序章
<某地区・旧コンビナート>
21時直前、あまり使われなくなった所謂廃墟寸前のコンビナート。
それぞれ形状の違うエチレンプラントやガスタンクが無数に佇み、特殊部隊・抑止制圧隊と謎の武装組織が互いに銃撃し合い、銃弾が飛び交う。
「チッ、次々と湧いて出てきやがる。これじゃキリがねぇ」
コウキが愚痴りながらも、自動小銃を撃ちまくる。
「いっそこのまま突撃してやっかマジで」
「やめとけ死ぬぜ。あ、オマエぶっ壊れるだけか、身体が機械だから」
「オメェもだろがよぉ」
キムの笑いながらの煽動にコウキが反論する。
「うああ!」
ログドが悲鳴上げた。
「どした!ログド!」
「そ、狙撃だ!弾が地べたをバウンドして俺の足掠めやがったぁぁッ!!」
「・・・装甲機動服着用してんだからよぉ、ダイジョブだろが掠めたぐれーでよ—————―—―つか、狙撃・・・・!?」
「おうよ、プラントだと思うがな。手前のモンじゃなくて奥の方に建ってんの、多分あそこからだな。暗視ゴーグル外してよぉ、望遠鏡で拡大してみ」
コウキがログドに言われた通りにヘルメット越しの暗視ゴーグルを外し、望遠鏡を使い、手前のものより50m離れたところに佇む別のエチレンプラントを見渡す。
すると、いた。
鉄柵越しに狙撃銃を構えている。おそらく鎖閂式の対物用であり、多分50口径くらいかはある。
(おいおい・・・!ざけんなよ)
見ていると狙撃手が銃口を少し右に向け、こっちに狙い定めてきた。
「やべええ・・・!」
(オレら死ぬ・・・!)
その瞬間、微かな銃声が鳴り、狙撃手の頭を弾が撃ちぬいた。
そしてその他の戦闘員にも次々と撃ちぬいて行った
(助かったぜ・・・)
後方に850m離れたとこに大きく佇む工場の上にいるのは、ロシア製対物銃を構えているローラだった。
「・・・敵が怯みやがった!」
コウキが突然起立し走り出す。
「おいぃぃ、やめとけやオマエ———」
「うおおおおおああああ!!!」
コウキは次々と敵戦闘員銃を撃ちまくり、走りまくるであった。