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1章 1話『神隠し』

 

 ねぇねぇ、知ってる?旅人さん!!

 この街には、神隠しがあるんだって!

 神隠しにあった子供達は帰ってこないんだってさ!

 怖いよね!

 どうしましょう、どうしましょう!

 また1人、連れていかれてしまう!


 でも、唯一1人だけ、神隠しにあったのに帰ってきた子供が居るんだって!

 けど、その子………本当に、人間なのかなぁ?

 見つかる事なんて、絶対にありえないのに。帰ってくるなんて。


 ――――――――――――――――――――


「よいしょっと……。今回から初めて旅をすることになったね!頑張ろ!やみちゃん!」


 ニコニコと効果音が着きそうなくらいの笑顔を見せているのは稲田葉月(いねたはづき)というまだ二十歳にも満たしてない女の子だ。特徴的な水色の髪と、海のような綺麗な青い瞳をしている。


「うん…まぁ、程々に頑張ろ。初めての(しごと)で失敗はしたくないし。」


 隣であまりやる気の無さそうな、面倒くさそうな顔をしているのは闇月(やみつき)という、葉月の裏人格と本人が言っているらしいが事実は不明である。黒髪で赤色の瞳をしている。


「今回の依頼があった場所はこの世界の…この街っぽいね。」


「そうみたいだな…。というか……私らが居る場所から遠くないか?この街。」


「確かにそれは言えてる。舞鈴(あの人)曰く、『助けを求めている人の近場に移動させるから安心してね!』とかいってたはずなんだけとな〜。どうしよっか、やみちゃん。」


「仕方ないし、歩くしかないだろ。行こ。葉月」


 二人は喋りながら、呑気に

 頼まれていた街へと向かい始めた。



 ―   ―   ―   ―   ―



「遠かったぁ!!!やっと着いたよ!?」


「まさか……2日もさ迷うとは思わなかった…。マジで足が痛い……。夜もまともに寝れないし、獣に襲われるし…」


「やみちゃんが退治してくれて助かったよ!」


「………………お前が呑気に寝てるからだろ。私が寝れてないのは。」


 元気の良い葉月とは違い、ゲッソリとしている闇月は初旅でもう疲れ切っていた。だけど、これからが本当の(しごと)だ。


「聞き込みしてみようか!あ。やみちゃんはベンチに座ってていいよ!ボクが聞いてくるから!」


「…分かった。そうさせてもらうよ。」




「すみません!ボク、旅人のものなのですがーーー。」



(…私も、聞き込みして、この街の事を知らないと。)

「葉月、私も聞き込みする。1人でやらせる訳には行かない。」


「そっか!ありがとう!」



 聞き込みしてわかったことは、この街は、

 神隠しがある街だと言う事。毎年、数人の子供が神隠しに会うらしい。


『旅人の嬢ちゃん()も、気をつけるんだよ。まだ幼いんだから、神隠しに巻き込まれないようにな。』


「宿主さん!ありがとう!」

「…ありがとうございます。」


 本日泊まる宿で、聞き込み結果を二人はまとめた。


 ・神隠しのある街

 ・1年で4人〜6人の子供が行方不明となる。

 ・歳は6〜18歳

 ・男女関係無い犯行。

 ・神隠しにあった子供は戻ってくることは無い。

 ・↑1人だけ戻ってきた子供がいるらしい

 ・↑その子供を今は監禁しているとかいないとか

 ・神隠しは、約50年前から始まっている。


「最初は、誘拐犯の仕業だと思われたが…」


「実際の所は、行方不明になった子供たちは唐突に姿を消している。防犯カメラにもその証拠があった。」


「どうする。ボクたちも神隠しに合うしかないかな?」


「それはアホ過ぎる考えだろ。まずは、監禁されている?子供に会ってみるのがいいと思う。その子から、話を聞いてみよう。」


「そっか。それもそうだね。今日はとりあえずゆっくり休もう!」


 ベッドとベッドの間に置いていた机を闇月は元あった椅子のある場所に戻し、葉月は戸締りや手荷物の片付けをして、

 終わり次第、二人とも眠りについた。


(流石に……15歳のボクらでも、自衛くらいはできる。大丈夫。やみちゃんも居るし、何も怖くない。)



 ―   ―   ―   ―   ―



 ーーシャン……シャン……シャンーー


(……何処だろう…何処からか、鈴の音がする……。

 沢山の鈴を……鳴らす音……。なんだろう……?)


 ゆっくりと目を開け、赤い瞳が見える…。

 ベッドの横に、立っている、天狗の仮面を付けた人?が立っている。


「、、、」(だれ?)


 声が出せない……。起き上がることも出来ない。

 何かに遮られているように。


『……………』


 フワッ…と勝手に動く自分の体。

 手招きされれば、そちらへと体が動いていく。


(え。、ちょっと待って?唐突過ぎるだろ……やばい、勝手に動く…、葉月!!!葉月、気づいてくれ!!)


 振り向く事も出来ずそのまま天狗の仮面をつけている人の目の前へと立つ。


『行こうか……私の家に。』


 手を差し伸べられ、そのまま闇月は手を取る。

 カーテンが揺れ、収まっことには

 天狗の仮面の人と、闇月の姿はなかった。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

物語が始まってきました!!


まだまだ、どうなるのかわからないですが、

毎週金曜日投稿を目指して頑張ろうと思います!

よろしくお願いいたします!!!



ーーーーー


ちなみに。

舞鈴(あの人)という人は、もう少し先の小説にて

出てくる予定ですので、、

人物像はお楽しみに……笑

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