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兄弟 Day's   作者: 着津
10/24

(10) どっきり企画 そのいち

今回は連作そのいちです。多分、もう二度と無いと思います。

「なぁ~、じゅん~」

 そう話を切り出されたのは二日前。

「なんか、あずさがお前と話がしたいんだと。今二人にお互いの連絡先送ったから。登録しといてくれ」

 何だか妙な話だ。話なら兄を通した方が良いんじゃ無いか。そう思いつつも、ケータイを置きっ放しにしている自室に向かった。登録し終えて直ぐにメールを受信する。彼女さんからだ。

 急にごめんなさい、と丁寧に始まったメールには、兄の誕生日のことで相談があると書いてあった。良くある話のように、サプライズにしたいらしい。構わないことを返信すると、直ぐに返事が返って来る。

 それから何回かやり取りをした結果、兄の誕生会を(こっち)でやることになった。

 そして二日経った今日、兄の誕生日の前日で、この日に誕生会を開くことに決めていた。昨日彼女さんに、兄を通して合い鍵を渡させることに成功している。今日は俺が兄を監視しつつ連れ回している間に、彼女さんが夕飯兼、パーティ用の料理を作ることになっている。

〈これから兄を連れ出します〉

 彼女さんに連絡する。

〈了解です!じゃぁ、また後で〉

 直ぐに返事が来た。

 ケータイを閉じて兄と出かけるべく自室を出る。

「兄さん」

「お?もうそんな時間か?オッケーオッケー、準備できてる」

 頷いて玄関に向かう。

「にしても、じゅんちゃんが一緒に出掛けようなんて珍しいな~。何?気になる子でも出来た?それでプレゼント買うとか!?」

 勝手に決めつけるなちゃん付けるな。そして何故嬉しそうなんだ?様々な意味を込めて視線を送ると、兄はへらりと笑う。

「悪い悪い。でも、じゅんに好きな子出来たら間違いなく応援するぞ、俺は」

 別に要らないけど。目をそらす俺に、兄はまた笑った。

「何~?照れてる?」

 ……。

「今日は本屋と靴屋」

「分かった。じゃ、少し急ぐか」

 こうして兄と一緒にたわいない事を話ながら、久し振りに街を歩くのだった。

読んでいただきありがとうございます!

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