(2) 兄からの弟
今回は兄の話です。ブラコン注意報。(気持ち悪くは無いと思います)
「おぅ、はよ~、弟よ」
寝起きに便所に行こうと部屋を出た所で、弟に行きあった。すでにぴしりと制服を身につけている。
弟は目を見開いあと一言。
「おはよう」
いつも無口な奴だ。今も『珍しい。こんな早くに兄が起きているなんて』位思っているだろうに。良くも悪くも表情も動かないからな。分かりにくい。
「メシ作ってくれたんだろ?ありがとな。ちゃんと温めて食うから」
時間が気になるのだろう。そわそわと腕時計を見る弟にそう言うと、俺を見た。何か言いたいことがあるのか?
「何かあんのか?」
「……」
「そか、何も無いならいーや。今日はバイトもあるし、彼女とも会うから少し遅くなる。あ、でもメシ食うからよろしく」
髪を手で梳きながら今日のことを伝える。弟は少し落ち着いたようで頷いた。
「行って来ます」
「いってら~」
俺は玄関から弟を見送る。
珍しく見送って貰えることが嬉しかったのか(弟は絶対認めないだろうけど)、行って来ますと言いながら少し(本当に少しだけ)微笑んでいた。
「あいつ、笑うと可愛いんだよなぁ。学校とかでいらん虫付けてないだろうな」
勿論、女の子では無く特殊な性癖の男共だ。
昔も結構狙われてたからな。本人は気づいてなかったけど。
確かに『にいちゃん』と、満面の笑みで見上げられたときは可愛すぎて参ってたなぁ。
……何、このブラコン。俺は彼女の方が好きだ。多分。
自分の性癖を考察しつつ、バイトに向かう。今日は大学の講義が無いからほぼ半日バイトだ。今日は給料日だし気合い入るな。
「お疲れ」
恙つつが無くバイトを終え、貰う物貰って表に出ると、彼女が立っていた。はにかみ笑いに少し顰め面を混ぜた表情が、照れ隠しだと知っている。俺にとっては最高だ。
「ああ。そっちも講義お疲れ」
「うん。今日は買い物だっけ」
「おう。弟に買うもんがあってな。給料入ったし、何か買うよ?」
そう言って歩き出す。彼女は照れたまま手を出してきた。俺は素直にその手を握る。これだけでバイトの疲れが吹き飛ぶ。
彼女とのショッピング・デートを満喫し、俺は上機嫌だ。
一人で歩きながら手の中の袋を思う。弟は驚くか喜ぶか。彼女と選んだから、まぁ、外してないと思う。
家について扉を開けると、温かい香りが漂ってきた。弟はすでに料理しているらしい。様子を窺いながら、声を掛ける。
「ただいま。ほれ」
「……?」
「おー、何か分からないってか?誕生日昨日だったろ。おめでとう」
遅ればせながらプレゼントだ。
「は?」
露骨に驚かれた。中々弄りやすい奴め。
「開けてみ?」
弟は中を見ると目を見開く。そしてはにかむように微笑んだ。
「ありがとう、兄ちゃん」
うん、やっぱ俺ブラコンかも。こいつ可愛すぎる。だからいろいろ(?)頑張れるんだ。
でも、彼女の方が別枠だけど。
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