女神様の謝罪と相談話 後編
麗しの女神様ガイア様は俯き加減で口を開いた。
『ポトさんはこの世界の事をどれくらいご存知ですか?』
『えぇ〜とっ! 何んかデカくて強い大国が3つ有るってのと、ソコはお互い仲が悪いというのと、自分が住んでるこの国は辺境の小国で全く相手にして貰えないとか、獣人だけじゃ無く魔族や竜の一族もいるって事位でしょうか?…… 』
『そうですねぇ!今 お話しになられた事は全て事実ですねぇ!…… 残念な事ですが…… 。』
『では!あの日召喚された事については何かご存知ですか?』
『いいえ!殆んど解りませんが……あっ何んか願いが叶えられた後、本人が望むなら戻れる的な事を女神様が言われてましたよ!』
『其れは事実でも有り、誤りでも有りますねぇ!』
『誤り?』
『アノ3人の若者は、其々に違う魔法陣の上に立ってたでしょ? アレは帝国・皇教国・王国の魔法陣で各国と神との契約内容は敵対する2国を召喚勇者諸とも打ち滅ぼし、この世界の覇者に成る事なのです! つまり運良く生き残れたとしても帰れる勇者は1名のみなのです!…… 。』
『そんな〜 …… 上の位の神様の力でどうにかって…… 出来ないモノですか?…… 』
『信仰による下界と神との契約は絶対なのです! 強権を発動し、強引に行う事は可能ですが、勇者とはいえ人間にはおそらく耐えきれないでしょう! 無理に剥がせば3人共、消滅するでしょうねぇ! おそらく下界の中で耐えきれるのは古き竜位でしょうから!…… 』
『 ………………… 』 『 ………………… 』
『其処で、ポトさんにご相談が有るのです!』
『出来る事なら言ってください!全面的にご協力します!』
女神様は、ニッコリと微笑んで頷いた… 。
『ポトさんお耳を貸してくださる?』
『 ヒソ ヒソ ヒソ……ヒソ ヒソ 』
『えっ! そんな事だけで大丈夫何んですかぁーっ!』
女神様は、更に嬉しそうに微笑み頷いた… 。
『私達神々の神気は、この世界の汎ゆる事柄に絡んでいるので、誤魔化しが効かないのです! でもポトさんはあちらの世界の記憶を残したまま、転生しました! 恐らくポトさんの魂を媒体に行えば、この世界とは異なるものとして認識され干渉される事なく行えるはずです!』
『解りました!やってみます!』
『ありがとう! でも念には念を入れて、少しカスタマイズして補強しましょう!』
女神様は懐から虹色の石を取り出した…
「勾玉?…… 。」ポトがジッと見つめてると
『私達神が直接触れて神気を流すと、ポトさんの魂がコチラの世界の者として書き換えられてしまうので、この石に必要な能力を私が入れ!コレを間接的触媒としてポトさんが握って能力を取り込むのです!…では始めましょう!』
その夜、ポトは女神様の虹色と金色の光に包まれながら深い眠りに付くのであった…… 。