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第百四十三話 ヨウムのおせっかい

作者: 山中幸盛

 山中幸盛は二〇〇八年に鳥影社から出版した『妻は宇宙人』を十二年後に電子書籍化したが、このたび『ヨウムのおせっかい』という小説を電子書籍で自己出版することに決めた。

 理由は、その原稿の『あとがきに代えて』に書いた。


  あとがきに代えて(依頼メール)

 前略

 お久しぶりです。CLAP様から二〇二〇年三月三〇日に電子書籍『妻は宇宙人』を発行していただいた水田功です。その際はありがとうございました。

 さて、ここ数年間、大手出版社数社の小説新人賞に何回書き直し応募しても一次予選すら通過しない【ヨウムのおせっかい】(四百字詰め原稿用紙二八〇枚程度)という名作(迷作)があるのですが、次の新しい小説に挑むために、電子書籍化して未練を断ち切ることに決めましたので、よろしくお願いします。

 前回の『妻は宇宙人』の場合は紙で自費出版したから表紙がありましたが、今回は表紙がないので作成をよろしくお願いします。イメージとしては、原稿の冒頭に【ヨウム】と、その【卵】の写真を貼り付けておきますので、そんな感じでお願いします。


 この依頼メールの後、現在大変混み合っているため、制作スタートは一カ月以上先になると返信がきたが、急いでいるわけでもないので、

 * 目次に梗概をあえて加えました。

 * 終章の『告白未遂』ですが、日記の日付ごとの著名人のアフォリズム部分は『太字』でお願いします。

 等と要点を書いて原稿をメールに添付して送ったところ、四万二千六百七十円の請求がきたので、近所の銀行のATMから即刻振り込んだ。

 メインコピーを二十字から四十字以内で考えろというので、

【その卵は超強力なパワーを与え、そのヨウムは故人からのメッセージを伝える】

 というコピーをひねり出し、われながら良い出来だと自讃するが、終章の『告白未遂』というのは、「北斗」の平成二十四年三月号に発表したものに少し手を加えただけのものだ。割と反響があり、激賞してくれた友人もいたため、これを活かすための物語を創出した。

 目次(梗概)の概要は次のようになる。


 序章 顧問と明子

 文芸同人誌『北斗星』の同人会員である山口慎也は、その顧問・清水忍の自宅を訪問した際に娘の明子と出会い、やがて結婚して長女・のぞみと長男・大地を儲けるが、明子はのぞみが中学二年の時にクモ膜下出血で倒れてこの世を去る。

 その四カ月後に慎也は職場の独身女性に恋をして思いを日記に綴り、その心の動きを日記形式の小説にして『告白』とタイトルをつける。

 第二章 サクラと順子

 清水家ではサクラという名のヨウムを飼っていて、明子の親友だった棚橋順子は明子が死んでからも時々サクラの世話をしにやって来ていたが、ある日、明子がサクラに憑依してキーボードのキーを嘴でつついて文章で語りかける。

 第三章 卵とトモエ投げ

 中学二年になった大地がクラスの男子生徒から腹を殴られたため、大地は母親を思い浮かべてサクラに悔しさを訴えるが、その際にサクラに触れて刺激したためか無精卵を産む。

 この無精卵には恐るべきパワーが秘められていることが分かり、明子の母親が高速道路上でそのパワーを借りてあおり運転の若者を懲らしめ、そこに突っ込んできた居眠り運転のトラックをトモエ投げで投げ飛ばす。

 第四章 卵と自業自得

 近所の緑地公園で「若い女性が二人組の男に乱暴されている」とのぞみから連絡を受けた祖母が卵を持って駆けつけ、男たちが乗っている車を空中に放り投げ、さらに、襲われた女性に卵を持たせ、復讐の手助けをする。

 第五章 卵とイジメ

 大地がクラスでイジメを受けても屈しないため緑地公園に呼び出され、「素裸にしてその動画をユーチューブでばらまく」と脅されたため、キレた大地は卵のパワーを借りて手玉にとり、イジメの中心者を逆に丸裸にする。

 第六章 顧問と明子のおせっかい

 顧問は『告白』の原稿を読んでから三日後に心筋梗塞で倒れてこの世を去る。ところが、サクラがキーボードのキーをつついて顧問と明子の名を名乗り、『告白』のデータ原稿を持って来させて、その日付の最後の箇所にアフォリズムを書き加えていく。それを『告白未遂』と名付けて『北斗星』で発表すると、大きな反響を呼んだ。

 終章 『告白未遂』


 kindle Unlimited会員は追加料金なしで読み放題に設定しましたので、未だ電子書籍リーダーをお持ちでない方は、この機会に是非御一考ください。



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