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別の世界ではただの日常です

ネットワーク・セレブリティ

作者: 茅野榛人

 俺は最近、オンラインゲームの楽しさに目覚めた。特に俺が好きなのは、ゲーム内チャットだ。

 自分と同じゲームをしている見知らぬ人と、ゲーム内で会話をするというこの機能を知った時、まるで世界が変わったかのような感覚に見舞われた。

 なぜ俺はこんな素晴らしいゲームの世界を無視してきたのか、俺は非常に強く後悔した。

 そして俺は、この機能を早々と使いこなし、たったの三日間で友達ができ、その友達とのSNS交換もできた。

 自分から言うことではないが、俺はどんなことも、時間さえあれば完璧に使いこなすことが出来る人間だと思っている。

 今日も、オンラインゲームに没頭する毎日を送るとしよう。

 俺が遊んでいるバトルロイヤルゲームには二種類のルールがある。個人戦とチーム戦だ。

 俺はギスギスするのが嫌いなため、個人戦はほとんど遊ばない。ゲーム友達も同じだ。

 今日も、相変わらず友達揃ってチーム戦のバトルロイヤルゲームを嗜む。

 そしてチャットを立ち上げる。

「MIU!やっほー!」

 おかしい。いつもなら速攻でチャットを返信してくるのに、今回は全然返信してこない。

「MIU?大丈夫?キーボード壊れた?」

 その後も友達は黙ったまま、ゲームを続けた。

 しかし友達の異変はこれだけではなかった。

「ちょっと!なんで俺殴るんだよ」

「ねぇ、なんで俺ばかり殴ってんの」

 友達が突然俺を殴り始めたのだ。

 チーム戦でも味方に攻撃をすればダメージを食らう。

 しかも友達の後に続くように、自分のチームの人たちが次々と俺に攻撃を仕掛けてきた。

「おいおいおいおいなんでやねん!」

 結局俺は一番最初に脱落した。

 俺は友達側に何らかの機材トラブルがあったのだと思い、SNSで話しかけたのだが、返信はなかった。それどころか既読すら無視された。

 それから俺は、いろいろなオンラインゲームを遊んだが、何故かチャット内で作ったゲーム友達はほとんどが長続きしなかった。

 だいぶ気が合ってきたと思うと、無視をされ、俺が負けるように仕向け始める。

 そしてとうとうこんなことまで起こり始めた。

 とある4対4のオンライン対戦ゲームを遊んでいて、相手にランクがカンストしている人がいてボロ負けした。

 次にマッチングした時、その人が俺のチームになった。

 さっきの腕前だったら、ほぼ絶対勝てると思い、少し楽にしながら遊んだ。

 結果は負けだった。

 それで俺はようやく、誰かが裏で俺の噂を密かに流して、俺がマッチングした時に、俺を負けさせるよう命令されているのではという疑問が頭をよぎった。

 しかしどんなにエゴサーチをしても、ネットワークの深層まで潜っても、最近のニュースを見てもそんな噂は何処にも流れていなかった。

 これは一体どういうことなのだろうか。

 政府の陰謀?それともまさか俺の見てきた友達やプレイヤーが……。


「最近大量発生しているゲーム荒らし。今や社会問題になっています。最近では、ゲーム荒らし側の特定の防止対策が急激に進んでおり……」

「しかし荒らし屋は困った存在だよ」

「だけど荒らしって、噂だと政府がゲーム依存症の子供を減らすために設置されたチームの人間らしいよ?」

「うそ!?もし本当だったら政府も中々とんでもないことするよなあ……」

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