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『異世界転生モノの構造的問題点を考える』 《二》



 続けます。

 ワタシが心より「尊敬」する『ジョジョの奇妙な冒険』の

荒木 飛呂彦先生は、著書に於いて

創作には必要な【三大要素】が在るとされ、

ソレは『キャラクター』『ストーリー』『世界観』であり、

またソレとは別格に必要なモノが作品としての【テーマ(主題)】であって、

()()()()()()()()()『設定』なのだそうです。


 ジョジョというとどうしても真っ先に想い付くのが『スタンド能力』

原作を知らない人やマンガをあまり読まない人も知っているのですから

この【スタンドという設定】は本当に物凄いモノがありますが、

ですがジョジョという作品は

決して()()()()()成り立っているのではありません。

あくまで上記の【三大要素】を充たしているからこそ

【スタンドという設定】が活きるのです。


 一時期スタンドが受けたからと、その恩恵に預かろうと

似たような「設定」のマンガが粗製乱造されましたが、

そんな二番煎じは悉く人気が出ず全て駆逐されました。

 理由は簡単、上記の【三大要素】を充たしていないからです。

いい加減に造った『キャラクター』に適当な『世界観』の中で

ありきたりの『ストーリー』に沿ってスタンド能力を使わせても、

そんなモノは()()()()()()()()()()()()()


 他人の真似をするな、とは言いません。

ワタシ自身嘗て「二次創作」を描いていましたし、

100%の「オリジナル」など存在しないのですから

優れた作品を「模倣」して「アレンジ」を加えるのは

寧ろ当然の『定石』とも言えます。

 ですが安易に『設定』だけをモロパクリして

上記の【三大要素】を考えずに作品を書くと、

物語の『構成』と『土台』が出来上がっていないのですから

そんなモノが【破綻】してしまうのは必然の成り行きなのです。


 さて、「前提」が長くなりましたが以上を踏まえて、

もう一度『異世界転生ライトノベル』を振り返ってみましょう。

……無いですね、かなりの数で上記の【三大要素】を充たしているモノ。

 アレほど荒木先生が『キャラクター』『ストーリー』『世界観』が

大事で、ソレと同じか以上に大切なのが【テーマ】

「設定」は()()()なんだ、と仰ってくれているにも関わらず、

設定ありき、或いは()()()()の作品が非常に多いです。


「~~の~~で~~な~~した~~が~~になって無双!」

のようなタイトルが象徴するように、

他の重要な【要素】全無視で「設定」()()出来てません。

 これはテーマパークで言えば

「ジェット・コースター」しか出来ていないのと同じで、

入口も出口もオブジェも全部ボロボロのハリボテ、

中にいるマスコットも可愛いどころか気持ち悪いのであれば

全く楽しくありません、寧ろ「地獄」と言っていいでしょう。

 

 要するにまだ『小説』としての体を成していない、

未完成状態の作品が非常に多いというコトです。

 では次回はその『具体例』を挙げながら

より考察を深めて参りましょう。


挿絵(By みてみん)





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