【正義感についてⅣ】
総括に入りましょう。
とどのつまり一体『何が』云いたいのかというと、
悪に対する怒りや憎しみは、
【正義と勘違いし易い】というコトです。
「ライトノベル」に於いてもこの怒りや憎しみを
『正義感』や『使命感』として描いているパターンが
多数散見されます。
だから非常に【薄っぺらい】
全く心を打たないのは読者の皆さんが
既に『経験』としてその感覚を身に着けているからです。
【間違った正義感】が許されるのは幼稚園児まで、
ソレを「大人」になってもやっていたら
周囲から失笑を買うのは当然の成り行きです。
結構誤解があるのですが、
『正義』をフューチャーした作品では
御存知【ジョジョの奇妙な冒険】が挙げられますが、
主人公達が自身の『正義』を燃やすのは
“相手の悪行に対して”ではなく
【自分より遥かに強い相手】
【全く勝ち目が無い相手】
に立ち向かって行く時なのです。
【悪に対する怒りは誰だって抱く事】が出来ます、
本能的な『防衛反応』なんだから当たり前です、
暑い時に汗が流れて寒い時に鳥肌が立つ
というくらい当たり前の「反応」です。
しかしソレは断じて正義感ではありません。
【誤った正義感】をもし主要キャラに持たせてしまったなら、
ソレは即『偽善』となり場合によっては【最悪】に転じて
そんなストーリーは当然【駄作】の烙印を押されてしまうでしょう。
常に『当たり前にある感覚』だからこそ、
今一度詳解して吟味する必要が、
我々『創作者』には求められているのかも知れません――。
【完】