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第44話 “盟友”

『すみません、マスター…』


「んーん、スキルを無効化されてたんだし、仕方ないよ…」


うーん、これからどうしましょうか…鈴ちゃんは家出をして、それで連れ戻されたようなものですし、私達がどうこう言うものじゃないと思うのですが…


「…?」


ふと、地面に白い紙が落ちているのに気づいて、それを拾い上げます。


「えーと、『零刻に、我が不夜城ヘ参られよ、“盟友”』」


『…盟友、ですか…とても懐かしい響きです…』


盟友という言葉に反応して、ヴェスタちゃんが物思いにふけるような声色で呟きました。


「何か知ってるの?」


『はい…昔、私の事を盟友と呼んでいた人がいまして…多分、私に対しての手紙なのでしょう』


んー…?どうやら知り合いのようですが、何でその手紙が“こんな所に”?


その疑問に答えが出ないまま、私は宿に戻ってひとまず午前0時前まで眠ることにしました…



「うぎゃーーーッ来るななのだッ!?」


「グルオォォッ!!」


とある一人の少女が、大きな虎のような魔獣に追い回されていた。その少女は狐耳と尻尾を生やしていて、目から滝のような涙を流しながら走っていた。


「…わぶッ!?」


その時、地面から少し頭を出していた筍に足をとられ、顔から地面へ転んでしまう。


「ううぅ、痛いのだ…」


「グルルル…」


「ふぎゃっ!?」


少女が土のかかった顔を上げ、後ろを振り返ると、虎型の魔獣が唸り声をあげて、すぐ側まで迫ってきていた。少女は完全に腰が立たず、ガクガクと震えて目を瞑る。


そこへ、魔獣が飛びかかり少女の身体へ牙が突き立て…られる事は無かった。


「グガァッ!?」


「…ふぇ?」


魔獣の悲鳴のような鳴き声を聞き、少女は目を開く…そこには、自身の脅威から身を呈して守る、自身よりも少し背が高い金髪の少女の背中がそこにはあった。


「グルガアアァッ!!!」


「私の手が届く限り…誰も喰わせはしない」


魔獣が金髪の少女へ向けて爪を振るう…が、それが少女の身体をズタズタに引き裂く前に、聖剣が前足を斬り飛ばし、魔獣の首を討ち取った。


「…大丈夫ですか?」


「う、うんだいじょ…痛っ」


振り返った少女から伸ばされた手を握る為に急いで立ち上がろうとしたが、転んだ拍子に足首を捻ったのだろう、鈍い痛みが走る。


それを見かねた金髪のは、狐耳の少女を背負い、案内された城まで送り届けた。


「どうもありがとうございます…“同盟の件”は良い返事ができそうです」


「いえ、まさか娘さんだとは…」


どうやら、金髪の少女はこの京の都と同盟を結ぶために訪れていたらしい。同盟の内容を簡単に言うと、大陸中にある国々に転移門を設置し、魔王国との戦争に協力してもらう、見返りとして勇者が定期的に協力してくれている国の強力な魔獣などの討伐依頼を受けるというものらしい。最近、魔王国が現れてから様々な国に強力な魔獣が出現している。その魔獣の強さに成す術なく、滅ぼされた国はもういくつかある。


「どうめーを結んだら、いつでも会えるのか?」


「いつでもと言うわけではありませんが…それでも、なるべく会いに来ますね」


「約束なのだ!!あと、どうめーを結んだ友達だから…お前は“めいゆー”なのだ!!」






それから二人は定期的に会い、親睦を深めていたのだが…





………





「…なん…で、妾を残して、死んでしまうのだ…“盟友”」





女性は一人暗い部屋の中、その頬に一筋の涙を流していた…





………



『…すたー、マスター?』


「…?ヴェスタ、ちゃん?」


私はヴェスタちゃんの声で目が覚めて、のそりと起き上がります。


『大丈夫ですか…マスター』


「えっと、何が?」


『だってマスター…泣いてますよ?』


「え…?何で、だろ…」


何か、悲しい夢を見ていた気がするのですが…靄がかかっているようで思い出せません…ですが、どうしても盟友と呼んでいたその人に、ヴェスタちゃんを会わせなきゃと言う思いが一層強くなった気がします。












あまり重要じゃないですが一応…


・ミーシャちゃんがその夢を見た理由は、盟友と呼んでいた少女の強い想いと魂の波長がかなり近い為です。



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