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1章 6話『解決』

 闇月(やみつき)はとある人に電話をしていた。

 その電話相手は、自分達を世界旅に出させた張本人。舞鈴(まいすず)という人だ。


「あ。もしもし……私。闇月です。」


 [あぁ、どうしたの?闇月。何かあったのかな?]


 女性にしては少しだけ声が低くく、ふわふわしたような

 優しい声が電話越しで聞こえてきた。


「えーっと……今回の“世界”の困ってる人を助ける為に、舞鈴さん。あなたにお願いしたいことがあります。」


 [何かな?言ってごらん?]


「神様を助けてください。力の制御が出来なく子供を洗脳する形になってしまってます。ですが、私たちにはそれを止める手段がありません。」


 今思えば、私達が世界に来た時森の中だったのは、

 (エイレーネー)が困っていたからだと思う。

 でも、街に行けというのはきっと神隠しの事も……いや。この世界で困ってる子供達を助けるのが目的だったのだろうか。

 舞鈴の考えてる事は本当に分からない。


 [あー。なるほどねぇ。確かにそれだと闇月達は何も出来ないね。じゃあ、その神様にちょっと聞いてみてくれるかな?ーーーーーーーー。]


「分かりました。解決したら葉月が電話しに行くと思いますので、その時は世界を繋げてくださいね。」


 [分かってるよ。また後でね。]


 ブツっ……と、切れると闇月はエイレーネーの方に向き直ってさっき聞いてと頼まれた伝言を口にした。


「電話相手からの伝言だ。“力を抑えられないのなら、私達のいる世界で学ばないか?もちろん。そこに居る子供達も連れて来ていいよ。貴方が親みたいなものなんだから。”だそうだ。…………どうする?神様?」


 闇月は真剣な眼差しで、しっかりと彼の目を見て話した。


『子供達を、そっちに預けてくれるのならそれはとても有難い。……だが、私がそっちに行っていいのかが分からない。迷惑書けないか……?私の力のせいで誰かが傷付いたりしないか?』


「大丈夫だよ。あそこはとても平和な場所だよ。何かあったとしても管理者さんが止めてくれるから!ね?だから、皆でおいで!」


 葉月の言葉に少し安心したのかホッとした顔をしている。


『……じゃあ、お言葉に甘えて。』


『私達も行ってもいいの?』

『新しい場所??』

『楽しめる?遊べる?学べるー?』


「もちろんだよ!」


 子供達は葉月達に質問をしてきたが全て可能なのだ。あそこの場所は。


「皆、行くって事でいいかな?」


『もちろん。』


「分かった!なら、世界と世界を繋ぐね。」


 葉月が電話をかけると闇月は黙って真っ暗な画面を葉月の携帯の画面を向かい合わせにする。

 距離は人が2人〜3人ほど入れるくらいの隙間がある。


 [ーーーーーーーーー。]


 葉月の方で何かの声が聞こえたと思ったら

 葉月の携帯と闇月の携帯の間に歪んだ空間が生まれた。


「さ。ここに入って。くぐったら世界が変わってるから。怖かったら目を瞑って入ってな。」


 携帯をしまってもその歪んだ空間は残っている。

 ぐにゃぐにゃで、曖昧な空間だ。


「あ。5分くらいで壊れちゃうから、行くなら早めにお願いね!」


 そう言うと、子供達は『急げ急げ!』と興味本位や好奇心で、あっという間に中に入っていった。


『先に行ってますね。エイレーネーさん。』


 楓はニコリと微笑み先に歪んだ場所をくぐり抜けた。


『さて、私も行くよ。』


「……大丈夫。あの世界は貴方も子供達も、皆守ってくれる。」


『ありがとう。感謝する……。あと。闇月。』


「ん……?なんだ?」


 話しかけられると思っていなかったらしく、

 外の景色を眺めていた闇月は少し間が空いたそちらを見た。


『先日は無理やり連れ去ってすまなかった。もし、怖い思いをしていたら……』


「………………あぁ。いや。怖い思いはしてない。()()()とは違うから。それに、最初に連れ去ろうとしたのは葉月だろ。だけど葉月は吸血鬼で、神の力が跳ね返され連れ去ることが出来ず手前にいた私にしたとか、そのへんだろ?」


 葉月は8割吸血鬼の血があり、2割は人間の血だ。

 闇月は葉月の逆…………………………の()()だ。


 神は闇月に近づき葉月には聞こえないような小声で呟いた。


『あまり、葉月ちゃんに嘘つかないであげてね。あの子はきっと嘘ついた事にきっと傷付いてしまう。それに隠し事は辛いだろう?』


「…………まぁ、そうですけど、まだ。話す時ではないんです。」


 闇月の返答を聞くと彼女から離れた。


『そうか。……まぁ、私もくぐるとするよ。時間もないだろうし。』


 そう言い、エイレーネーは歪んだ門をくぐった。


「やみちゃん。行こっか!」

「……そうだな。」


 葉月は闇月の手を握り、一緒に歪んだ門を通った。

 闇月は握り返していいのか分からず、握ることは無かった。


 眩しい光が2人を襲う。反射的に目を閉じる。

 次に目を開けるとそこはとても広い平原だった。


 後ろを見ても先程の歪んだ空間はない。

 綺麗な平原が広がっているだけだった。



「おかえり。葉月。闇月。」

「ようこそ!【白紙の世界】へ!エイレーネー様御一行、お越しいただきありがとうございます!」


 葉月達の横に先程入った人達がみんないた。

 そして声のした方を見ると

 水色の髪で毛先が紫色の少女と。

 紫色の髪で毛先が水色の少年が立っていた。


「舞鈴の所に案内するから、着いてきて。」


 少年が呟き手招きをする。皆は黙って着いてきて居る。


「いやー!久々に帰ってきた気がする!!」


「……そんなにここが恋しかったのか葉月……」


「え?まぁ…うん。そんな所かな!!」



 子供達は緊張してるのか、さっきまではしゃいでいたのが嘘みたいに黙っている。


「……そう警戒しないで欲しいな。これから君達はここの家族になるんだから。」


 紫髪の子が言った。

 そうすると子供達は少しずつ心を開いていったのかニコニコし始め楽しそうに歩き始めた。


 しばらく歩いていると、とても大きな屋敷に着いた。

 洋風と和風が混ざったような屋敷だ。

 隣には丸い形をした小中高一貫の学校だ。

 隣には大学と専門校がある。それはバラバラらしい。


「いらっしゃい。待っていたよ。」


 真ん中にある噴水に座って本を読んでいた茶色い髪で片目の隠れている女性の方がニコリと笑いながら言った。


『子供たちを預かってくれると言ったのは貴方様…ですか。』


「うん。そうだよ。初めまして。私は舞乃 鈴音(まいの りんね)と言います。皆からは舞鈴(まいすず)と呼ばれているよ。そして、ここに連れてきてくれた2人は紫月(しずく)夜月(ないと)。」


 舞鈴と名乗った人は立ち上がりゆっくりと近づいてきた。

 腰あたりまであるとても長い髪の毛は毛先がくせ毛っぽくうねっている。見える左目は炎のような赤い目だった。


「改めまして。ボクは紫月だよ!あ。ボクって言ってるけど女性だから!!!」


 水色髪で毛先の紫色の少女が呟いた。

 目はオッドアイで、右目は水色、左目は黄色だ。


「よろしく。」


 無表情な少年は紫色髪で毛先が水色。

 目は紫月と同じくオッドアイで右目は黄色。左目は水色だ。


「これから、ここに住まう皆さん!ここには20人前後の管理人が居ます!仲良くしてくださいね!」


『はーい!!』


 子供達は皆笑顔で元気のいい返事をした。


「今日は疲れたでしょう?皆さん休んで言ってください!子供達を案内してあげて。夜月。」


「ん。わかった。おいで、」


 彼は軽く微笑むと子供達は夜月という人について行った。


「エイレーネー様、私達も行きましょ?」


 楓はエイレーネーの裾を掴みながら子供達の歩く方へと指さしていた。


『そうだな。行こうか。それでは、失礼します。』


 少し遅れて2人は子供たちの行く方へと歩いて行った。





「葉月ちゃん!闇月ちゃん!お疲れ様!!初旅(初仕事)どうだった!?」


 キラキラとした眼差しで紫月は2人に食いついていた。


「………葉月の方向音痴どうにかなりませんか?」


 闇月は葉月を指さしながらとても深刻そうな顔で言った。


 満面の笑みで葉月は「無理だね!!!」と言って闇月を見ていた。

 闇月は少し呆れ気味だったが、もう面倒だからいいや。と振り切ることにした。


「…さて、旅から帰ってきてすぐだけど、まだ困ってる世界があってね。行ってくれるかい?」


「もちろん!!」

「…当たり前だろ。」


「じゃあ、よろしく頼むね。行ってらっしゃい。」


 舞鈴が指を鳴らすと先程の歪んだ空間が現れた。

 葉月と闇月は手を繋いで歪んだ門を通った

ここまで見て下さりありがとうございます!

1章はこれで完結です。

あまり楓ちゃんは出番はなかったけど、

1章 番外編 で楓の過去を語ります。

次回それが乗る感じです。


【白紙の世界】の設定は昔の設定をそのまま引っ張り出してるので名前も変えてません。

ですが、登場人物は居なかった人が増えたりして

少し改良はしております。


次回の小説もまた、よろしくお願いします。

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