(21) 平日の
今回は兄目線!です。ブラコン炸裂。
平日、俺が起きる頃には弟はすでに高校に行っている。ラップが掛けられた皿は、弟が学校に行く前に作ってくれた物だ。有り難くレンジで温めてから頂くことにする。たまに弁当を頼むとそれも作ってくれるから、弟は本当に出来たヤツだと毎朝思う。
温めている間に着替えに部屋に戻る。戻る途中で気になって弟の部屋を覗くと、相変わらずキッチリと揃えられていた。強いて散らかっているとしたら、勉強机くらいだろう。それも参考書や教科書の類いだ。きっと、隠しておきたい本なんかも無いんだろうな。
着替えて居間に戻る。バランスも考えられて、旨い朝食を食べる。
弟が居ると怒られるが、俺は食べながらテレビを点けた。昨夜から変わらないチャンネルでは、最近の物騒な世の中の事についてコメンテーターがやや調子に乗った風に喋っている。両親が出張先での事を教えてくる俺にとっては、日本なんて平和すぎる。
「う~ん。やっぱじゅんは料理が上手いよな」
朝食を食べ終える頃には、大学に行くのに良い時間になっていた。
準備をしようと立ち上がったとき、ケータイが鳴った。電話に出ながらテレビを消し、皿を台所に置く。それから荷物を取りに自分の部屋に向かった。
「もしも~し。ああ、お前か。何?今夜?良いよ、行く。はいはい。テキトーにあしらうって。はいはい」
友人からの電話だった。昔からの付き合いで、目当ての女子を釣るために俺に合コンに出て欲しいとのことだった。合コンに誘うのはそろそろやめてほしい。
渋々出席した合コンから抜け出し、家に帰る。食事を蹴ってきたからかなりひもじい。ああ、早く飯食いたいな。
「ただいま~」
台所の弟に声を掛ける。弟は俺をちら、と見ただけで料理の手を止めなかった。少し寂しいな~、なんて、弟に言っても、フザケて居ると思われるだけらしい。
「じゅんちゃん、新しいエプロンにしたんだ~」
制服の上から来ているシンプルなエプロンを指して言うと、弟はぎろりと睨んできた。あんまり怖くない。むしろ可愛い?
「ちゃんを付けるな」
そっちか。まぁ、弟は「ちゃん」付けが嫌いらしい。分かっててもワザとやるんだけど。
「ごめん、ごめんって」
へらり、と笑う俺に弟はため息を吐いた。
弟はいつも部活にも入らずに、まっすぐ帰ってきては家事をこなしてくれる。本人は趣味だ、とか、兄には任せられない、とか言って手伝わせてくれないけれど、お兄ちゃんとしてはそれは少し情けない。
「兄さん、料理運んで」
このくらいはさせてくれるらしい。
運び終えて、二人で飯を食べる。やっぱ、弟と飯を食うのは別格だわ。・・・彼女が一番だけどね。
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