表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
257/296

【物語の欺瞞】



 はいどうもこんにちは。

国定 忠治(くにさだちゅうじ)』という人物を御存じでしょうか?

 その名前くらいなら一度は耳にした事があるかも知れません、

よく戯曲や演劇の演目とされ、“弱きを助け強くを挫く”という

勧善懲悪の『義賊』として描かれる()()()()()です。

 だが歴史上の人物が『正鵠』に描かれる事は無いという例に漏れず、

実際の処は現代で云う処の【反社会勢力】に於けるヤ〇ザであり、

“弱きを助ける”どころかその「弱き者」の家に徒党を組んで押し入って、

略奪、強〇、暴行、殺人の限りを尽くし、

その最後は磔、獄門に処されたと云う、

もうフォローのしようが無いただの【悪党 (外道)】です……('A`)


 しかしコレが「歴史」の不思議な処というか「暗部」と云っても良いのですが、

この『国定 忠治』、現在では「盗んだ物を貧しき者に分け与えていた」

等と云う()()()()()()『ストーリー』が独り歩きし、

その素性を知らない者には『英雄』として祭り上げられています。

 この原因となったのは先ほど言った「戯曲」や「演劇」

所謂『物語』の所為であり、その中で『美化』『正当化』されれば、

まるでソレが【史実】のように()()()()()()()()()()()という奇妙な現象が起こります。

「何か」に似てると想われませんか? というまでもなく

その答えはお決まりの「ライトノベル」です。

 これまで話してきたように()()()()ラノベ作家は

【自分を主人公】にするパターンが非常に多いのです。

 その際に、“あるがままの自分”を“客観的に”描く者はほぼ皆無で在り、

当然、過剰な『美化』や『正当化』の限りを尽くす事となります。

 コレが『物語』の『創作』の怖さであり、

ワタシのように端から『懐疑的』な者なら騙されはしませんが、

“物事を疑ってかからない人々”は容易くソレに騙されてしまいます。

 極論、『挿絵』が上手ければその「中身」は()が書いているかという

【事実】すら、どこぞに吹き飛んでしまいます。

 正に先述の『国定 忠治』然り、アメリカの『ビリー・ザ・キッド』然りなのです。


 ただの【鬼畜外道】ですら『物語』の力では『英雄』扱いされてしまう。

「覗き魔」「盗撮魔」「不埒漢」「卑劣漢」を『善人』として

描く事も、論理的には充分に可能と()()()()()()()()()

 この()()()()()()()

何よりも醜悪で悍ましいとワタシは考えますが、

「書いてる本人」はその事には気づかない、永遠に。

 ともあれ、文章を読む際には「理屈」よりも『感覚』従った方が

得策であるという事がよく解るとは想います。

【作品には作者が全て出る】

 その醜悪な本性、「その本人」が描いている限り、

『自分自身』からは決して逃れる事は出来ないのです。


挿絵(By みてみん)





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ