『異世界転生モノの構造的問題点を考える』 《五》
『異世界転生モノ』はキャラクターの人間的魅力が希薄、
【構造的】にそうなっている、というのは前回語った通りです。
作品名は出しませんがある有名な異世界転生モノを読んだ時ワタシは、
その小説の主人公の言動が気色悪過ぎて3巻以降はもう読めなくなりました。
特に女の子を見る目が、それに対する「行動」が、
本当に小児性愛者のソレを見ているようで
気持ちが悪くてしょうがありませんでした。
荒木先生も仰っているように作品の『主人公』というのは、
読者から『好感』や『尊敬』を持たれなければいけない存在なのに
【その逆】を行ってしまっているのであれば本末転倒も良い所です。
(「ピカレスクロマン」でも無い限り)
《一》で申し上げたように『異世界転生モノ』は、
異世界に転生させてしまえば誰でも好き勝手に
ライトノベルなら書けてしまうというジャンルなので
上記のような『キャラクター』が粗製乱造されるのでしょうが、
「その作品が本当に面白いか?」と問われれば
答えは肯定からはかなり遠いと愚考します。
我々読者は『魅力的なキャラクター』が
活躍する所が読みたいのであって、
『作者の分身』であるキャラクターの『妄想』は読みたくはないのです。
コレは『異世界転生』に限らない、
ライトノベル全般に言える事象です。
特に何の取り得も特徴もない、正義感が強いわけでもなければ
自分の目標や理想に向かって必死に努力してるわけでもない、
中途半端か優柔不断か朴念仁の主人公が
何故か理由もなく美少女にモテる、等という話は
全部上記の【悪例】と同じです。