『ライトノベル論・小説と挿絵について』《一》
どうもこんにちは。
よくライトノベルは『挿絵』で売り上げが決まると言われています。
5ch(旧2ch)のラノベ板のコテハン名は
「表紙に騙された名無しさん」です。
そして言い得て妙な事実、『作画ガチャ』なんて言葉があるように、
ライトノベルではその「小説の作者」より【絵師の名前】の方が
目立ってしまっています。
ヘタをすればその【絵師】を「小説の作者」と勘違いしている人も
多いのではないでしょうか?
まぁ確かに小説の「内容」が【絵】に負けている作品も多い、
というのは残念ながら揺るぎない事実でもあります。
『表紙(キャラの絵)が気に入ったから』で
ライトノベルを選んでいる人もまた多いのではないでしょうか?
同じ小説描く身としては、コレは厳然たる小説の【敗北宣言】に他ならないと
個人的には想うのですが、しかし『ライトノベルの歴史』を振り返ってみても、
【アニメが人気になって】その『逆輸入』の形で「原作」を手に取る、
という形がほぼ定型化しているのも
この『挿絵至上主義』に拍車を掛ける一因になっていると想われます。
そもそも【小説】なのですから、
本来『挿絵』は必要無い筈なのですが
こと「ライトノベル」に限って、
【何より絵が重要】という逆転現象が起こってしまっています。
昔の文豪の小説は、ほぼ『題名』だけの「無表紙」であるにも関らず。
無論、読者のイメージを促進させるための「補助媒体」として
挿絵の存在は否定しませんが、
しかしソレが『主役』になってしまっていては
本末転倒も良い処です。
(敢えて『商業主義』については此処では論じない事にします)
別段、挿絵を描いている「絵師」の方を揶揄するワケではありません。
しかしその方に頼り切りになってしまう実情というのは
【小説家として】なんとも情けない限りではないでしょうか?
名前は出しませんが、あるライトノベルなど
『服装の色』が小説と挿絵で【違っていた】事もあるくらいです。
そしてある人気作品は【挿絵無し】の無表紙で出したら
全く売れなかったという話も耳にしました。
次回よりはこの点について、もう少し掘り下げて
考察を深めて参りましょう。