【悪意の受容】
~皆、自分自身の悪意から眼を逸らし過ぎさ。
だから、『本当に正しいものや美しいもの』が何なのか
解らなくなってしまったんだ~
はいどうもこんにちは。
上記の言葉はワタシが好きなある作品のセリフですが、
言い得て妙というか、ワタシが作品に好悪を抱く
「基準」にもなっております。
浅薄な作品ほど、人間の正しい部分だけを見ようとする、
言い換えれば【都合の悪い事からは眼を逸らす】
コレは【学校の虐めの隠蔽】と同じ心性であり
容易く『偽善』に結びつくモノです。
多くのラノベキャラが「善人 (という設定)」にも関らず、
その言動が全く心を打たないのは、
作者がその【悪意】から眼を背けて
『偽善』に堕しているからに他なりません。
ワタシが尊敬する創作者、
『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木先生と、
『HUNTER×HUNTER』の冨樫先生は
共に【ホラー映画】がお好きです。
「リング」のような恐怖が主体のモノではなく、
殺人鬼が凶器を振り回して暴れ回るような
暴虐、殺戮、蹂躙をテーマにした作品を
数多く観られているそうです。
そして云うまでもなくその作品に対する”興味”は
間違いなく【悪意】です。
キレイゴトは云いません、人間にはそのような加虐、
残酷な面を『愉しむ』といった心情が間違いなく存在します。
ジョジョやH×Hで時に
【グロ描写がキツイ】と呼ばれるシーンが出て来るのは
上記の【悪意】より発生するモノでしょう。
そしてワタシが説明するまでもなく、
上記の作品は人間の愚かさや絶望を描いたモノではなく
その存在の輝かしさを謳った
正に『真の名作』です。
その重要なファクターの一つが表題の概念、
【悪意の受容】にこそあるのです。
何も考えずに漠然と書いた「ただしさ」と、
自身の悪意を認識してソレを克えようとして描いた
『正しさ』とでは、自ずとその深みも奥行きも完成度も違ってくるでしょう。
少なくとも【美少女にだけ優しくする】
等と言う愚は避ける事が出来ます。
同じ名作、『寄生獣』だってそうです。
人間の愚かさや浅ましさ、残酷さ、卑怯さ、
矛盾性から決して眼を逸らさないから、
最後に【真の希望】を描く事が出来る。
最近心を打つ作品が少なくなったのは、
ライトノベルではほぼ皆無と云って良いのは、
その『一番最初の部分』がまず間違っているというコトです。