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13話『能力の高さ』

最終話まで毎日、投稿していきます。



 真実とはいったい何なのだろう。



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 オパールと別れ、ルビーとルビーの母、伯爵夫人に声をかける。

「ごきげんよう。本日はお越しくださりありがとうございます」

「ごきげんよう、妃殿下。今日はお身体の方は大丈夫なのですか?」

伯爵夫人がそう問いかけてきた。

「はい、大丈夫です。お心遣い感謝します」

「そうですか。妃殿下はお身体があまり強くないと聞きましたので、今日のようなパーティーの準備でお疲れになってしまい、体調を崩されてしまわれるのではと心配していたのです」

「心配をかけてしまい申し訳ありません」

にっこりと微笑みながら返すと伯爵夫人もにっこりと笑い返してきた。


 この母にしてこの子ありといったところね。

ルビー様の言いたいことを言ってしまう性格は伯爵夫人譲りみたいだわ。

でも、さすが母と言ったところかしら伯爵夫人の方が1枚上手ね。


 嫌味に聞こえるか聞こえないかの絶妙のラインを攻めてくる。

先程までの和やかな雰囲気はあっという間に消えてしまった。

「そういえば今日はあの女いないのね」

ルビーはそう言いながら私の周りを伺った。

オパールのことだろう。

「ルビー、口が悪いわよ。申し訳ありません、妃殿下」

私は曖昧に微笑んだ。

「別にいいじゃない。ディアマンテ様はここにいないんだし」

そう言いながら周囲を見回していたルビーの目が義娘たちと談笑しているオパールをとらえた。

「知ってますぅ?あの女、元々は私たちと同じ婚約者候補だったってこと」

「えぇ」

「知っててあの女を侍女としてそばに置いてるの!?」

ルビーの視線が私に移った。

「ありえない、嫌じゃないの?元婚約者候補がそばにいるなんて」

「別に?」


 なにがそんなに嫌なのだろう?


 むしろ有難い限りだ。

オパール自身の能力の高さに加えて、彼女の持つ人脈はとても魅力的なものだ。

「オパールはとても優秀ですから頼りになります」

「貴女、そんな悠長こと言ってたら、その内オパールに王太子妃の座から引きずり下ろされるわよ」

突然物騒なことを言い出したルビーを私はただ見つめることしかできなかった。

そんな私を見てやれやれと言ったようにルビーは話を進めていく。

「あの女は婚約者候補の中でも1番有力視されてた。ディアマンテ様と幼い頃から仲が良かった上に頭が良かったから、ディアマンテ様の政務を手伝っていたのよ。それだけ長い時間一緒に過ごしていれば自然と周りもディアマンテ様の妃はオパールしかいないなんて言うようになっていった。でも、ディアマンテ様が王太子になっても婚約者を決めることはなく、痺れを切らしたオパールのお祖父様、前侯爵様が伯爵にオパールを嫁がせたのよ」

「…そうだったのですね」

「あの女、昔から気に食わなかったのよ。自分だってディアマンテ様のこと好きなくせに、そんなこと関係ありませんて顔してディアマンテ様のそばにいるのよ。ホント嫌な女!」

オパールがディアマンテ様を好きだったとは…

「ご忠告ありがとうございます」

「とにかく!あの女には気をつけなさい!貴女がディアマンテ様の妃ってことよりもあの女がディアマンテ様の側にいることの方が気に食わないんだから!!」

「はい、気をつけますね」

私はにっこりと笑みを浮かべながらそう答え、ルビー達の元を離れた。


 次に声をかけたのはトパーズとその母である伯爵夫人。

「ごきげんよう」

「ごきげんよう、妃殿下」

そう言って美しいカーテシーをとるトパーズと伯爵夫人。

伯爵夫人はトパーズと同じ琥珀色の髪にテラコッタの瞳で私を見つめていた。

髪や瞳の色こそ同じだが雰囲気は全く違っていて、伯爵夫人は隙のない感じでトパーズとは正反対な印象だった。

「今日はお越しいただき、ありがとうございます」

「こちらこそ。このような素敵な場所に招いていただけて、とても感謝しております」

無駄のない言葉で少しだけ微笑み、そう返す伯爵夫人に少し好感を抱いた。

後で知ることになったのだが彼女は昔、近衛騎士をしていたそうだ。

「それは良かったです」

にっこりと笑い、心からの感謝を伝えると伯爵夫人はより一層柔らかな笑みを浮かべてくださった。

「伯爵夫人、トパーズ様を少しの間お借りしてもよろしいでしょうか?こちらの事はまだまだ勉強中でして…トパーズ様が側にいてくださると心強いなと思いまして…」

「えっ?」

少しばかり不安気な表情でトパーズをチラリと見ると困った顔をしているトパーズがいた。

「えぇ、構いません。トパーズ、粗相のないように」

「…はい」

トパーズはギリギリ聞こえる小さな声で答えた。

「ありがとうございます」

にっこりと微笑み伯爵夫人と別れた。

「ごめんなさいね。突然でびっくりしているでしょう」

「…いえ」

トパーズは視線を落としながら胸元で両手を軽く握っている。

私はトパーズに近づき、少し声のボリュームを落として気になっていることを聞いた。

「さっきルビー様から聞いたのだけれど、昔オパールが1番有力な婚約者候補だったと…」

「はい、オパールはとても優秀で、それでいて優しくて、気品があって、周りからもとても慕われていました」

「ディアマンテ様の政務も手伝っていたとか」

「はい」

「ディアマンテ様のことをお慕いしていたとも聞いたのだけれど」

「…そのように見えていたことは事実です」

そう答えるトパーズの顔色は少し悪い。

「今もお慕いしていると思う?」

そう聞くとトパーズの顔色がより一層悪くなり、視線が慌ただしく泳いでいる。

「ごめんなさいね。オパール本人に聞く前にオパールと幼馴染の貴女から見たものを知りたくて」

トパーズとオパールは母親同士が仲が良かったこともあって、幼い頃からの仲だということをオパールから聞いた。

その時、オパールも元婚約者候補だということも知った。

「ルビー様がオパールには気をつけろと言ってきてね。私も無駄に気を張りたくないし…」

少し伏せ目がちに呟くようにそう漏らす。


「そうですね。気をつけた方がよろしいかと思います」

その声はトパーズの声ではなかった。




明日もよろしくお願いします。

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