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【シン・ライトノベルによくあるパターン:||】  作者: 沙波羅 或珂


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313/314

『或る創作者の失敗Ⅱ』 【リクエスト】




 続けましょう。

 表題にあるように一体何が【失敗】なのか?

 ソレは皮肉にも当該人物と質問者の方が指摘していた

『普遍』というコト。

 ソレは大多数の人が『共感』する概念ながら

同時に【妥協、妥結】が往々にして付いて回るという

業でもあります。

 手っ取り早いので有名な『魔女の宅急便』で説明しましょうか?

 この作品のヒロイン役も相手方の少年の役も

今でも昔からも有名な声優の人です。

 しかしながら幾ら超有名な作品の主役を張ったからといって、

そこで【声優人生が終わる】わけではありません。

 その後も数多くのキャラクターを演じていかなければならないワケですし、

当然その中には上記の有名作品とは真逆の、

【相当キツイ役】もやらねばならない時だってあります。

 ワタシも思い出したくもない、

未だに『共感性羞恥心』が爆発する

「ある料理アニメ」があるのですが、

その主人公と準主役を演じているのは

まんま上記の二人、

魔女の宅急便の【キキとトンボ】です、

二人とも特徴的な声なので一発で解ります。

 あのジ〇イは【それが嫌】なんですよ。

 キキとトンボの声は【永遠にあのままで】いて欲しい、

他のアニメで【エグイ役】とかやって欲しくないんです。

それはキキとトンボを想起させるから。

【普遍じゃなくなっちゃう】んです。

【俺だけのキキの声】にならなくなるんです。


 宮崎駿が【声優ではなく俳優を使い出した】のは

正にコレが理由。

 俳優なんですから、声優じゃないんですから

一度自分のアニメの声をやれば

【もう他のアニメには出ない】んです。

 可能性はゼロじゃないですがその可能性は

本業の声優よりかなり低くなります。

 木村拓哉が「ハウルの動く城」以外で

声を当てた事が無いのが何よりの証拠。

そういう意味では「エヴァの庵野監督」が声を当てたのも

納得がいきます。

【二度と他の役はやらない】からです。

 だから幾ら棒読みだろうと声が浮いていようと

『俳優』を使うのは当たり前。

 一番有名な「山寺 宏一」氏が一回も出てないのも

ソレが理由です。

 自分の作品に出た後に、

【同じ声で萌えアニメとかラブコメとかやって欲しくない】んです。


 以前、大半の人間は良い方向でも()()()()()()

【そのイメージをひきずる】と書きました。

 評論家かよほどのマニアでもない限り、

『感情をフラット』にモノを観る事は出来ないんです。

 逆にその感情に蓋をして作品を観る事は、

却ってその『本質』を見誤る事に繋がるのかも知れません。

 創作者側の方が【より感情的】だからです。

そうでなければそもそも【作品を創ろう】とは想いません。

 まぁ何やら最後アノ老人をフォローするような

言い分になっちゃいましたが。

何事も【度が過ぎれば】話は別で、

【声優サンにも日々の生活がある】ので

ジ〇イのわがままにはつきあってられん、

というのが本当の処でしょう……('A`)

 そして、

【キャラクター (作者)に罪はあっても声優に罪は無い】

 ワタシが云いたいのはただソレだけです。


挿絵(By みてみん)



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