【腐蝕の連鎖Ⅱ】
前稿で云った【学校が凶悪犯罪の現場】と化している。
そのコトはもう『創作』の世界でも如実に反映されています。
【虐めに対する復讐譚】や【学級デスゲーム】などが
人気を博している事からもソレは瞭然ですし、
取り分け「ライトノベル」はその最たるモノと云って差し支えないでしょう。
【クラスで殺し合わない】異世界転生モノがあるでしょうか?
既にご承知の通り、『追放系』『ざまぁ系』『ハズレスキル系』と、
一種の【ジャンル】にまでなってしまっています。
ソレを書いている人が、「クラスは大事みんな仲良く」
をテーマに小説を書いているでしょうか?
そして読者も【そのようなストーリーを望んでいる】でしょうか?
敢えてハッキリ云いますがみんな
【クラスメートを〇したい】んですよ。
【虐めを主導するカースト上位の人間】は。
だからどれも【同じような話】になるし、
異世界で「スキル」を手にしたら即、
何の躊躇も無く【殺し合い】が始まる。
彼らにとって「殺し」は【虐めの延長】なんです。
だから【異世界なら躊躇いなく殺せる】
【殺しても罪にならないから】です。
つまり『倫理や道徳』で人を殺さないのではなく、
単に“殺せば面倒な事になる”というただソレだけの理由。
虐める者を〇ミや〇ズと呼んでいるのと同様に、
【本当に相手が人間だと思ってない】のです。
……コレが【凶悪犯罪者の心理】でなくて一体何なのでしょうか?
多くの異世界モノで『友情』が描かれる事は非常に少なく、
寄って来るのは『性行為』を前提とした異性のみ。
戦場(無法地帯)は【エロスとバイオレンス】だと云いますが、
ソレがそのまま作者と読者の【過去の疵痕】だと云って良いでしょう。
『友情』 『愛情』 『正義』は書かないんじゃなくて
書けないんです。
何故ならそんなものはソコに存在しなかったから。
全ては【犯罪が放置される】という【社会の巨悪】が生み出す現象。
【チート能力で虐殺】は善いも悪いも無く、
その腐蝕が連鎖した故の必然なのです。
≪完≫