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(7) 兄弟と商店街 そのいち
今回はだいぶ短いです。八百屋のおやっさん目線。
○八百屋の場合
今日は週末だ。きっとあの兄弟が買い物に来るだろう。よく話す兄の方が二人暮らしだと言って居た。だからいつも週末に、二人でまとめ買いしに来るのだそうだ。親は離れて暮らしているとかで、なかなか偉い兄弟だ。
良い商品を取り分けておくとしよう。
昼も過ぎた頃、漸ようやく兄弟が来た。
「らっしゃーい」
ジジイ特有のしわがれた声で、声を掛ける。直ぐに兄が側に寄ってきた。
「おっちゃん、こんちわ~」
「こんにちは」
弟も静かに挨拶すると、商品を選び始めた。
「おっちゃん、今日の良いの何?」
「そうだな。……」
こうして兄と喋っている間に、弟はいくつかの商品を見繕っていた。
「おーい、じゅん。今日のおススメはあれとそれだって~」
「…あれとそれって何?」
弟が眉間に皺を寄せる。指も指さずに言われても分からんだろう。
だが兄は冷たく見られても、懲りはしないようだ。
「あー、だからあれと…」
「おじさん、どれですか?」
いつもこんな感じで買い物をしていく。ただ、それでもこの二人は仲がいい。
弟に商品を教えると、先に選んでいた商品と一緒に買ってくれた。
兄弟は連れだって他の店に向かっていった。
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