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ロリコン探偵♡ご主人様♡  作者: 穂志上ケイ
10/13

婚約とお嬢様1

 参加者全員が殺された事を知った俺は唯一の生き残りとして事情徴収をされる事に。

 だがユーティアを殺されたショックが大きかったのか喋った事はまともに覚えていない。

 それから数日後、証拠不十分という事もあり俺が逮捕されることはなかった。


 何日かしておようやく落ち着いた俺は彼女との約束を守るためにある屋敷へと向かった。

 ピンポーン。

 屋敷のチャイムを鳴らすとインターホンから女の子の声が聞こえてきた。

「……どちら様ですか?」

「安堂だ」

 名前を聞くとインターポンはブツリと切れた。

 そしてほんの数秒でドアが開き、小さな少女立ちが出てきた。

「あんたがユーティアを……」

「ミコトさん、落ち着いてください。取り敢えず中でお話を」

「分かった」

 二人に案内され、俺は館の中へ。

「それでどの様なご用件で?」

「……俺は二人をあいつから頼まれた。だからその約束を果たしにきた」

「何が約束よ。あんたが殺したんでしょ! それなのによくものこのこと」

「マスターは『任せる』と言ったんですか?」

「ああ」

 そういうと少し考え始め、こう言い出す。

「……分かりました。ではあん、いえマスター。これからよろしくお願いします」

「はあ? ちょっと何言ってるのよヒカリ!」

「マスターが任せると言ったのなら私はその言葉に従うだけです」

「バカじゃないの! こいつがユーティアを殺した犯人なのに従うわけ?」

「そうです」

「私はぜっっっっっっったい従わないから!」


 そして現在。

 まさかあの時はこうなるとは思わなかったな。

「何よ、ジロジロ見て」

「な、何でもないよ」

「……そう」

 兎にも角にも関係が少しでもマシになって良かった。

「それよりマスター。ゆっくりしていてよろしいのですか?」

「えっ?」

「この後、京都で仕事だと聞いていたのですが……」

 その言葉を聞いて俺は昨夜の事を思い出す。

 不動産関係の事で電話がかかってきた。急な事もあり、取り敢えずヒカリには知らせていた。だが急な話だった為全く頭に入っていなかった。

「やば! 確か待ち合わせ時間は……」

 時計をみると時刻は十一時。

 待ち合わせの時間まで残り三時間だった。

 よし、これならまだ間に合うな。

「マスター。こちら必要な荷物です」

「あ、ありがとう! ヒカリ」

 なんて出来るメイドなんだ。

「ちょっと急すぎない?」

「仕方ないよ。向こうも急ぎらしいし」

「はあ、困った大人ね。さてとヒカリ私たちも準備しましょ」

「あーごめん。今回は俺だけでいいらしいから二人は留守番を頼む」

「「えっ?」」

 予想外の返答だったのか二人は息を合わせたかのように驚いた。

「マスターそんな話聞いてません!」

「そ、そうよ!」

 毎回二人を連れて行ってるが別に俺一人でも仕事は出来る。

 まあ来てくれればより仕事が捗るという話だ。

「ごめん! お土産はちゃんと買ってくるから。って早くしないと間に合わない。じゃあ行ってくる」

 そう言って俺は半ば無理やり屋敷を後にした。

「マスター……」

「ねえ、ヒカリ。私いい考えがあるの」

「?」


 ■■■

「ふう、何とか間に合った」

 あれから大急ぎで新幹線に乗り約束の三十分前には京都に着くことができた。

 5月下旬という事もある所為か汗がスーツに張り付いてしまう。

 それから待ち合わせ場所へ向かい仕事に取り掛かった。


「どう、ヒカリ。見える?」

「はい、バッチリです」

 遡る事、安堂が屋敷を出た五分後になる。

「後をつけるんですよね?」

「えっ、あ、うん。そうだけど」

「ではこちらを」

 ヒカリが渡してきたのは青色のウィッグと目立たない白黒のパーカーだった。

「これって?」

「名付けて入れ替え尾行作戦です!」

 そして京都にきた二人は。

「本当にこれでバレないわけ?」

「勿論です。それに万が一話しかけられても入れ替わってるのでバレる心配はありません!」

 ヒカリがそこまで言うなら……。

 それからミコトとヒカリは安堂の仕事が終わるまで近くで観察をしていた。

 一時間ほどして仕事が終わり、外に出てきた安堂。

「さてとお土産を買って帰るか」

 京都のお土産ってやっぱり八つ橋か?

 でも子供には食べにくい味だし……。

 あっ、そう言えばおすすめの店を教えてもらってたんだ。

 えっと、何々。

 確かに子供も食べやすそうなお菓子がある。

 この店はどこに。

 と店を検索していると他の人の肩に当たってしまう。

「あっ、すみません」

「いえ、こちらこそ」

 ぶつかった相手をみると綺麗な舞妓さんだった。

 凄く綺麗だ。それにむ、胸も……。

 

「ちょっと落ち着いてください、ミコトさん。マスターにバレちゃいます」

「離して! 絶対あいつやましい事考えてるわ。私たちがいないから」

「それでもです。私たちは留守番を任されてます。それなのにこんな所いるのをバレたら……」

「わ、分かったわよ」

 そんな言い合いがすぐ後ろで行われているとは思ってもいない安堂だった。


 京都には綺麗な舞妓さんがいっぱいだな。

 こりゃ二人と一緒だと大変な事になるに違いない。

 そんな事を想像しつつも俺は検索した店へと向かった。

 あった。ここだ。

 店内に入ると沢山のお菓子があり、あまり香りが充満していた。

 確かここの金平糖が綺麗って。

 見ると数種類の小瓶に詰められた金平糖があり、色鮮やかに輝いていた。

 ミコトには「さくら草」ヒカリには「忘れな草」と言う味を買い、店を後にした。

 さてと、用事も済んだし帰ると……。

「きゃあ!!」

 突然、こちらに走ってくる少女に俺は気づかずぶつかってしまう。更にはその反動でどちらも転ける始末に。

「いたた」

「もう、何なのよ」

 それはこっちのセリフだ。と言いたい所だがこちらも不注意の可能性もある。

 反論するのはやめえておこう。

 だがこの少女、かなりの美人だな。

 綺麗に長く手入れされた金髪にぱっちりとした目や豊満長く胸。そして高そうな服。まるでお嬢様だな。

「ってこんな事してる場合じゃ」

「見つけましたよ。お嬢様」

 急いで駆けつけてきた黒服の男たち。

 この人たちは。

「もう逃げられませんよ。さあ大人しく屋敷に帰りましょう」

「……嫌よ」

「あのお方ですか?」

「そうよ。……私はあの男、認めなませんから!」

「ですがそれはお父上がお決めになさった事で」

「私は! この人と結婚します!!」挿絵(By みてみん)

 急に腕を掴まれ、何を言われるかと思ったら結婚かー。

 ……結婚!?

「「「はあ!?」」」

「「安堂(マスター)が結婚!?」」

 後ろから聞いていた二人は思わず声出し驚いてしまう。だがその声は安堂に聞こえる事はなく。


 どうやら俺はとんでもない事に巻き込まれたようだ。

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