第43話:大砦オルキュス【凍てつく城下街】
ヤバい、体が怠い…しんどい(´・ω・`)
ーーー『凍てつく城下街』ーーー
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氷と冷気に支配された街を、ミーシャ達は歩いていた。
ミーシャは流石に寒かったのか、穢れた白霊鳥シリーズに着替えており、石畳をカツカツと歩く音が静寂に包まれていた街に響く。
「どうする?城の中にも寄ってくか?」
「う〜ん…帰りにしましょうか。今は依頼優せ…んわっ!?」
ミーシャの目の前に、突如として片刃の大剣がズガァンッと石畳を砕いて突き刺さる。同時に、周囲が白い霧に覆われ…真っ白な金属を纏った腕がミーシャへと伸びる。
対して、ヴェスタはミーシャを庇うように前に出て迫る腕の内側に拳の甲を叩きつけ軌道を逸らした。
「あ、ありがとう、ヴェスタちゃん」
「いえ…それよりも、これは一体ーーー」
「おいコラっ、離せ!!」
シャールの声と共に霧が薄くなっていき…ミーシャ達の視界に、純白の金属に銀色のマークが施された全身鎧を纏った女性の騎士と、同様に純白に銀色のマークがあしらわれた外套を着てフードで顔を隠した女性が現れた。
そのそばに、氷の茨によって拘束され身動きが取れなくなっているシャールの姿があった。
「なっ!?よりにもよって”白銀律“かよ!!おい、絶対に目を合わせたり触れられるなよッ!!こいつらはーーー」
その時、フードを被った女性は拘束したシャールの頬に両手を添えておでこを付き合わせ、唇が触れるスレスレまで迫り瞳を合わせた。直後、シャールは痙攣を起こすが、すぐにぐったりとして動かなくなった。
「シャールさんっ!?」
「っ…!?ミーシャさん、来ますッ!!」
ヴェスタの警告と同時に、騎士の持つ純白の剣身に淡い青色の刃を持った片刃の大剣が迫っていた…




