窓
掲載日:2026/03/13
半開きの車の窓から冷たい空気が流れ込んでくる
乾き始めた地面と草木の匂いが顔を撫でた
近くで鳴く雀の囀りと、遠くから聞こえる車の走行音が風と共に通り抜けていく
小高い丘のコンビニの駐車場からは街の様子が伺える
盆地に立ち込めた霧の所々から、建物の頭だけが見えていた
山向こうから顔を覗かせる太陽が薄い雲に覆われて、その輪郭をくっきりと現している
光芒が山や高架線の影を長く伸ばし、霧の上から街へ被さり大きな斑模様が出来ていた
パンの残りを一気に食べ終え、コーヒーをひと口啜り、深呼吸をひとつ行う
ブレーキペダルを踏んだまま車のエンジンを入れ、シートベルトをして、サイドブレーキを戻し、ギアをバックに入れる
バックミラーとサイドミラーで後方を確認しながらアクセルをゆっくり踏み、ハンドルを回し、車を後曲進させつつ、駐車スペースから抜け出した
一時停止し、ギアをドライブに切り替える
駐車場から出るルートを確認し、前方を見据えてゆっくり発進する
朝が始まる




