【読者への共感Ⅱ】 ~参照・『荒木 飛呂彦の漫画術』 より~
「異世界の住人と契約した「〇〇〇〇〇〇〇 (組織的名称)」
世界の存在のバランスを保つために行動し、
その使命に全霊を賭ける」
……続けます。
もう既にこの時点で何を言っているかさっぱり解らないと想いますが、
読者の『共感』など一切考えず、自分の頭の中で浮かんだ【妄想】を
そのまま垂れ流した悪しき典型例が上記の「設定」であると云えるでしょう。
まず、現実に「〇〇〇〇〇〇〇」とやらは存在しないし、
「世界のバランス」とやらもまた同様です。
その無いモノに「使命感を燃やして全霊を賭ける!」
等と言われても、
読者には「ハァ?」「勝手にやってくれよ」という
虚無感しか生まれてはこないでしょう。
読者に『共感』してもらえないという最大のデメリットがコレで、
読者はそれ以上ストーリーにのめり込む事はないし
文章もただの無意味な言葉の羅列に堕してしまいます、
もっと簡単に言えば単純に【恐ろしくつまらない】ので
途中で読む気を無くし作品を投げ出してしまうのです。
(ある者は頭にきて押し入れの奥にブン投げたらしいですが……('A`))
ここで【悪い】のは別に「〇〇〇〇〇〇〇」という
現実には存在しない「単語」ではありません。
コレは逆に『スタンド使い』と言い換えても良いでしょう。
では一体何が【悪い】のかというと、
その「〇〇〇〇〇〇〇」いう「設定」を、
『現実にあるもの』と『合致』させていないからです。
例えば「世界の存在のバランスを保つ〇〇〇〇〇〇〇」ではなく
「人々を化け物から守る〇〇〇〇〇〇〇」
と言い換えたらどうでしょう?
これならば現実の『警察官』や『軍人』のように、
命を賭して人々の安全や平和を守る方々が
実際にいるわけですから
作品に『リアリティー』が生まれ
読む読者にも『共感』が生まれます。
「医者は人の命を救うのが使命だ!」
という言葉には『共感』出来ますが
「医者は病院界のバランスを保つのが使命だ!」
等と言われたら何のこっちゃさっぱり解らず
ソレに『共感』出来る余地は皆無でしょう。
【現実と設定を合致させる】というのは
別に手から火の玉やレーザー光線を出すな、というのではなく
荒唐無稽な話でもいいから
『精神的には合致させる』という意味なのです。
故に読者が『共感』出来ない行動理念は
【カルト宗教】の妄言と全く同じ、
「世界の存在のバランスを保つ決意をした者!」
とかドヤ顔で言っているのは、
「尊師のために!」とか「定説です!」
等と呆戯いてる輩と“同類”という事なのです。
さて、クサす、否、失礼失言、
【作品の問題点を指摘】してばかりも疲れるので
次回は読者の『共感』を得られる『良い事例』を、
【ジョジョ第5部 ~黄金の旋風~ 】
を使って説明する事にしましょう。
←To Be Continued……