3.ランキングと検索機能について思う事
なろう(読もう)サイトを見ると、ランキングと検索機能がある。ランキングは総合と分類別、期間別になっており、検索機能は、詳細、分類、小説、範囲という4つの手段が用意され、用途に応じて様々な検索が可能となっている。
ランキングは言うまでもなく、評価の高い作品を知る事ができ、読者全体の趣味や嗜好の傾向が把握できる。特に長期に渡って評価の高い作品は、概ね中身の質もそれなりの水準にある事が想定され、短期の評価が高い作品はその時々の流行を知る事ができる。著者にとっては、高い評価を得やすいジャンルや設定、流行等を知る事で自分自身の作品を書く上で参考になるし、読者は労せずして質の高い作品を知る事ができる訳だ。
検索機能は、細かいジャンルやキーワード、並べ替え順まで設定できる事から、自分の嗜好に合った作品を探し出す上で非常に有用である。著者の中には、読者による作品評価を拒否する設定にしている人もいるので、埋もれた作品を探す上では、検索機能による絞り込みは必須といえるだろう。ただ、それだけに手間が掛かる事は否めない。
つまり、ランキングと検索機能を使用すれば、おおよその範囲で自分が読みたい小説を絞り込む事が出来る訳なのだが、どうにもランキングが気に入らなくて仕方がない人達がいるようである。曰く「似通ったテンプレ設定で中身の薄い(質の悪い)作品がランキング上位に載って、良作品がランキングに載らない」とか「ランキング上位は似通った作品ばかりで飽きてくる」等である。
だが、ちょっと待って欲しい。ランキングにはジャンル別の表示も出来るし、何も総合ランキングのみで作品を探せと言われている訳でもない。検索を使えば並べ替え機能等もあるので、ランキングに縛られずに嗜好に合った作品を探せるはずだ。そもそも、ランキングは読者の評価を統計処理して示した物であって、個人の嗜好や欲求を満たす為にある物ではないだろう。従って、ランキングは自分自身の目的に合わせて上手に利用する物であって、自分が望むような結果になっているのかどうかを必要以上に気にする事はナンセンスに思う。
それに、初めて作品を書いた素人でも気軽に投稿できるサイトである以上、ランキング上位に載った作品でも玉石混合なのが寧ろ当たり前(短期集計の物ほどその傾向が強い)と言え、似通った物になったり、更には完結せずに放置される事が多い事も致し方あるまい。大体、質の高い作品だけを読みたいのなら、本屋なり図書館なりへ行けば良い話なのだから、玉石混合である事こそを楽しむべきではないだろうか。
玉石混合だからこそ、お気に入りの良作品に出会った時の喜びもひとしおになるとも考えられる訳で、ランキングと検索機能を上手に活用して探したい物である。




