第2話 あれ、暗闇に何か居るよ?
は〜い、私ミーシャは現在森の中を探索中です!!
見渡す限り、背の高い木が至るところにあります。高さは…10メートルくらいはありそうです。木の実が食べられそうなら良かったのですが、全身鋭い棘だらけの木の実を食べる勇気はありません…鑑定さん?食用とか言っても食べませんから!!あの棘を一本一本抜き取るのはちょっと無理です。
「あー、まじでどうしようか…ん?」
チラッと木の根元辺りに目をやると、赤い実をつけた植物がありました。取り敢えず、鑑定さん!
【ベールクベリー】
・甘みと酸味のバランスが絶妙な食用の果実。
・葉や茎に棘が生えているため、主にナイフやハサミを使って採取する。
・食べると魔力がちょっと回復する。
「ナイフとハサミか…実の部分には棘はないし、引っ張って取れないかな?」
…そう思っていた時期が私にもありました。もうね、本当に取れないッ!!これでもかって引っ張ったけど無理だし、捻じりとろうとしても駄目だった…
「そうだ、〈アイテム:クリエイト〉」
スキルを使うと念じながらそう言うと、目の前にステータスの時と同じ様な透明なパネルが現れる。ただ、ステータスと違うのはそこに色々なアイテムの画像の様な物が映し出されているという事だ。
「うーん、鉄のナイフはまだ作れないし…あ、石のナイフとかあるんだ。何処かに石は…これでもいいかな?」
私は近くに落ちていた手のひらサイズの小石を拾う。そして、パネルに映し出されてる石のナイフの画像をタッチすると、さっきまでの小石が一瞬で画像の通りのナイフになった。
試しにベールクベリーの実を摘んでナイフをノコギリのように縦に動かして見ると簡単に取る事が出来ました!!1つ食べてみると、元の世界の苺には劣るけどしっかり味があって凄く美味い。
それから、ベールクベリーを見つけ次第片っ端から採取し続けた結果、インベントリで確認すると100個以上も集まっていました。
そうして気付いた時にはもう夕陽が落ちかけてる頃でした。
「あ、そうだ。寝る場所とかどうしよ…」
これが食料の次に重要な事、寝床の確保です!!体が子供なおかげか、あまり眠たくありませんがこんな森で地面に転がって眠るとか絶対嫌です。そうやってグダグダしているうちに辺りが真っ暗になってしまいました…
もしかしたら人が何処かに住んでるかもしれないと、歩いていると…後ろから枝がパキッと折れた音が聞こえました。人間の可能性を考えましたが、私の猫耳が優秀なのか音からしてほんの少し前に私が歩いた場所から聞こえたので、明かりもなしに私の跡をつけるのは不可能だと思います。野生動物…の可能性も捨てきれませんが、昼辺りにはちょこちょことキツネとか狼を見かけましたが、夕暮れ辺りからはここまで一切見ていないのでそれも殆どないでしょう。
では一体何か?それは…
「グワァーッ」
3体程のゾンビでした。
「ピイィッ!?」
驚きのあまり変な声が出てしまいましたが、私は全力で前へと走ります!!普通、街灯もない夜の森では何も見えないのでしょうが、私は猫獣人になった影響でこの暗さでもばっちりゾンビの色々な腐ったところが見えちゃいました…オエェ、クソが。
「ここまで走れば…えぇ!?」
え、なにこのゾンビ達むっちゃ足が速いんだけど!?普通ゾンビって遅いんじゃないの!!そんなツッコミを入れながら涙目で走っていると、木々の隙間から明かりが見えて来ました。更に近づいて行くとところどころに村のような家が建ち並んでいるのが分かります。
「ふにゃーーーッ!?助けてーーッ!!」
私が悲鳴混じりに村に向かって叫ぶと、剣とか杖を持った人が何人か村の入り口近くに出てきました。私はその人達とすれ違う形で村にゴールイン!!
それと同時に後ろからはゾンビの叫び声と武器を担いだ人達の雄叫びが聞こえました。
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