【悪の正論】
はいどうもこんにちは。
【悪の正論】と云う言葉があります。
幾つか例を挙げると『ジョジョ』のDIOや吉良 吉影、
プッチ神父、ヴァレンタイン大統領。
他作品だと『カイジ』の利根川や『美味しんぼ』の海原 雄山
『ダイの大冒険』のフレイザード『ラーメン発見伝』の芹沢 達也など
まぁ結構居るモノです。
言ってる当人が【悪人面】で云い方も【辛辣】なので
『誤解』を招きますが、しかしその『内容』自体は至って
『正論』で実は何も間違っていなかったりします。
主人公側には『正義』という“縛り”が在るので、
キレイゴトは言えるが【世の真実】を語るには
憚れるという問題が生じます。
【真実】に善も悪も無いからです。
【真実】は『現実』と言い換えても良いですが、
世の中が“善悪二元論”で回っていない事など
今日日「小学生」でも知っています。
故に上記の【敵の正論】に反論出来ない主人公は、
その知能指数が「小学生以下」だというのが露呈してしまったりもします。
頭の悪い子供が言い包められて反論出来なくなると
泣き叫んで逆ギレして暴れまわり相手を【逆恨み】するのが
相場ですが、ソレを『主人公』にヤらせていれば
ロクな作品にはならないのは自明の理でしょう。
(事実、上例の「料理」と「DQ」はソレが出来てないので
先述の【醜態】を晒す羽目に陥っております)
所謂『作者の誤算』というモノでしょうが、
【悪役】に魅力を出そうとした余り、
そのキャラが立ち過ぎて主人公を上回ってしまう場合があります。
「退屈なキレイゴト」よりも【心に響く真実】を
読者が支持するのは当たり前の事でしょう。
しかし【悪役】と設定されている以上、
主人公はその相手を憎まねばならず、
その言動も相手を「敵視」した乱暴なモノになります。
しかし実際は相手の方が『正しい』のだから
思い通りにならず癇癪を起し、
ただ駄々を捏ねてるだけのガキになってしまったりもします。
もうそうなると主人公の方が【最大の悪】に見えてきて
やる事なす事全て勘に触るという【最悪の事態】を
引き起こす羽目にもなります。
冒頭で紹介した『ラーメン発見伝』など正にその典型で、
最早ワタシには主人公がただの〇〇にしか見えません。
本当に【悪い】人間は、自分が悪いのに正しいと想っている人間です。
どこぞの小〇 圭やガ〇ダムSEEDの例を出すまでもなく、
『正義』を描きたいならその『正しさ』が
現実に即したモノであるのか?
多面的な考察が必要となってきます。
今も昔も【虐め】の問題がまるで解決されていない以上、
『正義』を成す事は途轍もなく難しい事、
殆ど “不可能” だと言い切る者すらいるでしょう。
故に作者の幼稚な精神でソレを描けば、
『偽善』となり現実との齟齬と乖離が生じ
【最大の悪】にすらなってしまう。
『正義』を成しながらも何も失いたくない。
(好きな娘とはイチャつきたい、楽しく幸せに暮らしたいetc)
その程度の『覚悟』では【悪党】の言葉にすら劣るのは
寧ろ必然と云えるでしょう。
最後に、ジョジョの「各部」で絶対に仲間が何人も死ぬのは
『正しい事をやってるから』です。
【やらなきゃ死なない】んです。
故に、世界を破壊するようなヤツが相手なのに
最終回まで骨の一本、血の一滴すら流さないような話は
最早【論外】と云って良いでしょう。
故にもうそれくらい『正義の価値』が落ちてるし、
ソレに正比例して【弱体化】してるというのも
また事実でしょう。
書いてるのがある種の「おっさん」なら
さもありなんと云った次第ですが……('A`)