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ロリコン探偵♡ご主人様♡  作者: 穂志上ケイ
8/13

探偵と子供の日

5月

「おはようございます。マスター」

 ベットから目を覚ました俺の目線の先にはいつもとは違う姿のヒカリが立っていた。

「お、おはよ。それよりその格好は?」

「今日は子どもの日なのでお休みを頂いています」

 そういえば先日そんな事を言ってたような……。

「ちょっと安堂! 早く出かける準備をしなさいよ」

 今度はドアの先からミコトが入ってきた。

「出かけるってどこに?」

「先日マスターの投資のお陰で完成した大型ショッピングモールです」

「それの完成会に出席するからって言ってたでしょ。しっかりしなさいよ!」

 あっ、そうだった! 完全に忘れていた。

 じゃあこんな呑気な事してたら……。

「これって割とやばい感じ?」

「そうね。早くしないと間に合わないかもね」

 その言葉を聞いて俺はベットから飛び上がった。

「先に車で待っててくれ。すぐに着替える」

「分かりました。車でお待ちしていますね」

「はぁ〜、いつもこんな感じで起きてくれたら私たちも苦労しないんだけどね」


 ■■■

 あれから急いで身支度を済ませ、何とか時間ギリギリにショッピングモールへと到着した。

 その後は何事もなかったかのように完成会に参加し、事なきを終えた。

 これからはスケジュール管理をしっかりしないとな。

「お疲れ様です、マスター。早速ですがここからは私たちに付き合ってもらいます」

「えっ?」

「ほら、行くわよ」

 二人に手を取られ、行く先もわからない道を歩いっていった。

「到着よ」

「ここは?」

 見るとそこは大きな広場だった。

「さあ頑張ってください、マスター!」

 頑張る? 一体俺は何をやらされるんだ!?

 そして時間が経つにつれ沢山の人が広場に集まり始める。

 十五分後、広場は見渡す限り人で埋め尽くされた。

「お集まりの皆様本日は子どもの日のイベントにご参加いただきありがとうございます。早速ですがルール説明をいたします。このフロアにはお子さんたちが隠したお宝があります。それを見事制限時間内に見つけれたらクリアになります。お子さんからはヒントを一回だけ聞けます。それを頼りに探すもよし。逆に己の直感で探してもらっても構いません。間違った物を持ってきた時点でその人は失敗となります。それでは制限時間は三十分。よーいスタート!」

 その掛け声と同時に広場にいた大人たちは一斉に動き出した。

 待て待て。取り敢えず頭の中を整理しよう。

 これは宝探しゲームで宝は自分の子供たち。つまりミコトとヒカリが隠した何かという事になる。

 一体二人は何を隠したんだ……。

 とにかく探してみよう。

 

 とは言ったものの、手がかりはほとんどゼロ。

 それにフロアには沢山の雑貨や食品が置かれている。

 よっぽどその子の性格などを分かっていない限り、一発で見つけ出すのは不可能だろう。

 そうこうしている内に時間は減っていく。

 そして何人かのクリア者も出てきている。

 二人が隠しそうな物……。

 駄目だ。何も思いつかない。

 というより俺は二人の好きなもの等をあまり知らない。

 普段から一緒にいる為性格は理解しているが好みや休みの日に何をしているのかを俺は知らない。

 いや、知ろうとしていないだけか。

 思えばあの時から俺は二人の事を知るのが怖いのかもしれない。

 だからこのゲームの答えも分からない。

「「安堂マスター! 頑張れ(頑張ってください)!」」

 ふと、広場から二人の声が聞こえる。

 そうだな、二人が応援してくれてるんだ。最後まで頑張って探してみよう。


 制限時間残り一分。

「お待ちしてましたよ、マスター」

「それで私たちが隠した物は見つかったの?」

「……分からない」

「珍しく弱気ね」

「こんな主人は嫌か?」

「そんな事、言ってないわよ」

「そりゃ、良かった」

「それでマスター。どんな物を持ってきたんですか?」

「これだよ」

 俺は二人の目の前にハートのアクセサリーが付いたブレスレットと星型のヘアピンを置いた。

「……これじゃないわね」

「残念ですが、違いますね」

「そうか。違うか……」

「はい、だって私たち何も隠してませんから」

「ヒカリのいう通りよ」

「ちょ、ちょっと待って。どういうこと?」

「せっかくだから私たちにプレゼントを選んでもらおうって事よ」

 つ、つまりゲームは嘘で俺にプレゼントを選ばせる為のゲームだったって事か。

「騙してすみません、マスター。でもこうでもしないとマスターには選んでもらえないと思いまして」

「まあ、安堂にしては上出来なんじゃない? このブレスレット中々いいし」

「私もこのヘアピンとても素敵だと思います」

 そう言って二人は持ってきたプレゼントを付け、俺に見せてきた。

「どうですか? マスター」

「私が付けてるんだし当然似合うわよね?」

「……ああ、二人とも凄く似合ってる」

「ありがとうございます、マスター」

「ふん、あ、当たり前でしょ!」

挿絵(By みてみん)

 本当に良かった。

 だけど俺はこれからもっと二人と向き合わないといけないな。

 あの過去にも。

「それじゃあ安堂、支払いよろしくね」

「はいはい」

 こうして俺たちの休暇は幕を閉じた。

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