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『人間の本質Ⅱ ~醜く不完全だからこそ~』



 今更ながらですが、「島 耕作シリーズ」で有名な

『弘兼 憲史』先生の作品を読み漁っています。

上記とは別の代表作である『黄昏流星群』などを読んでいると、

あぁ、この人は本当に【人間が好き】なんだな、と

しみじみ感じ入る次第です。

 結構エグイ話もあったりするので人によっては苦手かも知れませんが、

『50歳、60歳を過ぎても女性経験が無い』

『70歳、80歳になっても恋愛や性欲は有る』

という他の作品では中々【描かない事】を

省略無しで露骨にまざまざと見せつけて来たりもします。

 一見、醜悪で眼を背けたくなるような事象ですが、

でも()()()()()()()【確実に存在する】でしょう。

 別に犯罪を冒したわけでもない、ただ『少数派』というだけの話で

その事自体は別に【悪い事】ではないのです。

 でもワタシ達は『50歳で童貞だ』という「字面」だけで

【生理的嫌悪感】を抱いてしまい、

そしてソレが『全て』だと勘違いしてしまいます。

 だから「ライトノベル」には『美少女しかいない』

『彼女たちは永遠に歳を取らない』

【物語から“数十年後”なんて絶対に書かれない】

というのがその全てを象徴しています。

 そしてその結果として行き着くのが作品としての【浅薄さ】

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

それで『人間が好き』『人間は素晴らしい』などと書いても

ソレは全部【嘘】です。

何故なら【そんな人間は存在しない】からです。


 だから「ライトノベル」のキャラクターは

人間ではなく“人形”或いは“ルッキズムの権化”などと

揶揄されたりもします。

『一部の者』の更に【極々一部しか】救われない話なら

“人間賛歌”を描く意味がありません。

二度と作中で【心が大事だ】などの描写は書かないで欲しいと想います。


 人間は醜いし不完全だし失敗もすれば無様で愚かな姿も晒す、

【だからこそ(いとお)しい】

 弘兼先生の作品を読んでいて常に感じるのは

この強烈なメッセージです。









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