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1.紋章の力①???

暴力的表現があります。苦手な方はご注意下さい。


「わぁぁぁぁぁーーー!」

 すぐ横に人間ではない顔があった。

 一瞬しか見えなかったが、眼が光ってた!!肌が青かった!


 幽霊より、こえぇーーーっ!


 俺は逃げる、逃げる、必死に逃げるーーが、三歳児の足は遅い。しかも木の根に足を取られて簡単に転ぶ。転んだままハイハイ這って闇雲に逃げようとあがく。


 マジで生命の危機を感じる。

 って、俺に本能みたいなもんあったんだなぁ。


 前世で逃げ遅れて煙にまかれて死んだ時点で、危険感知能力なさすぎだろう俺っと自虐ってたが、今世はガンガン感知中らしい。


 だがやっぱり殺気に追いつかれ、捕まった。

「ぎゃっ!」

 背中を踏みつけられて、息がつまる。


「ギャハハハッ!見ろよ比嘉ひが。このガキのみすぼらしい声を聞いたかよ?『ぎゃっ!』だってよっ!『ぎゃっ!』ってか、笑えるぜ」

左座さざ、まだ殺してはいけませんよ。麓の村までは手出しをするなとのご命令です」


「わぁってるよ。久々の女王のご命令だもんな。守るよ〜でもさぁ、少しは憂さを晴らさねぇとなぁ。俺らの女王さまを長い間、奪いやがったんだ。死んじまったあのクソヤローの代わりに、コイツで憂さを晴らさなきゃ、気がすまねぇってもんだろっ!」

 ガシガシと背中を踏まれる痛みに、気を失いかける。

 根性とは縁がない文系にコレは過酷。マジでもう一回死にそう。

 それでも生きる望みを捨てるほど、諦めはよくない。


 足が上がった隙にようよう横に転がり、にぎっていた土を投げつける。

「いい・・加減にしろっ!・・んっ、なことしてっ、良いと思ってんのかっ」

「おふっ、なんだこのガキっ」

 投げた土は相手に届かず、嘲笑われただけだ。

 それでもわずかに相手との距離ができた。


「ガキをいじめて楽しいのかよっ!」

 叫ぶだけでも、息がツライ。


「はぁ?あったりまえだろぉ。楽しいよぉ、なぁ?」

 角が生えた爬虫類の顔ーーワニ顔だ。

 その横で鷲顔がこちらを睨んでいるのが分かる。


「お前ら、あの母親の知り合いだろっ!その知り合いの息子に暴行していいと思ってるのかよ、可哀想だろっ」

「なんだこのガキーーてんで分かってねぇのな」

「息子?母親?とんでもない勘違いをしてますね。ーーあのお方の血を盗んだ罪人のくせに、『息子』を名乗るとは許せません。左座、さっさと終わらせましょう」

「おおっ、いいねぇ。下で魔獣に食わせるか?生きながらぐちゃぐちゃに喰われたって報告すりゃあ、一族の皆の憂さも少しは晴れるぜ?」

「ええ。あの男の分も苦しんで貰わなければ」

 物騒なことを言い出すワニ顔と鷲顔に、幼児への優遇はないらしい。


 うん、さすが人外でいらっしゃる。完全なやぶ蛇状態になってしまいました。

 いったい何がどうしてここまで恨まれてるんだ、とうしゃん!

 って、幼児言葉で責めてもあの世は遠い。

 男女のあれやこれやは複雑で、しかも父母の愛憎なんか推察できるはずもない。


 情や常識に訴える作戦はすでに失敗した。

 このままだと、麓の村目前でこいつらにメタメタにやられそうだ。

 逃げるのも駄目。母親コネも駄目。体力限界。


 おぅう、これぞ八方塞がり、危機一髪、どうしようどうしよう!

 神様仏様助けてくれ~。

 こんな時、ゲームならHP1になる覚悟で必殺技を決めたり、救世主が現れたりするんだが。


 にしても、異世界転生だろ?チート能力ぐらいないのかよ。

 あの迫力美女の血を一応引いているらしいから、魔法ぐらい使えるだろ。

 俺のハイスペック目覚めろ目覚めろ、目覚めてくれ!


 近づいてくるワニ鷲顔コンビに、かなり動揺していたらしい。

「ステータスオープン」とかなんちゃって。

 中二病みたいで恥ずかしいが、命には変えられない。

 とっ散らかりながらも、呟いてみたが諸行無常。ステイタスも見えなければ、魔法なんか発現しない。


「く、来るなっ、来るんじゃねぇっ!」

「ギャハハハ!抵抗にもなってねぇ。さすがあのクソヤローの子供だ。這いずり回る虫以下だぜ」

「無様です。これでは我らが一族の恨み、少しも晴れませんね」

「くそっ!」

 結局俺にできるのは、手当たりしだいに地面に転がってる石とか枝とか土を投げるしかない。


(短い異世界転生だったな・・・できれば、痛いのは勘弁してほしい)

 弱気になったのは、迫りくるワニ鷲顔コンビの殺気が本物だったからだ。


 だが、その時だった。

 石を投げた右手の甲からーー紋章の上に、ライフルの照準画面のような八角形の薄いパネルが生えていたのだ。


(キターッ!)

 左手で触れると、ゲームのステータス表示のような画面が現れる。



覇皇はおうの力Lv.1 を使いますか?』



 はい、使うっ!使います!今すぐ使いたい!

 速攻で選んだもののーー。


『生け贄を選んでください』

 イケニエ!?ええっ!?なにそれ!?


 戸惑っていたら、横からの衝撃で身体が吹っ飛ぶ。

 腹を蹴られて斜面を転がって落ちたのだ。

「ぐっ」

 痛みにくらくらする。


「なぁ比嘉、麓ってあとどれくらいだ?」

「そうですね、あと3分の1もないでしょうか」

「じゃあ、交代で蹴り落として魔獣に食わせようぜ」

「麓までは手加減しなさい」

「わぁてる」

「ぐほっ」

 また蹴られた。


 ヤバいヤバいヤバい!マジに死ぬ。イタイぃ。

 そんでもって、目の前には蹴られながらも見える文字がある。


『生け贄を選んでください』


 って絶賛、俺がコイツらの生贄中、みたいな。

 蹴られて転がってまもなく死ぬぅぅぅ。


 そう思った時、新たな選択画面が現れた。


『生贄を選んでください



 ・俺の心臓

 ・俺の腸

 ・俺の両手

 ・俺の両足

 ・俺の両目

 ・俺の髪  』



 えっ!?何だコレ!?



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