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000.独白
rev**
雪が降っている。
白く、白く。
何処までも白く穢れのない雪が、すべてを覆い尽くさんばかりに降り荒んでいる。
色も音も匂いも、とうに白に呑み込まれた。
いくつもを選び取ろうと伸ばした指先の感覚も、既にない。
それでも、胸を焼く熱は未だ冷めやらず。
上手く力の入らない指で縋ってくる手を握り返せば、聞こえない嗚咽が一層大きくなった気がした。
耳の奥で、鐘の音が聞こえる。
聞き馴染んだその音は、今日は何処か物悲しい。
嗚呼。今回もまた、駄目だった。
それでも。
いつか雪解ける日のために、この物語をなぞる。
再びその手を取れることを願って。
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