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プロローグ

思いつきで書いただけです。

更新予定は未定ですがコメントなどで言ってくださればできるだけ急ぎで書きますね。

この世界は狂ってる。だってそうでしょう?僕らはただ、いつも通りに遊んでいただけなのになのに…どうして、どうして彼女は死ななくてはならなかったのか。


小鬼(ゴブリン)、そう呼ばれる魔物の手によって殺されてしまった幼馴染みの彼女の前に立ちすくむ僕。


ねぇ神様。僕らは罪を犯したかな…?悪いことしたかな…?罰を受けるようなことをしたの…かな?


幼い僕にはどうして彼女が死ななければいけなかったのか分からない。


彼女の亡骸(なきがら)は鈍器のようなもので滅多打(めったう)ちにされて死んでいる様子だ。


「おえっ!」


あまりの気持ち悪さに四つん這いになり吐いてしまう。


人の死体を見るのなんて初めてだ。ましてや初恋の少女の死体など…。


「辛いよな…」


ぽん、と村人の1人が僕の頭を撫でてくれる。


それと同時にボロボロと涙が零れ落ちてくる。


「なんで!どうして彼女が、サクラが死ななきゃいけなかったのっ!僕らはただいつも通りに遊んで、いつも通りに家に帰ろうとしたんだ!それだなんだよっ!」


うわぁぁぁぁぁっ!と泣きじゃくる僕。


「起こっちまったことは変えられないんだ…今のお前さんには酷かもしれんが少しずつ前に向いていくしかねぇ。生きるしかねぇんだ。それがお前さんが彼女にできる精一杯のことじゃないのか?」


くしゃくしゃと泣きじゃくる僕を撫でてくれる。それだけで少し心が楽になるのを感じる。




村への小鬼(ゴブリン)の襲撃。


それは突然のもので、僕らがいつも通り鬼ごっこをしたり、お花をつんだりして遊び終わりお互いに「また明日ね!」とそう約束した日のことだった。


「皆逃げろっ!小鬼(ゴブリン)だっ!」


帰路についている途中、そんな叫び声がした。


「ゲギギギッ」


という気味の悪い笑い方をするそいつは棒状のもので叫んだ男の脳天を一撃。


ドサリと倒れる男。


「キャ〜っ!」


近くにいた女性が叫ぶ。それと同時にパニックが広がっていく。


四方八方に散らばって逃げる村人達。


小鬼(ゴブリン)は家や畑に火を付け始めている。


「どけっ!」


ドンッ!と押しのけられ尻餅をついてしまう。


そのせいで逃げ遅れてしまい、立ち上がろうとした僕の目の前に小鬼(ゴブリン)が立ちはだかる。「グギギ」と棒状の武器を振り上げる小鬼(ゴブリン)


「あっ…」


恐怖で身体が動かない。


ブンッ!と振られた武器が僕に迫る。反射的に目を閉じる。


…が、いつまで待っても来るべきはずの痛みがない。


「早く、逃げろっ!」


村人の1人が農具を片手に小鬼(ゴブリン)の武器を受け止めていた。


僕は急いで立ち上がり村人の言葉通りに逃げる。


どこに逃げればいいのかは分からない。けど、とにかく前へ走る走る走る。


「戦えるやつは武器を持てっ!女性と子どもを優先させて逃げさせるんだっ!」


大声で指揮を取る声に「「おうっ!」」と複数の声が聞こえてくる。


「傭兵の人たちが到着するまでやるぞ!野郎ども!男の見せ所だっ!」


そんな言葉を背に僕はひたすら真っすぐ走って走って走り続ける。




その後のことはよく分かっていない。必死過ぎて記憶が曖昧なのだ。


覚えていることは傭兵の人たちが小鬼(ゴブリン)を一掃してくれたこと、それに伴った被害として村がめちゃくちゃになったと言うことだ。


そして何より目の前に初恋の相手が冷たくなってしまったということ。




ひとしきり泣いた僕はふらふらと外に出る。


サクラの死体をこれ以上見たくなかったからだ。これ以上見続けていればその現実に押しつぶされてしまいそうになる。


「ここだな。この穴から侵入されたんだ」


元々空き家だった家からそんな声がするがどうでもいい。僕には関係のないことだ。


初恋の、大切な幼馴染みを失った。大切な村が焼かれた。


そんなどうしょうもない理不尽を前に絶望で打ちひしがれていた僕はふらり、ふらりと変わり果てた村を目的もなく歩く。


しかし、ボロボロになった村が彼女を死んだことを証明しているようで、夢じゃないんだとそう言われているようで嫌になる。


駆け足で村から少し離れた森の中に入る。


ここなら嫌な気持ちになることもないだろうと、そう思ったからだ。


大きな石を椅子代わりにしてぼーっと考える。


せめてもう一度サクラに会いたい。「またね」とその約束を守ってそれで…それで好きってそういいたかった。


もう一度…そう考えた時にある物語を思い出した。死者を蘇らせる物語だ。




子どもだった僕は本当にできるとそう思い込んで死者蘇生の研究に熱中していくことになる。いや、本当はサクラの死の悲しみを忘れるためだったり、何か努力したという言い訳が欲しかったのかもしれない。


けど、そんなことはもうどうでもいい。なぜならそう、僕は10年の歳月をかけて成功させたからだ、死者蘇生を。

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