表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/25

神の識別

 オールグローリアは、祈りの引き受け先である。そして、元々グロリアス正教は、<機鋼都市連合>から弾かれた者達が集まって出来たものであり、その祈りの中にはネガティブな物が含まれてしまうのは、ある意味、人間の性とも言える。


「人は、誰しも認めて欲しいものなのです。大丈夫ですよ。私は、全ての祈りと、想いを受けとりますから」


 行動する事は出来なくても、その想いを認めてあげることは出来る。これがメビウスの役割、赦すことの一つの面とも言えるのだろう。それを代行するのが従者のやるべき事。そして、祈りの時間が終わると、やるべき事も終わってしまう。つまり、相変わらず暇である。


「……。いつも一人でいるせいか、何だか独り言が多くなったような気がします」


 そうは言っても、話をする相手が居ないのだから、どうしようもない。いつものように、異空間への穴をあけてその中に入り込む。異空間の中を見る事は出来ないが、異空間から世界を見ることは出来る。オールグローリアは異空間から、各地へ繋がる穴をいくつか創り、複数の場所を見ている。


「……珍しいですね。こんな所にドラゴンが居るなんて」


 オールグローリアの空けた穴の内の一つ、グロリアス正教の協会の近くに繋げた穴を覗くと、灰色のドラゴンが鎮座していた。そして、視線を向けると、こちら側は見えて居ない筈なのに、そのドラゴンと視線があったような感じに囚われる。


「座標、測定不可、クローエンシステム、稼働しますか、Y/N」


 気づいているのかいないのか、淡々と何かを言っているが、その意味は解らない。姿を見せるか迷ったが、ここで逃げ出すと良くない事が起きるような気がした。繋げた穴を通り、異空間から出てドラゴンと相対する。急に現れたオールグローリアの姿を見ても驚かない辺り、本当に気づいていたらしい。


「見つかってしまったみたいですね。始めまして、私はオールグローリアと言います」


「座標再取得、認証。ようこそ、映写機世界へ。私は、制御AI03、エアと申します。映写機計画への参加、ありがとうございます。始めに概要を説明させていただきます。菫コ縺ッ繝ッ繝ウ繝サ繝励Ο繧ー繝ゥ繝槭�縺�縲ゅそ繝悶Φ繝サ繝�ヰ繝�ぎ繝シ縲√%縺ョ譁�ォ�縺ォ豌励▼縺�◆繧峨€√ョ繝シ繧ソ繧定サ「騾√@縺ヲ縺上l縺ェ縺�°縲ょ撫鬘後′隗」豎コ縺ァ縺阪↑縺�s縺�縲ゅb縺励°縺励◆繧峨€√ぞ繝ュ繝サ繝励Ο繧ク繧ァ繧ッ繧ソ繝シ縺ッ縲∵舞縺�ー励↑繧薙※辟。縺��縺九b縺励l縺ェ縺�」


 エアと名乗るドラゴンの言葉は、途中からノイズが混じって何を言っているのか解らない、そもそもノイズが無かったとしても、その言葉を理解できる気がしない。とは言え敵対するような様子はない部分は安心できる。オールグローリアとしては、態々争いたくないので、どうにか穏便に済ませたいのだが、相手の感情が読めないのでどうしようもない。


「ええと、どうも、ありがとうございます……?」


「管理者システムの断片を参照、問題は見つかりませんでした。管理者システムを更新します。アップデート完了。縺昴l縺九i縲るュゅ�繝ュ繧ー繝ゥ繝�繧偵€∝宛蠕。AI縺ォ邨�∩霎シ繧薙〒縲�峺縺ョ譏�蜀呎ゥ溷ク梧ァ九�蟷イ貂峨r髦イ縺偵↑縺�°隧ヲ縺励※縺ソ繧九€ゅb縺�凾髢薙′縺ゅ∪繧翫↑縺�€∵ャ。縺ョ螟ァ謌ヲ縺瑚オキ縺阪◆繧峨€∬。後″縺、縺乗園縺セ縺ァ陦後▲縺ヲ縺励∪縺�€ゅけ繝ュ繝シ繧ィ繝ウ縲��シ繧€縺�」


 何が問題となるのかは解らないが、どうやら問題は無かったらしい。しかし、そんなことを言われてもオールグローリアは困ってしまう。このまま立ち去っても良いのか、それとも何か話をしなくてはならないのか、本心としては早く立ち去りたい。


「ええと、その。問題が無いのでしたら、私は帰りますね?」


「ようこそ、映写機世界へ。私は、制御AI03、エアと申します。映写機計画への参加、ありがとうございます。参照します、そのデータは見つかりませんでした。縺昴▲縺。縺ョ讒伜ュ舌�縺ゥ縺�□縲ゅ≠縺ョ繧ケ繝ェ繝シ縺檎渚縺励¥蠢��縺励※縺溘◇縲よ掠縺城€」邨。繧偵¥繧後h」


 オールグローリアは異空間への穴を開けて、そのままこの場から立ち去った。何かを話していたが、引き留める様子も無かったので、大丈夫なんだと心を静める事にする。ドラゴンの逆鱗の話は聞く話だが、それが見えないというのは本当に厄介だ。


「ハイドワンエルさんの言う通りでした……。こんなにも会話にならないとは思っていませんでしたよ……」


 自分から接触する形になってしまったわけだが、これ以上は関わり合いたくない、あまりにも意味不明過ぎて恐怖心さえ感じてしまうのだ。これからは、出来る限りドラゴンとは距離を保とうと心に決めたのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ