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カラオケでの告白準備。準備万端?心は、不準備。

 俊に浩介、百合に未来はの4人は、雅紀と織を映画館に残して映画館近くのカラオケ『ミラージュ』に来ていた。

「よっしゃー!一発目は俺からいかせてもらいまぁ~す」

部屋に入った瞬間、マイクを持ってそう叫んだのは、浩介だった。浩介は音感が良く、雅紀と俊と共に3人でよく行っていた。

「うっせぇよ浩介。テンション上がんのは分かっけど、少し黙れ、つーかタヒれ♪」

「酷すぎだろっ。つーか、お前はキャラ変えすぎ」

そんなやりとりの中、百合と未来はドリンクバーを注ぎに行っていた。

「いいか?俺は途中で百合と一緒に近くのカフェ行ってくる。だから、そんとき告れ!いいな?」

「オーケー♪てか、人の告白まで段取り決めちゃうか、普通?」

「それが、俺らしくね?」

「だなっ♪」

浩介はタッチパネル型のリモコンをいじくると、俊が好きなアーティストの歌を選択した。

「なぁ~に?2人でコソコソとぉ?何か怪しいぞぉ♪」

ドアが開き、百合と未来が部屋に戻ってきたと同時に、歌が流れ始めた。

「では一発目、いただきまぁ~す♪タイトルは、――」

浩介の声を始まりに、声が続き始めた。

 「やっほぉ~!何4人で盛り上がってんだよ」

30分後。遅れてきた雅紀と織が部屋に入ってきた。

「おっ?何々?そこもカップル成立ぅ?」

未来が手を仲良く繋いでいる雅紀と織に言った。丁度浩介と百合が歌っていたので、2人は気づいていないらしかった。カラオケの予約数は、『0』だった。そう、次なのだ。

「どうもぉ!ラブラブのコンビでしたぁ」

浩介は、マイクのスイッチを切るとテーブルに置いた。

「なぁ百合、そこのカフェ行こうぜ?俺、ミルク飲みてぇ」

「え?……いいよ。じゃぁね」

百合は何かを悟ったかのように、そこで『さようなら』を告げた。

「あれ?もう行くの」

「雅紀、お前ってホント空気読めぇのな」

「ん?」

「ほら、栗山。私達も」

「あ、あぁ。てゆーか織ちゃ~ん。俺の名前も下で呼んでよぉ」

「栗山が変な呼び方止めたらね」

嵐のように現れた雅紀と織は、嵐のように去っていった。浩介と百合を連れて。

「……皆どうしたんだろ?」

「うん、そだな」

俊は自分の心に覚悟をまだ決められてなかった。

(やっべぇ……言葉になんねぇ)

俊の心の中は、揺れ動いていた。微かに……。

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