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親戚の叔父さんと叔母さんは、水萌が出ていくのを寂しく思っているみたいではあったけど、本当の両親と一緒にいたいだろうと、快く認めてくれた。
水萌の新しい家が建てられた土地は空き地だった。土地の持ち主と交渉し、国が買い取ったらしい。
その場所は駐車場にでもするつもりだったようで、結構な広さがあった。
そのため、新しい水萌の家は驚くほどの豪邸となった。
「すごいのだすごいのだ。家の中でかけっこができるくらいなのだ!」
フーミンもはしゃいでいた。
「わぁ~、ほんとにすごいでございますですね~。広いだけでなく、短い期間で建築されたはずでございますのに、とてもしっかりした造りになっておりますし、調度品なども含めてとても優雅な雰囲気をかもし出しておりますでございます」
地花ちゃんも、相変わらず中学生とは思えない感想を漏らしていた。
「ほんとにすごいな~。しかも、いつでも泊まりに来ていいなんて言ってもらえるなんて。お客様用の部屋も、全部でいくつあるって言ってたっけ?」
土柳も目を見開いて水萌の家を見上げていた。
「七部屋くらいはあるって言ってたのだ」
「ま、いくら部屋の数が多くても、土柳が水萌の家に泊まるなんてこのあたしが許さないけどね」
「うあ、ひどい! 俺だけ、のけ者なのか?」
「そんなの当たり前でしょ? 土柳だし」
「ひどい……。やっぱり炎壁は鬼ババだ!」
「なんとでも言ってなさい!」
「うふふ~、みんな、いつもどおりでとっても楽しいわぁ~」
あたしたちのやり取りを、水萌は温かな笑顔を浮かべて見つめている。
水萌は今も爆弾娘のままだ。
解除薬の研究は急いで進める予定だけど、それでもまだまだ時間がかかるはずだと、飛沫さんにも言われていた。
だからこれからも、水萌のことをよろしく頼むよ。
そうお願いされたあたしたち。
わざわざ言われるまでもない。
あたしの大切な大切な親友である水萌。
彼女が笑顔でいられるように、あたしたちはいつでも一緒にいて、ともに楽しい時間を過ごしていくのだ。
これからも、ずっと。
「でも、ほんと幸せそう」
ず~っとニコニコしている水萌を見て、あたしはポツリとつぶやく。
「うん、幸せだよぉ~」
にこぉ~っ!
水萌は明るい笑顔をいっぱいに咲かせていた。
あ~ん、やっぱり可愛いわ~。
それにしても、ほんとに幸せそうだ。
あたしとしても、水萌とお隣さんになれて今まで以上に水萌と一緒にいられるのだから、とても幸せだった。
「こないだのことで、よりいっそう仲を深めた感じなのだ。もう誰にもふたりの仲を引き裂くことなんてできないのだよ」
フーミンが呆れ顔で見ていたけど、そんなのを気にするあたしたちではなかった。
毎日あたしは水萌の家に行き、一日のうちのなるべく多くの時間をともに過ごす。
水萌の温かい笑顔を見て、あたしも幸せな気分になる。
こぼれ落ちそうなほどの笑顔を見せているのだから、水萌だって幸せに感じてくれているはずだ。
爆発の危険があるのは確かだろうけど、その可能性は低いと思う。
だって、水萌にはあたしが、そして他にも頼もしい仲間たちがついているのだから。
水萌が悲しみや苦しみに沈むことなんて、ありえない。
いや、あたしが絶対にそんなことはさせない。
水萌は、あたしが護る!
あたしは改めて、そう決意を固めていた。
「うふふ~、これからもよろしくね、熱希ちゃん~!」
「もちろんよ、水萌! こちらこそ、これからもよろしく!」
「あ~、やっぱりいつもどおりなのだ」
「いつもどおりだな~」
「いつもどおりなのでございますですね~」
暖かい日差しと、仲間たちの生温かい視線の中、今日もあたしと水萌は両手を強く握って見つめ合うのだった。
以上で終了です。お疲れ様でした。
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