表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロリコン探偵♡ご主人様♡  作者: 穂志上ケイ
11/13

婚約とお嬢様2

 一体どういう状況だ?

 目の前の美少女に数人のスーツ男。

 そして極め付けは『結婚』

「えっと、話がぜんぜーー痛っ」

 気がつくと少女に足を踏まえれていた。

(話を合わせてください)

(は、はい)

「こ、婚約者の安堂です」

 と言っても向こうはすんなり納得するはずもないよな。

「ではお嬢様の名前と功績を言えるはずだ。本当の婚約者なら」

 くっ、やっぱりそうだよな。

 流石に打ち合わせ無しでそれは無理だ……。 

 しかし少女の方はその言葉を予想していなかったらしく慌てた顔をしていた。

「仕方ないですわ。こうなったら」

 すると俺の腕を取り、走り出す少女。

「逃げるますわよ!」

「ちょ、えっ?」

「お嬢様!逃すな追え!!」

 何で京都に来てスーツ男たちと追いかけっこしないといけないんだ。

「ほら、本気で走ってください。捕まったら承知しませんわよ」

 確かに捕まれば色々と厄介事に巻き込まれかねない。で、でも……。

 その揺れている物で集中して走れないんですが!!

 なんて事を言えば殺されかねない。ここは真面目に走って。

「お二人ともこちらです!」

 突然小さな少女に声を掛けられる。

「タクシーを用意してるから早く来なさい!」

 もう一人の小さな少女もこちらに声をかけ、待たせているタクシーに乗るように促している。

「あの人たちから逃げれるなら何でもいいですわ。行きましょう」

 俺たちはタクシーへ乗り込み、男たちの追跡を免れたのだった。

「ふう、助かりましたわ」

「それは良かったです。それより詳しく話を聞かせてもらえますか?」

「安堂と結婚ってどういう事?」

 すると後ろの席に一緒に座っていた二人がふ帽子や服を脱ぎ始める。

「ヒカリにミコト!?どうしてここに」

「説明は後よ。それより説明しなさいよ。安堂と結婚って本気で言ってるわけ?」

「もし本気であるなら私たちもそれなりの対処をしなければなりませんが」

 助手席から覗く少女は二人の威圧に圧巻されていた。

「……勿論本気じゃありませんわ。あれは時間稼ぎに言った嘘です」

 その言葉を聞いて少しほっとする二人。

「ですが、もう少し付き合ってもらいます。私の将来のために」

 少女は運転手に行き先を教え、その場へ向かってもらうことに。


 ■■■

「着きましたわ」

 向かった先は小さな工場のようなものだった。

「ここは?」

「私のラボです」

 ラボ?何かの研究をしてるのか?

 中に入ると様々な機械や部品があり、いかにも何かを作っている感じだった。

「そろそろあんたの正体を教えてもらいんだけど」

 ミコトの言葉を聞いてあっとなる少女。

「そういえば自己紹介がまだでしたわね。私は九条アリス。九条重工の令嬢ですわ」

 白衣を着て、腕を組みドヤ顔をする少女。

 その紹介に口をあんぐりと開ける安堂。

 反応をみたアリスは。

「えっ、私の事をご存じないですか?」

「いや、知ってるけどまさかこんなに若い令嬢だったとは……」

 一応色々な業界の事はチェックしている。情報は交渉材料になるからだ。勿論九条重工の情報もある程度は知っていた。世の中に様々な製品を送り出していてその名を知らない人はいない程に。有名な商品としては医学用ロボットは運送用ドローンなど様々な所で生活に欠かせない製品を作っている。

「その令嬢がどうしてあんな事を」

「簡単にいえばお父様が決めた婚約者と結婚したくないからです」

 成る程、身分が高い人に有りがちなあれか。

 有名なのも楽じゃないな。

「その婚約を破棄させるためにマスターを利用すると」

「まあ、言い方はあれですけどそういう事になりますね」

 はあ、これも巻き込まれ体質の定めか。

「それで具体的にはどういうー」

「ちょっと待ちなさい」

 話をしようとすると横からミコトが割り込んでくる。

「私たちはまだ安堂を貸すとは言ってないんだけど。ね、ヒカリ」

「そうですね。アリス様残念ですがマスターをお貸しする事は出来ません」

 貸すって俺は物か何かか?

 その言葉に少し向きになったアリスはさっきまでの口調を崩し始めた。

「へえ〜。じゃあさ」

 アリスは二人の近づき耳元で。

「二人があの安堂さんって人の事を好きって伝えても良いのかな? 勿論異性としてって意味でね」

「「!?」」

「ふふっ、何でそれを見たいな顔してるね。まあ見れば分かるんだけどさ。それでどうするの? 私は全然バラしちゃって良いんだけどね〜」

「ヒカリ、私こいつの事嫌いかも」

「同感です。私も苦手かもしれません」

 三人からバチバチと火花が散る中、安堂はその状況を見て戸惑っていた。

 ミコトとヒカリがあんなに嫌がるなんて一体どんな事を。

「それでどうするの?」

「……わ、分かりました。マスターをお貸しします」

「よし、交渉成立だね」

 ちょいちょい俺の気持ちは無しですか?

「本当にいいわけ? ヒカリ」

「仕方ありません。あれは私たちから言わないと意味がありません」

「それはそうだけど……」

 悔しがる二人。それを見たアリスはまた耳元に近づき。

「今回の件が終わったらちゃんとお二人の手伝いをしてあげるますから」

「……約束よ」

「ええ、この九条アリスの名に誓って」

「絶対ですからね」

「ふふっ、一緒に頑張ろうねヒカリちゃん、ミコちゃん」

 こうしてほんの数分前までは嫌がっていた二人だったがあっという間に仲良くなっていた。

 一体さっきの間で何があったん……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ