初登宮と勇者救出計画
挨拶回りも漸く一段落した…公爵家や以前訪問したロックランド侯爵と反りが合わず常に牽制し合う間柄のランドルフ侯爵家に娘にせがまれたからと2つの伯爵家と1つの子爵家へと毎日バタバタだった日々の終わりに一息つく3人で在った…
『しかしマルクス商会も流石ですねぇ〜!公爵家に2つの侯爵家と繋がりが在るだけで他の商会は簡単に横やりは入れられない!…自分達の勢力に我々を留めさす手段としては王国でこれ以上ないでしょうからねぇ!…』と原田一曹が話す…
『3つの派閥のバランスもきちんと杭は打って有りますからねぇ〜大公まで含めたら商人に手を出すスキはないでしょう?…』と元木刑事も笑って返した…
ロックランド侯爵家の領地は砂糖とコーヒーの一大産地として力を付けたらしいがトーラス商会はいざとなれば両方とも安く大量に出せる為余り影響は受けない!…対立するランドルフ侯爵家は小麦粉と金鉱山の産地らしいがコチラも対抗できるトーラス商会としては問題無い…ただコチラから何かしかける気は救出にも影響が有るので無いがあくまで両家を天秤に掛けながらバランスを取りたいとは考えていた!…
その頃王宮では…
『最近…聞いた話しでは勇者殿の態度が良いそうだな?…』大公が笑顔で問う…
『漸くこの世界で生きていく気持ちが芽生えてきたのかも知れません!…魔法や剣術にも真剣に取り組み始めてますから安心しました!…』と学院の院長も笑顔で応えた…
『貴族派の動向はどうだ?…まだ勇者殿にちょっかいを出しておるか?…』と大公が問う…
『一時ほど苛烈では在りませんが!隙あらば取り込もうと考えて動向は監視してると思われます!…なるべく近づかせぬ様に目の届く範囲内では見張ってはおりますが?…』と院長は応えた…
『引き続き油断だけはするなよ!あ奴等はズル賢さだけは一流だからな!…』と嫌な顔で大公は話し部屋を出た…
勇者山本は悩んでいた!…救出隊が来てくれたが自分から連絡する為に動くべきか?メモにも有った通常どおりにしておくべきか?…
『会ってから4日たったのに連絡ないなぁ〜!ボクから連絡取らないと向こうからは近づけずに困ってんのかなぁ〜?…でも…メモには焦って勝手に動くな!って有ったしなぁ〜…』と勇者山本は落ち着きなく動き考える…
『でも?…コレだけ多くの目が在る中でどうやって助けるつもり何だろう?…派手に動いたら追手に追われるって書いてたけど?…』勇者山本が考えていると…
『勇者様!…先日のトーラス商会よりお伺いを立てたい…との要望が来ておりますが?いかが致しましょうか?…』と侍女が話す…
「来た!」と内心思いながら…
『そうですか!…懐かしいお茶の味を気に入ってましたから…他にも珍しい物が無いか?聞きたいと思っていたのです!…都合の良さそうな日にちを指定して来る様に返事をお願い出来ますか?…』と勇者山本は笑顔で応えた…
侍女が一礼して下がった後…やっと!ちゃんとした話しが出来ると喜ぶ勇者山本で在った…
王宮からの返事を手に清水刑事が口を開く…
『そろそろ焦れる頃だろうからなぁ!…行動に移さなかっただけ…メモでの釘刺しは効果が有った様ですねぇ!…』と笑う…
『まだ若いですからねぇ!…其処は褒めてやらないといけないでしょう?…』と原田一曹も笑う…
『警備隊での情報では西側に在る獣人の森には奥に進む殆ど強い魔物がいるそうですから…上手くソチラに実戦訓練として誘導出来れば救出は楽なのですが?…』と元木刑事が話した…
捜索隊の作戦はこうだ…
獣人の森に訓練として来た勇者山本と現地で落ち合い!着替えさせた後に原田一曹と2人でザイルの街へと逃がす…残った2人で勇者の装備品を森の中に点在させ!魔物に襲われた様に偽装した後に2人は王都へ帰る…捜索に時間を取る間に原田一曹は買い付けの為に南の港から碧之国に向かった事とする作戦だった…
指定された日時にトーラス商会の3人は王宮へと来ていた…王宮では最初に大公が対応する…
『そなた達がトーラス商会の者か?…先だってモーリス伯爵より言付かった赤竜のウロコを献上した者達で在ったな!貴重な品に礼を言うぞォ!…今日は勇者殿の指示での登宮だそうだが?くれぐれも失礼の無い様にするのたぞォ!』と大公が話す…
『本日は王宮へ召し上げ頂いた名誉!有難うございます…付きましては大公様のご許可が頂けますならば!…国王様に献上品をお持ちしておりますのでお渡し願えれば幸いです!…』と清水刑事が板に付いてきた営業スマイルで応えた…
『殊勝な心掛けだな!…良かろう渡すが良い!』と大公が頷いて話した…
国王へは黒竜の爪1つと赤竜のウロコを10枚…大公には新たに赤竜のウロコ5枚を献上品として執事に渡した…大公との接見後!侍女の後に続いて勇者の元へと向かった…
侍女に通された部屋では勇者山本が笑顔で迎えいれる…侍女が一礼して下がった後に勇者山本が口を開き話し出すのを原田一曹が目と僅かなジェスチャーで制止!懐から紙とペンをだした…
「ココでは常に他の者達の目や耳が在る!…会話は当たり障りない事をしゃべり!重要な内容は筆談のみとする!…計画については持参した手紙に書いて来てるのでソチラで確認して読んだ後は燃やす様に!…」と原田一曹が目の前で書いて勇者山本へ見せた…
その後は笑顔で当たり障りの無い取り引きの話しをしつつ!…筆談で勇者の現状を聞き出して初めての登宮は終わりを迎えた…




