?どうかしましたか?」
鈴ちゃんはタオルを手に急にもじもじして、顔を赤面させています…なんで?
「あ、あああ、汗を拭きますね…」
「はい、いいですよ…?」
「ふへあ…」
「…?」
鈴ちゃんの息が荒いですが…どうしたんでしょうか?聞いてみても「何でもないですっ、大丈夫ですからっ」と言って身体を拭いてくれます…顔が真っ赤ですし、熱がありそうです…
「本当に大丈夫ですか…?」
「ふひゅっ…」
熱を確かめる為に額を合わせると、鈴ちゃんから謎の湯気が…ん?メイドさん、どうしたんですか?
「少し鈴様を涼ませておきますので…」
「は、はぁ…」
そう言って鈴ちゃんを背負って部屋から出ていくメイドさん…一体何だったんでしょうか
メイド「…女誑し…」
鈴「ふへへ、ミーシャさ〜ん…♡」
ミーシャ「どうしたんだろ…大丈夫かな…?」




