『創作の裏技』
【ステータス・オープン】【~~のレベルが上がりました】
「小説家になろう」、特にVRMMOモノなどではお馴染みの表現ですが
この表記を見た瞬間に読む気がゲッソリと無くなるのは
ワタシだけでしょうか?
幾ら「そういうのがある世界」「王道テンプレ」「ゲームの中に転移した」
と云われても余りのリアリティーの無さに辟易とするのは
ワタシのみではないと信じたい処です。
以上が前提ですがコレを上手く使う、というのではないな、
【上手く誤魔化した】或いは読者の視点(意識)を『外した』
という例があるのに最近気づきました。
なろうでは有名な『盾の勇者の成り上がり』という作品がありますが、
コレも【ステータス・オープン】が出て来る代表例ではありますが、
結構【上手く誤魔化したな】と表現は悪いですが
事実言い得て妙だとは想いました。
御存知の方は御存知のようにこの作品は
無実の主人公が冤罪をかけられ最底辺にまで落ちた後
そこから這い上がる事を目的としたストーリー構成です。
そしてコレってまんま現実の【痴漢冤罪】と
構造が全く同じなのですよ。
・幾ら『無実』だと訴えても【相手の言い分ばかり一方的に正しいとされ】
こちらの言い分は聞いてもらえない。
・周囲の人間に鬼畜の【犯罪者】扱いされ、
最初は信じてくれた家族や友人も徐々に離れていく。
・自身の潔白を晴らそうとも膨大な時間と資金と労力がかかり、
それでも裁判で負けるパターンの方が多い。
・そもそも『法律 (状況)』が不完全で杜撰だから、
最初から「勝てる」構造になってない。
どうでしょうか? このように読者が【不快感】を抱き易い設定を
メインに据えると、【ステータス・オープン】はどうでもよくなるのです。
そんな事より早く主人公をハメた〇〇女に復讐しろと読者の感情は流れますから
余計にその『疑問』はスポイルされる結果となります。
【人間は怒りながら疑問を抱く事】は出来ません。
二つの感情を『同時進行』する事は不可能なのです。
この「裏技」というか『トリック(詐術)』的なやり方は、
上手く使用すれば拙い設定を読者に気づかせないという効果を発揮するでしょう。
創作は『正攻法』ばかりではない。
こういった【邪法】も、推奨はしませんが知っておく事は
悪い事ではないと想います。