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第三話 魔法

 私はラーベから魔法というものを教わり、この世界で生きていく術の一つを学んだ。

 魔法はこの世界において、知ってて当たり前、あって当然というものらしく、ラーベに知らないと言ったときは、ひどく驚かれた。


「はッ、お前、魔法を知らないのか?! ええ・・・じゃあまず、召喚魔法を教えてやるから、さっさと覚えろよ!」

 なんやかんやありつつも、最初に召喚魔法を教えてもらい、ラーベと契約を交わし、使い魔に。その時のラーベは渋々というようだったが、大人しかった。

「次は・・・そうだな、攻撃魔法だ。どんどん教えてくからな! おいついて来いよ、白髪野郎!」

「名前で」

「ああもう分かったよ! いくぞ、カレン!」

 契約後もてんやわんやしつつ、順調に魔法を教えてもらい、なんということなく覚えていった。

 魔法には種類と属性があり、【攻撃魔法・回復魔法・生活魔法】などなど、属性は、火・風・水・土の【四大属性】や、闇・光・無・時などの【特種属性】がある。【属性魔法】とも言い、【水魔法】【火魔法】【空間魔法】などともいう。

 魔法は面白いもので、「何でもできる」という言葉に最も近いものだといえるだろう。魔法使いという魔法を使う職業もあるようで、確かに、魔法ならそういうものがあっても納得である。

 百聞は一見に如かず、聞くだけでなく、実際に魔法を使ってみることもあり、火魔法の〖大火球〗を打ち、森を炎上させ、水魔法の〖水球〗の雨で炎上を抑えるなど、ちょっとしたハプニングもあったが、そんな調子で順調に覚えていった。


 そして今に至る。

 全魔法、全属性を完璧に覚え、その上、浮遊魔法でプカプカ浮いて遊ぶ余裕まであった。しかし、一日で全部覚えたのはいいものの、流石に頭が痛くなるので、情報を整理するついでに、頭を休ませるため、少しの間ボーっと空を見ていた。仰向けになり、ただただ青いだけの空を、じーっと見つめていた。


 ――――カレンはそんなこともできるんだなあ。当たり前みたいに考えてるんだろうけど、それ、すごいことっていうんだよ、カレン?―――


 頭の中に謎の声が響く、しかし、私はその声を聞くが、頭はポカンとなったままだった。

「・・・・あっ」

 声を聞いてしばらくしてから、それが謎の声だと認識する。

「どうしたんだよカレン。さっきからボーっとしやがって」

「声が・・・・」

「あぁ? こえェ?」

 ラーベは「何言ってんだ此奴」というような呆れた顔をこちらへに向けた。

 魔法を全部覚えることはすごいことなのだろうか。謎の声が言っていることは本当のことなのだろうか。

「頭がパンクしちまってんじゃねェか? お前には早かったかァ?」

 ケラケラと、こちらを嘲笑うかのように言う。

「私の頭はパンクしてない。まだ死んでないし」

「そういうことじゃねぇよ! ケケ、お前って結構馬鹿だよなァ」

 ラーベは馬鹿にするように笑った。私はそんなに馬鹿なのだろうか。

「ラーベよりはいいと思うけど――――」

「それだけはぜってェありえねェ!」

 少なくとも、ラーベよりはうるさくないと思う。

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