文月の手帳【 ver4.0 】
ハッキングされていたデータ等を粗方復旧できたので、手帳を更新しようと思う。
万能薬の改良や黒幕の特定、そして……、絶望的な未来への対策。
これから僕は忙しくなるだろう。
そうなる前に、今回も新しく見つかった特質や能力をここに記していく。
“特質”と“神憑”。
基本的にはこの2つに分類していたが、御門伊織や“EvilRoid”の出現により、分類はより多くなっていくだろう。
手帳を更新するのは半年ぶりか。技や能力がかなり増えたため、全てを書き切るのは骨が折れそうだ。
僕の知らない能力は、本人や実際に見た者の話を参考にして書いているため、必ずしもここに書いていることが正しいとは限らない。
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No.01
【名前】新庄 篤史
【種別】特質
【能力】轟
【概要】
僕が昔、造った莫大な電力を纏い絶大な破壊力を誇る金属バット“轟”。それを使いこなせる唯一の人間。その威力は僕の造った鬼570体を一撃で屠り、大抵のものを貫ける羽柴先生の紫死骸閃や紫死滅月を打ち消せるほど。更に今回、相性が良かったとはいえ、“EvilRoid - Destroy”の攻撃に正面から挑み、押し勝っている。なぜ持てるのかは未だに不明。“轟”を手にしてから彼の髪色は黒から金に変化した。莫大な電力と相関があると思われる。現在、彼は簡易版万能薬の過剰摂取により、意識を失い入院中だ。
【技】
『カミナリ大根切り』
ただ全力で金属バットを上から振りおろすだけ。剣崎の唾液の相乗効果かもしれないが、この一撃で鬼は全滅し辺りは焼け野原と化した。
羽柴先生も避けずに受けていたら跡形もなく消え去っていただろう。
単純な攻撃だが、かなりの威力を誇る。
『ホームランスイング』
野球ボールを打ち返すようにバットを横に振る。普通の人間に当たれば、ほぼ例外なく即死するだろう。球状に限らず飛んでくるものなら基本はね返せることが判明した。
“轟”に飛び道具をはね返す機能は実装されていない故、どういう原理で打ち返しているのかはわからない。
『カミナリ回転切り』
身を大きく捻り、自身の身体を1回転させながらバットで薙ぎ払う技。
四方を囲まれた際などに、この技は有効になるだろう。
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No.02
【名前】剣崎 怜
【種別】特質
【能力】唾液剣士
【概要】
唾液を自在に操ることができる特質。唾液の分泌量、成分の調整、その他特殊効果付与などが可能と思われる。
それに加え、学生大戦で妙な剣技を使えることが発覚した。更に動体視力も長けており、どんな相手でも止まって見えるらしい。動きを封じる唾液、敵を倒す剣技、優れた動体視力を持ち合わせている彼を接近戦で倒すのは至難の業。
【技】
『粘縛唾液』
粘着性に特化した唾液。これが付着した者は一切の身動きが取れなくなる。何せ僕の鬼が封じられたのだから。
『唾液滑走』
自身の足の裏に唾液を塗りつけ滑走する技。車にも引けをとらない速さで移動する。優れた動体視力を持っているからこそできる芸当。また自動車とは違い急な方向転換、旋回、急停止なども可能。
『飽和粘縛電解唾液』
彼が一度に出せる最大量の唾液。それに加わり粘縛唾液と同様の粘着性。そして、この唾液は非常に電気を通しやすい。新庄や獅子王たちとの連携で使用。
『凝結唾液』
僕の憶測だが、空気に触れると乾燥し固まる唾液。羽柴先生の動きを完全に封じるために使用。硬さによるが、応用すれば攻撃を通さない防壁とかも作れそうだ。御影の幻霧で見せられた何かに対しては飽和凝結唾液を使用した。
『尾蛇剣舞』
オタ芸のような動きで剣を振り回す。ただ振り回しているだけでなく、優れた動体視力で相手の攻撃が当たらない完璧な間合いを維持している。見た目は不恰好だが、真剣を持った際は殺傷力を持ち合わせるためかなり危険な技だ。
『尾蛇剣舞・急所打擲』
尾蛇剣舞の派生技。従来よりも急所に当てることを意識した動き。学生大戦時に使用。剣崎が持っていたのは木刀であったため、通常の尾蛇剣舞では痛めつけることはできても動きを止めることはできなかった。よって彼はこの技を使い、こめかみを強打して相手を気絶させた。
『尾蛇剣舞・刻裂真剣』
尾蛇剣舞の派生技。刃物を使っての尾蛇剣舞。居合のような構えから一瞬にして相手を粉々に切り刻む技。“RealWorld”内で不知火に対して使用。怒った剣崎に刃物を持たせるとこういうことになる。
『尾蛇剣舞・斬華繚乱』
常人の目には何が起こったかわからないため、剣崎自身の説明をそのまま記す。
両手に刃を持つことが大前提のこの技は、彼の間合いに入ったもの全てを切り刻む。
“EvilRoid - Fluid”の猛攻に対して使用。
あまりにも早い剣捌きは僕らの目では追えない。唾液の刃が彼に接近した瞬間、突如粉々に砕け散ったようにしか見えなかった。
どれくらいの威力や量、攻撃の種類を捌けるのかは不明だが、Fluidの攻撃は音速級に早く唾液で作られた刃1本1本が刻裂真剣を繰り出していたことを考えると、二刀流の剣崎に接近戦で勝てる人間など早々いないだろう。
『尾蛇剣舞・激動摩擦斬』
全身に全力の力を込めた状態で刀を振る技。
全身を限界まで力ませることで身体の震えが刀身に伝わり、通常なら硬くて斬れないものも電動ノコギリのように切断することが可能。
『尾蛇剣舞走式・刻裂真剣』
唾液を足に塗り、唾液滑走で滑りながら刻裂真剣を繰り出す。
時速100キロ相当の滑走から繰り出すため、反応することは難しく接近を許してしまったときには既に、切り刻まれていることだろう。
剣崎はこの技で無数の増殖体の群れを切り刻み、単独でUndeadの本体へ迫った。
『尾蛇剣舞翔式・旋刃流転斬』
オタ芸で妥協なく鍛え上げられた剣崎の身体能力は、最早人間ではない。
自らの凄まじい脚力で跳び上がり、空中で身体を360°に回転させながら刀を振るう技。
“EvilRoid - Plant”の目視不可能な速さの黒い鞭ブロッコリーにこの技で対応した。
『尾蛇剣舞重式・激動摩擦斬』
高所から全体重を乗せて刀を振るう尾蛇剣舞重式。
全体重と自由落下のエネルギーが加わるため、地上で繰り出す尾蛇剣舞よりも高い威力を伴う。
上空で露出したUndeadのコアを全体重を乗せた激動摩擦斬で破壊した。
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No.03
【名前】立髪 斬斗
【種別】特質
【能力】モヒカッター
【概要】
両手をこめかみに添え振りおろしながら繰り出す髪の斬撃。地面を抉りながら進むさまは一見、強そうだが威力は鬼のメッキが剥がれた程度。しかし、不知火に対して放った際、彼の首をすり抜けるように斬り落としたことから相当な切れ味なのは間違いない。
【技】
モヒカッター以外、特になし。
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No.04
【名前】日下部 雅
【種別】神憑
【能力】放屁師
【概要】
その名の通り、オナラ使い。用途が幅広く激臭のするオナラを出して攻撃したり、オナラを連続的に出して空を飛んだりすることができる。空からの激臭攻撃に僕は為す術なく敗北した。
“堕天使シリウス”が実在していることは彼の身体に憑依したことからほぼ決定的に。またシリウスが乗り移った状態の日下部の能力はより精度が高く強いものとなる。
後、神憑の割には技にリスクや制限があったりと謎が多い。
【技】
『昏倒劇臭屁』
超絶に臭い屁を放つ。少しでも吸ってしまえばその悪臭に頭がふらつく。まともに喰らえば一瞬で気絶してしまうだろう。一度放てばしばらく空気中に留まるため、直撃しなくても時間差でじわじわと効いてくる。「人がいなくなるスプレー」みたいなもの。
『宙屁』
放屁の力で空を飛ぶ。この屁は無臭で周りに危害を加えない。つまり、彼は攻撃と移動を器用に使い分けることができる。明確な滞空時間は未だ定かではないが、使いすぎるとガス欠を起こして飛べなくなる。他の放屁も恐らく同じ。
『宙屁・迅翼』
より速く飛行する宙屁。剣崎の唾液滑走にも引けをとらない速さだった。シリウスが憑依した場合のみ使用可能?
『併合型・宙撒布劇臭屁』
恐らく“昏倒劇臭屁”と“宙屁”を組み合わせた技。空を飛び回り、辺り一帯に激臭を撒き散らす広範囲かつ高威力な必殺技。異なる屁を同時に出すこの技は身体に負担がかかるらしい。強力だが連発するのは難しいと思われる。これをまともに喰らった僕は気づけば留置場にいた。
『昏睡屁』
これを喰らった者は数分後に眠るように意識を失う。
昏倒劇臭屁のような即効性はないが、これを喰らった者は彼が何かをしないと永遠に目を覚まさないという恐ろしい技。そしてシリウスがこれを使った際、即効性の無さという欠点を克服していた。
『空襲型・昏睡屁』
上記に書いた昏睡屁を上から滑空するように辺り一帯に撒き散らす。
『併合型・爛腐熔爆屁』
赤色と黄色が混ざったような放屁。現段階で日下部の技の中では1番、殺傷力が高く惨たらしいもの。これに触れた者の皮膚はどろどろに溶け、身体は炎に包まれる。“RealWorld”内はずっと監視していたが、あの光景には思わず目を背けてしまった。
不死身ゆえに今まで痛みを感じたことがなかった不知火に痛覚を教えた技でもある。
かなり危険で強烈な技だが、これを使えば日下部自身も致命傷を負うらしい。
『境域型・相殺屁』
神憑の力をある程度無効化できる相殺屁を任意の領域に留まらせる技。
この放屁を撒布した領域に猿渡の能力は全く通用しなかった。憑依したシリウスが使用。日下部本人も使用可能。
『被覆型・相殺屁』
自身の身体の表面に隈無く相殺屁を這わせる技。
伊集院という神憑の技を喰らった彼は、自身の身体に相殺屁を這わせることで相手の能力を相殺した。
『蟲翬屁』
これも本人から聞いたわけではないから憶測になる。名前やこれを喰らった猿渡の反応を見た感じ、高周波な音を出して不快にさせたり、鼓膜を破ったりといった感じだろうか。だが、オナラで聴覚を攻撃できるのかという疑問が残る。
これも憑依したシリウスが使用していて、日下部本人が使えるかは不明。
『幻眼鏡屁』
自身の眼鏡と無臭の放屁を何となく掛け合わせることで、眼鏡を日下部と錯覚させる技。
幻の自分に攻撃させることで相手の手の内を知れる便利な放屁だが、眼鏡がないと使えないのが欠点。
『名も無き放屁』
今のところ名前がない赤い放屁。
シリウスのみが使用可能のこの放屁は非常に強力なもので、赤い放屁を経由して物理的な力を自在に加えることができるらしい。
また、神憑ではない人間には放屁や神そのものが見えないため、回避することすら困難と思われる。
理論上、地球を破壊することも可能なこの放屁のポテンシャルはかなり高いと見て良いだろう。
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No.05
【名前】樹神 寛海
【種別】特質
【能力】緑花王国
【概要】
地面に埋まることで発揮する特質。彼を中心に5mを超える巨大なブロッコリーが広範囲に咲き誇る。最低でも高校全体をブロッコリーで埋め尽くす範囲。黙々と光合成をすれば1つの町全域を呑み込む規模に成長することも不可能ではない。コンクリートなどの硬い地面には埋まることができないと思っていたが、勢いよく落下すれば無理矢理埋まれることがわかった。地形を変えてしまう大規模な特質だが、彼のモチベーションに左右されやすいのが玉に瑕。七葉高校を襲撃した際、最初は小さなブロッコリーしか生えてこなかった。
【技】
『緑花王国・血戦革命』
血と怒りで染まった赤いブロッコリー。通常の緑花王国の数倍も大きいブロッコリーがそびえ立つ。鞭のようにブロッコリーをしならせ、不知火の身体を分断したり縛りつけたりした。高威力かつ広範囲な技。
『緑花王国・樹神庭園』
吉波町全域を飲みのむ史上最大規模のブロッコリー。世間では“緑の災害”と呼ばれている。町中に蔓延していた御影の幻霧を一気に吸い上げ、幻を見せられ恐怖していた生徒たちを救出した。
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No.06
【名前】獅子王 陽
【種別】特質
【能力】唖毅羅
【概要】
太陽を直視することでゴリラに変身。普通のゴリラより大きく筋肉質な風貌をしている。身体能力が向上し、獅子王特有の“野生の勘”が備わる代わりに言葉を発することができなくなっていたが、最近は少しなら話せるようだ。この“野生の勘”のせいで僕の鬼ごっこは台無しにされ、石成高校に襲撃した際は武器の場所を瞬時に見つけ出した。吉波高校の生徒の間で、ピンチの時に現れる救世主ゴリラとして人気が定着しつつある。いつも生徒を避難させているだけだったせいで、戦闘には不向きなイメージがあったが、今回の“EvilRoid”戦にてそれは払拭された。また、太陽が出ている限り何度も変身し直すことができ、致命傷を負っても変身することで死を免れることが発覚した。そして、いくつか技名が判明したが、どれも厨二臭いせいで優秀な技でも弱く思えてしまう。
【技】
『龍滅穿天兜割』
空高く跳び上がり、両腕の拳を叩きつける技。見た目も名前も派手な割には大したことない。僕の鬼に繰り出した彼は手を痛めてしまった。相手が悪いのもある。増殖体をスクランブルにしたことから、普通の人間に対して使えば大変なことになることが予想される。
『咆哮』
増殖体に向けて放った怒りの咆哮は凄まじく、近くにいた奴らが思わず怯み動けなくなるほど。
獅子王自身、それを狙ったというよりは怒りに任せてただ吠えただけだと思われる。
『鬼毀震陸平手打』
両手で地面を連続で叩きつけ、周囲の敵をフラつかせる技のようだ。
つまり、素手で地面を揺らしているということ。流石はゴリラ、かなりの腕力であることは間違いない。
『神討殲空螺旋殴打』
両手に拳を握り締め、勢いよく身体を回転させる技。
あの巨体のゴリラが高速で回転しながら迫ってくると思えば、生きた心地はしないだろう。
実際、ゴリラとなった獅子王を殺そうと群がった増殖体たちは惨たらしい肉片と化した。
『終焉万象回帰開闢猩擲』
右腕をぶん回しながら接近し、ゴリラ渾身の一撃をお見舞いする。
普通に考えれば、ストレートに思い切り殴った方が威力がつきそうだが、人間とゴリラでは身体の構造が違うため何とも言えないところ。
“EvilRoid - Plant”の大きな頭を一撃で粉砕。
奴の頭は腐っても金属製。それを一撃で破壊できる威力を引き出してはいる。
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No.07
【名前】朧月 悠
【種別】神憑
【能力】恐霊
【概要】
神出鬼没。突然現れては消える謎の能力だと思われていたが、実際は自身に流れる時間を速さを自在に調整することができる力だった。自身に流れている時間の早さを周りの時間より相対的に早くしたり元に戻したりの繰り返しが、そのような錯覚を起こさせたんだろう。そして、朧月は独特の雰囲気を放っており、彼を前にするとほとんどの人間が恐怖を感じるだろう。この能力を本人に聞くまでは、特質か神憑か、どんな能力なのか全く見当がつかなかった。
【技】
名称のあるものは特になし。
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No.08
【名前】的場 凌
【種別】特質
【能力】投擲特化の物理演算能力?
【概要】
学生大戦時は砂とサッカーボールを主体に戦い、“EvilRoid”戦では機関銃を用いて戦った陽キャラ。投擲や射撃に長けていることから、高精度な物理演算を無意識に行っている可能性があるとみた。彼にとって、ボールを含めた全ての飛び道具は親友に値する。狙った箇所に絶対命中はもちろん、その軌道上に障害物があったとしても自在に変化させられるから問題ない。あまりにも高精度な物理演算は、物理法則を完全に無視しているような錯覚を起こさせる。まだまだポテンシャルを感じる特質だ。しかし、弾切れになった彼は無力と化し、自身の弱さを嘆いた。親友の新庄を守れなかった彼は、それを糧に更なる成長を見せてくれるだろう。
【技】
『砂煙』
砂を蹴り上げ、弓矢の勢いを完全に抑えた技。
『砂嵐』
両手いっぱいに砂を持ち、無数の紫死骸閃を相殺した技。これが相殺できるのなら、銃弾なんかも撃ち落とせるかもしれない。
『ピンボールショット』
1人の生徒の頭にボールを当てると、ピンボールのように跳ね返り複数の生徒の頭にピンポイントに命中させた。しかし、あくまで足元に戻ってくるただのサッカーボール。有効打にはならなかった。機関銃でも同じことができるかは不明。
『エイムショット』
狙った場所に確実に当てるシュートや射撃。石成の校長のこめかみを撃ち抜いたのは、恐らくこの技。
『ランダムヘッドショット』
一見、狂った陽キャラが適当に乱射しているように見えるこの技。しかし、放たれた全ての弾は1つ残らず増殖体の頭へ命中した。更にこの乱射の流れ弾に当たった者はいなかったため、見かけによらず命中率は100パーセントということだ。
『イーグルショット』
本人いわく片目を瞑った状態で狙いを定め、確実中の確実に当てるときに使う技らしい。
一点を集中して狙い撃つため、より精度は高く、より遠くの標的を捉えることが可能。
片目を瞑った的場の射程は自称地球全体とされるが、自称なため信憑性は皆無に等しい。
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No.09
【名前】男虎 勝院
【種別】武術
【能力】龍風拳
【概要】
力、速さ、格闘技術、どれも人間にしては申し分ない身体能力。重りを外した男虎先生と近接戦でまともに打ち合える者はそうそういないだろう。そして、手首を捻りながら繰り出す特殊な突きで竜巻を発生させた“龍風拳”。この武術も妖瀧拳と並ぶ国内最強の武術だ。習ったことや手合わせしたことはないが、“EvilRoid”戦においてこの武術の特徴が垣間見えた。羽柴先生の能力で身体中に穴を空けられ、火葬されたはずだが、何故か墓の中で生存していた。
【技】
『灰燼・腥風の構』
両手の拳を、片方は腰の真横に添え、もう片方は前に突き出すといった構え。
龍風拳の基礎の構えになるのだろうか。
『空斬鎌鼬』
指を鉤爪のように曲げ、対象を引っ掻くかのような攻撃を繰り出す。
特に構えなくても繰り出せるようなので、咄嗟に出しやすい技と思われる。
的場が誤って発射した銃弾を捌けたのは、この技の強さではなく、単純に男虎先生の身体能力がおかしいだけだろう。
『正拳捩突』
“灰燼・腥風の構”から繰り出せる技の1つ。
この構えから手首を捩りながら繰り出すこの突きは、対象をバラバラに引き裂くことができる。
“EvilRoid - Fluid”に対して使用。唾液で構成された身体を1発で吹き飛ばし、コアを露わにさせた。
『烈牙荒天』
これもあの構えから出せる技の1つだ。
荒れ狂う嵐を彷彿とさせる怒濤の連撃。
僕は意識を失っていて直接見てはいないが、水瀬いわく“EvilRoid - Aqua”との打ち合いに使用。
『遁流柳風』
龍風拳における数少ない受け技……と本人がそう叫んでいたらしい。
両手で大きく円を描き、胸の前で交差させてから左右に大きく広げるといった動きをする。
その動きで目の前に軽い風の渦を発生させ、遠距離•近距離問わず、全ての攻撃を受け流すといったもの。
しかし、それが銃弾などであった場合、逸れた先に人がいれば被弾してしまう危険性があるだろう。
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No.10
【名前】羽柴 徹
【種別】神憑
【能力】パープルレーザーおじさん
【概要】
あまりに反則的な力なので名前だけでもダサくしてやる。紫色の一筋の閃光を飛ばしてくる。人の身体を容易く貫通する殺傷力の高い技。
【技】
『紫死骸閃』
羽柴先生の基本技。人差し指から殺傷力の高い閃光を放つ。
『紫死骸閃・両腕弐指』
両方の人差し指から同時に放つ紫死骸閃。
『紫死骸閃・虚空拾指』
10本の指、全てから放つ紫死骸閃。これで男虎先生にとどめを刺した。
『超連射』
紫死骸閃を機関銃並に絶え間なく撃ち続ける。どんなに撃とうと何のリスクもなく無限に撃ち続けられる。
『死之殴打』
一応、名前があるみたいだが、僕にはただのストレートパンチにしか見えなかった。
『輪廻転身脚』
これもただの後ろ蹴りにしか見えない。だが、どちらも洗練されていた。格闘技経験者なのかもしれない。
『紫死滅月』
全長10mを超える巨大な球体。当たっていたらどうなっていたのだろうか? 彼自身、奥義と言っていたため、かなりの威力と思われる。しかし、新庄に打ち返されてしまい自身に命中。敗北の要因になってしまった技。
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No.11
【名前】不知火 真羽
【種別】特質
【能力】不死身
【概要】
不死身の身体を持つ人物。死なないだけでなく高い再生能力やその他いくつかの能力も持ち合わせている。その渋とさを活かし、生徒会騒動時に立髪、樹神、剣崎、日下部の4人を同時に相手取り勝利を収めている。しかし、攻撃手段が乏しくナイフがなければ何もできない。そして、まだまだ謎が多い特質持ちの1人だ。
【技】
『脱皮』
自身の身体を内側から引き裂き、新しい身体に成り代わる。拘束されたときなどに使用するものだろう。脱皮とは言うものの、何故か新しく出てきた身体も服を着ている。着ている制服も彼の細胞で作られたものなのかもしれない。
『自切』
身体の一部を意図的に切り離す行動。尻尾を切り離して外敵から逃れるトカゲなどの生物がやっていることと同じ。
『免疫』
1度喰らった技に対しては耐性がつき、2度目は効かなくなる。ただでさえ不死身なのに同じ攻撃では動きを封じることさえできないわけだ。
『成体化』
樹神のブロッコリーを喰ったことで若干背が伸び、一時的に身体能力が飛躍的に向上。ブロッコリーの攻撃を掻い潜り、樹神の頭を素手でもぎ取るほどに。成体になる明確な条件や原因は不明。
『血針』
本人は何も言ってないから僕がつけた技の名前だ。飛び散った血を空中で針のような形に固めて敵を刺す。刻裂真剣で粉々にされた際に使用した技。本人いわく自分の意思で粉々になれないため、使う機会はかなり限られる。
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No.12
【名前】鬼塚 琉蓮
【種別】特質
【能力】王撃
【概要】
ほぼ間違いなく最強の特質。どんな攻撃も一切通らない無敵の肉体に全てを粉砕する王の攻撃。地球を壊すことすら彼にとってはただの作業でしかない。
欠点を強いて言うなら、ときどき加減ができないところと、いちいち説得しないと戦ってくれないところだ。
【技】
『王蹴』
基本的には王撃以外の技はないが、蹴りの名前はこれにしよう。“王の中段蹴り”よりはマシだと思う。
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No.13
【名前】猿渡 玖音
【種別】神憑
【能力】支配奏者
【概要】
存在するだけで周りにいる人間の恐怖と適度な安心感を助長し、服従させる常時発動型の能力。恐怖に耐性があったり警戒心が強い状態にある人間には効かない場合があるが、その際は指を鳴らすことで強制的に従わせることも可能。従わせる以外にも精神を崩壊させたり失神させたりもできる。
こいつが転校する前に本人からある程度、能力を聞き出した。嘘を吐いていない限りは確実な情報を記載できていると思う。
【技】
『勅令・走狗の音』
指を鳴らし、その音を聞いた者を奴隷のように服従させる。皇は一度、この技から水瀬を盾にして逃れている。あいつにも音自体は聞こえたはずだが、何故それで躱せたのだろうか。
『勅令・崩壊の音』
指を鳴らし、その音を聞いた者の精神を破壊する。破壊された人間の精神は完全に消滅し、肉体だけが残る。指を鳴らすだけで対象を植物状態にする凶悪な技。
『勅令・喪心の音』
指を鳴らし、その音を聞いた者を失神させる。シリウスが憑依した日下部の相殺屁に無効化されたため、実際に失神させられた人はいない。
『勅令・叫喚の音』
指を鳴らし、その音を聞いた者に耐え難い苦痛を与える。拷問などに使うイメージだが、シリウス戦では自身に使用して昏睡屁による眠気を打ち消した。
『勅令・甘美の音』
指を鳴らし、その音を聞いた者に快楽を与える。使い道はほとんど無さそうだが、叫喚の音による苦しみを緩和するために使用。麻酔の代わりとかになりそうな気もするがどうだろう?
『四方奏結界・城壁の音』
両手の指を使い、四角形の頂点を表すように2回ずつ鳴らして発動する技。空気を連続的に振動させ、攻撃を無効化する不可視の壁を作り出す。本人はそう言っていたが、シリウスの昏睡屁は何の問題もなく壁を通過し命中。名前の割には大したことのない壁だと言う印象しか残らなかった。
『響陣六芒星・呪詛踊狂傀儡の音』
両手の指を使い、六芒星の頂点を表すように指を鳴らして発動。対象の人間の足元に六芒星の形をした赤紫色の魔法陣のようなものが現れる。こうなったら最後、対象の人間は奴の操り人形と化し自力では絶対に解くことができないらしい。
これを喰らってしまったシリウスは何度も頭を床にぶつけていたが、猿渡がその気になれば全ての関節を逆方向に折り曲げて瞬殺することも可能。
本人の言い分だけ聞くと、強力で悍ましい技だがシリウスは自力で解いている。言うほど強くないのか、神そのものであるシリウス相手には分が悪かったのか。
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No.14
【名前】景川 慧真
【種別】神憑
【能力】不明
【概要】
何一つわからないまま彼は転校していってしまった。だが、予想できることは僅かにある。それは神憑の能力の無効化。そして、猿渡を圧倒していたシリウスを簡単に往なしてしまうほどの強さもある。よく分からない奴だったが、転校してしまった今、知る機会もないだろう。
【技】
不明。
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No.15
【名前】雲龍 武蔵
【種別】武術
【能力】妖瀧拳
【概要】
国内最強武術の1つ、妖瀧拳の達人。限界まで鍛え上げられた肉体と最強の武術が合わされば向かうところに敵は無し。鬼塚がいなければ、いったい誰が倒せたと言うのか。
【技】
『錯綜・泡沫の構』
妖瀧拳の基本の構え。この武術は護身や防御、反撃に重きを置いている。この構えから繰り出す攻撃は敵を惑わす。相手に見えている動きと実際の動きが大きく異なるからだ。極めれば極めるほど、その動きはより複雑なものになる。
『石穿雫突』
石を貫く一滴の雫と言う意味が込められた名前。指先を相手に当てて内臓に大きな振動を与える技。これを喰らった者は内臓に激痛が走り、しばらく動けなくなる。これも泡沫の構から出すことができ相手を惑わすことが可能。ただし、決して簡単にできる技ではなく失敗すれば突き指になるので注意が必要だ。
『廻遊乱舞・渦潮』
敵の前で踊るように回り、連続で突きや蹴りを繰り出す。この独特な動きを往なすのは経験者でも難しい。これも同じように泡沫の構から出せる技。
『溺葬波濤』
泡沫の構から出せない唯一の技。威力を重視した単純な連続攻撃。他の技と違い、惑わすことは不可能。そのため、経験者同士の戦いに置いては対処されやすく、滅多に使わない。ただ、達人級なら話は別だ。対処しやすいかどうか以前に力と経験で押し切るからな。
荒ぶる波に呑まれて溺れると言う意味が込められた名前。
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No.16
【名前】日下部 豪
【種別】未分類
【能力】豪撃
【概要】
日下部の父親。今は亡き男虎先生や雲龍に引けを取らない肉体を誇る。彼から繰り出されるビンタに剣崎たちは為す術がなく敗北。ただ鍛えているだけで能力と言うわけではなさそうだが、記載しないわけにはいかない強さだったので僕が考えた能力名と共にここに記しておく。
【技】
名称のあるものは特になし。
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No.17
【名前】御影 丸魅
【種別】神憑
【能力】双涅の霧
【概要】
2種類の黒い霧を使いこなす神憑。国が無視できない問題を2回起こした吉波高校 (発端は僕にあるが) を、政府の支配下に置いて監視するために送られてきた。
現霧、実在する黒い霧の粒子。これらを一カ所に集めて擬似的な隕石を創るなどして攻撃が可能。
幻霧、この霧の粒子を吸った者に思い通りの幻覚を見せることができる。使いようによっては思い込みで殺すことも可能だろう。現に僕らは殺されかけた。スマホアプリ“RealWorld”の発明に貢献した粒子。
【技】
『幻霧・絶滅の画』
砂漠のような場所、上空から降り注ぐ無数の隕石を見せる。人間の脳は思い込みに弱いのか幻覚のはずなのに僕は喉が渇いた。
『幻霧・天災地変の画』
雷を落とし続ける雷雲や複数の竜巻、20mを超える津波、噴火した火山、巨大地震。これらの災害で僕らを囲い込んだ。鬼塚が幻覚内の地球を分断することで災害を遠ざけたが、それが現実にも少し影響したのか体育館は全壊してしまった。
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No.18
【名前】御門 伊織
【種別】不明
【能力】謎の術
【概要】
日下部と共に突如現れた謎の自称女子高生。水瀬も1度、校門の前で遭遇しているらしく、その時は日下部に対して攻撃的な姿勢を見せたそうだ。
彼女が“BREAKERZ”に接触した理由は不明。
“EvilRoid - Destroy”の装甲に傷をつけた唯一の人物のため、できれば争いは避けたいところだ。
【技】
『解術・巫覡装束』
水瀬がこの技を確認。錫杖を持った巫女の姿に変身する。詳細は不明。
『解術・羽衣装束』
日下部とグラウンドに降り立った際、羽衣のような恰好をしていた。空を自在に飛び、移動できる能力だと推測。
『解術・狩衣装束』
陰陽師のような黒い姿に変身する技。この姿では、手に出現させた札を主に使用し能力を発動させるようだ。
『呪術・邪念憑殺』
赤い血のようなもので書かれた模様が入っている黒い呪符を片手に発動させた技。どういう原理かはわからないが、この技で、無敵のDestroyの装甲に僅かな損傷を負わせた。
『変術・思念質量転換』
白色の呪符から発動させる技。名前の通りの能力だとすると、思念を質量に転換する技ということになる。
あれだけやっても止まらなかったDestroyがこの技とシリウスの赤い放屁のみで押さえつけることに成功した。
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No.19
【名前】鬼塚 壮蓮
【種別】特質
【能力】壮撃
【概要】
鬼塚琉蓮の父親であり、彼もまた規格外の強さを誇る。遊び感覚でUndeadを倒していた光景は衝撃的だった。
【技】
『二連壮撃』
ジャブとストレートを間髪入れずに繰り出す壮撃の連撃版。
『壮昇撃』
腰を深く落とし、拳を真上に振り上げる渾身の一撃。
彼は恐らく、本気で殴る際は上に打ち上げるようにしている。突きの衝撃や風圧で周りを巻き込まないようにするためだ。
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No.20
【名前】尼寺 匡哉
【種別】神憑
【能力】具現思想
【概要】
日下部を襲った三叉槍の中枢。こいつの能力は噛み合えば、相当厄介なものだ。本当に効くという思い込みが必須条件にはなるが、思い込んでいる自分や相手に対しては発言したことが全て現実化される能力。こいつ以外の三叉槍は思い込む訓練をしていたため、ほぼ無敵の状態だった。こいつの発言を鵜呑みにしなかった日下部には発動させられなかったが、もし効くと思い込んでしまっていら、「死ね」の一言で命を絶たれていただろう。
【技】
上記に書いたもの以外、特になし。
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No.21
【名前】氷堂 敏輝
【種別】神憑
【能力】絶対温度
【概要】
日下部を襲った三叉槍の左端。触れたものと触れたものに接触しているものの温度を自在に変化させる力を持っている。地面を経由し対象を凍らせる、手の平の周りにある空気の温度を上げて火球を放つなどの攻撃を繰り出した。
【技】
『灼熱凍土』
名前の割には地味な技だと僕は思う。地盤に囲まれた日下部に対して使用。
氷堂の能力で、地盤の中の温度と外の温度に大きな差をつけ、日下部の身体に負荷を与えた。
『炎獄球』
翳した手の平に等身大の火球を発生させて放つ技。神憑故に連発できることを考えるとそれなりに厄介で威力のある技だと思うが、相手が悪かった。シリウスの相殺屁によって難なく相殺された。
『凍極球』
炎獄球とは対照的に、氷の球を放つ技。こちらも相殺屁によって相殺。
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No.22
【名前】伊集院 陽翔
【種別】神憑
【能力】六合念力
【概要】
日下部を襲った三叉槍の右端。念力のような力で質量や物量等関係なく自在に物体を動かすことができる能力。また、対象が人間であっても例外なく、日下部の身体を直接八つ裂きにしようともしていたらしい。
【技】
『六合念力・崩盤潰葬』
無数の巨大な地盤を持ち上げ、対象を囲い込んだ上で挽き潰す技。シリウスの赤い放屁がなければ、日下部はこの技に為す術鳴く挽肉にされていただろう。
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No.23
【名前】EvilRoid - Fluid
【種別】機械
【能力】音速全身唾液
【概要】
“BREAKERZ”を抹殺するために襲来した“EvilRoid”5体の内の1体。剣崎の唾液の特質を使い、こいつの唾液滑走や剣技は音速に値する。更に全身が唾液で構成されており、コアを破壊しない限りは身体にどれだけダメージを与えてもほぼ無傷に等しい。
【技】
『唾液滑走・音速』
オリジナルと同じく、足裏を滑らせ高速に滑走する技。剣崎が時速100キロに対して、こちらは音速で移動するため、常人の目には瞬間移動に等しい。
『尾蛇剣舞・刻裂真剣』
剣崎同様の剣技だが、同じ技がぶつかり合った際は、半年間オタ芸で鍛え上げていた剣崎に軍配が上がった。
また、唾刃という名の浮遊する透明の刀10本と両手に持ったもの2本の合計12本で刻裂真剣を音速級で繰り出す場面もあったが、これも剣崎の斬華繚乱の前では大敗を喫した。
この技が弱いのではなく、剣崎の身体能力がただただエグい。
『唾刃・五月雨』
唾液で構成された20本の小刀1本1本が音速で刻裂真剣を繰り出しながら迫ってくる技と推測。
朧月が自身の能力を使ってナイフで捌かなければ、獅子王たちは木っ端微塵になっていただろう。
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No.24
【名前】EvilRoid - Undead
【種別】機械
【能力】成体変化
【概要】
“BREAKERZ”を抹殺するために襲来した“EvilRoid”5体の内の1体。不知火の不死身の特質を使う上に、常時成体化している状態だ。その上に身体の細胞や血液を自在に変化させて多彩な攻撃を繰り出す成体変化という厄介な能力も有していた。ただ、あくまでこいつは機械。弱点のコアが6つあり全てを破壊しないといけないが、粉々にされても死ぬことがない不知火に比べると生命力に関しては引けを取っていた。
【技】
『分離体生成』
6つあるコアの1つを切り離し、自身と全く同じスペックの分離体を生成する。分離体を作れないところを除けば、全く同じ性能をしているらしい。
『血針』
オリジナル同様、飛び散った血や肉片を空中で針のような形に変えて敵を刺す技。粉々にされ、再生ついでに使用するといったイメージだが、全て捌くのは難しいためかなり厄介だ。
『成体変化・鉤爪』
両手を鋭く黒い鉤爪のような形に変化させ、相手を切り裂く。そのスピードは一般人の反射神経では到底避けられない。
『成体変化・巨礫鎚』
拳を巨大な赤黒い塊に変化させて、対象を叩き潰す技。
皇は地面に伝わる震動でよろけることを予測し、この攻撃を跳びながら躱すことで逃れたらしい。
『成体変化・絞縛触指』
指を地面に突き刺し、5メートルほどの触手に変化させる。対象を拘束あるいは絞め殺す際に使う技。
『成体変化・凝棘』
もぎ取った腕を赤黒い槍のような鋭利なものに変化させて投げる技。
『成体変化・趨豹跳虎』
両手足を獣のような足に変化させ、四足で移動する。
通常時よりも速く、そしてより高く跳ぶため、対峙した新庄は目で追えていなかったと皇が言っていた。
『成体変化・黒腫刀』
肘から手先にかけて赤黒い刀身のようなものに変化させる技。強力な技だとは思うが、金属バット“轟”を斬ることはできなかったようだ。
『成体変化・脂塊壁』
自身の顔の前で両腕の手首から肘をくっつけ、脂肪を膨張させることで分厚い壁を作る技。
高い再生能力を誇るこいつがこの防御技を使うことは少ないだろう。灯油をかけられ、“轟”が目の前に迫っていたため苦し紛れに使用したと思われる。
『成体変化・無性餓鬼群』
足の裏から地面に細胞を仕込ませ、ある程度の時間を要した後に発動可能。
無数の増殖体が出現し、グラウンドの半分を覆うほどの数となった。
再生能力はなく身体を大きく損傷すれば絶命するが、全て成体時程度の強さがあり、普通の人間では1体倒すことすらままならない。
『成体変化・大食漢』
巨大な粘り気のある肌色の物体へと変身。恐らく脂肪を最大限まで膨張させている。無数の手のようなもので壮蓮さんを掴み、消化を試みたが普通にコアを破壊されてしまった。取り込まれた者が鬼塚家の人でなければ、悲惨なことになっていただろう。
『成体変化・冥漿紅峠』
これが恐らくUndeadの中で1番高威力かつ広範囲な攻撃だ。
両手を地面に突き刺した直後、無数の赤黒く大きな棘が地面から勢いよく生えてくる。
広範囲なためわかっていても避けにくく、当たれば串刺しになって致命傷は免れない凶悪な技。
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No.25
【名前】EvilRoid - Plant
【種別】機械
【能力】黒花帝国
【概要】
“BREAKERZ”を抹殺するために襲来した“EvilRoid”5体の内の1体。最初は僕らを隔離していただけだったが、途中からは攻勢に出て厄介な存在に。多彩な黒いブロッコリー攻撃を樹神には見習って欲しい。
【技】
『黒花帝国・剛蔬閉国』
樹神が頭を突き刺すのに対し、こいつは指を地面に突き刺して発動する。
学校の敷地内を自称最硬度のブロッコリーで囲った技だが、新庄の金属バットでいとも簡単に折れてしまった。
『黒花帝国・闇骸一揆』
50メートルを優に超える攻撃的な黒ブロッコリー。
枝分かれしたブロッコリーを鞭のようにしならせて、グラウンドにいる彼らに襲いかかった。
『黒花帝国・万里不落之森』
相手から距離を取り、相手との間に黒いブロッコリーを隙間なく森のように生やして妨害する技。
自身の身を守るために使うこの技を応用し、新庄と距離を取り、無数にいる増殖体を仕向けた。
『黒花帝国・獄落壌土』
この技は他とは違い、最小のブロッコリーを自分を中心に生やす技。
そこに踏み入れた者がいれば反応し、ツタのように身体に絡ませてくる。
仮にそれを振り払っても、次々に生えてくるため切りがない。
『死蝕毒素』
この技が奴の真骨頂だ。ブロッコリーが傷つけば奴は痛みを感じていた。その痛みは、体内に蓄積した毒素を強化させる糧になっていたんだ。
本来は、毒性を極限まで強めたものをグラウンド中にばら撒こうとしていたのかもしれないが、新庄と朧月が窮地に追い詰めたためやむを得ず、万全じゃない状態で使う形となったようだ。
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No.26
【名前】EvilRoid - Aqua
【種別】機械
【能力】水の理
【概要】
“BREAKERZ”を抹殺するために襲来した“EvilRoid”5体の内の1体。水中で活動できないDestroyと相性が悪いため、いざという時まで地中で待機していた。奴とは対照的に水中でのみの活動に限られるが、水を変幻自在に操ることができるため、水中では最強といえるだろう。水中での活動が不得意な人間からすれば天敵中の天敵だ。
【技】
『水の理・水都建栄』
直方体状に校内を水で囲い込んだ技。汚れのない透き通った水の中で僕は意識を失った。目の錯覚かはわからないが、意識を失う直前、海底に沈んだ古代都市の建造物が見えたような気がした。
『水の理・水衝』
ここからは主に水瀬から聞いたものになる。
手を翳したり、拳を突き出したりする際に、水の衝撃波のようなものが伴う。
『水の理・貫水線』
高圧縮された水のレーザーを指先から放つ技。よほど硬いものでない限り、貫通するだろう。実際、高圧縮された水で金属等を切断する機械もあるからな。
『水の理・指定領域水圧完全制御“海底の処女”』
任意の領域や対象の周りの水圧を操る。その中でも“海底の処女”は、最大限まで水圧を上げて対象を圧殺するものだと思われる。
しかし、男虎先生が耐えた辺り、Aquaは加減をしていたのではないかと水瀬は言っていた。
『水の理・水壁』
水の壁を目の前に構築し、攻撃や接近を妨げる。
男虎先生の本気の龍風拳でも破れなかったことから、かなり強固な壁といえるだろう。
『水の理“法則混合”・円状貫水衝線』
指で円上になぞったところから放たれる十数本の水のレーザー。更にそれには、水衝と同等の衝撃波を含まれていて、威力と数共に増している。
『水の理・海神龍“海龍滅衝弾”』
これが水の理の真骨頂だと奴が言っていたらしい。
水で象った巨大な龍から放たれる衝撃波を伴う高圧な水の弾の威力は計り知れない。
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No.27
【名前】EvilRoid - Destroy
【種別】機械
【能力】凶撃
【概要】
“BREAKERZ”を抹殺するために襲来した“EvilRoid”5体の内の1体。鬼塚琉蓮を除いて、こいつを倒せる者はいない。これを超える最強の敵は今後出てこないだろう。いや、出てこないことを願うしかない。鬼塚と違って、こいつは力を完全に制御できていた。彼も力加減を覚えれば、戦いに参加しやすくなるだろう。
【技】
『最凶輪廻』
未遂で終わったため、不明瞭なところはあるが、恐らく校内全てを吹き飛ばせる規格外の威力を持つ技。
もし、身を限界まで捻った奴が勢いよく回転していたら、全員死亡という絶望を目の当たりにしていたに違いない。
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No.28
【名前】水瀬 友紀
【種別】未分類
【能力】水の理
【概要】
“EvilRoid - Aqua”が使っていた技をそのまま習得した水瀬。使えるようになった理由などはわからず、謎の多い力である。もし、Aquaと同じ技を使えるなら、かなり頼もしい能力になるだろう。神が憑いているわけでもなければ、生まれ持った体質というわけでもないため、現時点では未分類ということにしておく。
【技】
現時点では不明だが、Aquaと同じことができる可能性がある。
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「ふぅ……」
入力し終えた僕は、パソコンを閉じて溜め息を吐いた。そして、身体をリラックスさせるため、椅子に深くもたれかかる。
だが、休んでいる暇はない。
僕がこれからすることは、さっき言ったあの3つだ。
小林先生、辻本先生の意志を継いで、ここからは僕1人でやる。
彼ら“BREAKERZ”には何も知らせず、高校最後の学年を普通に生活してもらうつもりなんだが…。
あいつらはあいつらで、何かをしようとしているみたいだな。
自分たち学生の平和は自分たちで守るとか言って、何かを立ち上げる気でいるようだ。
まぁ、それくらいの活動なら止める気はない。
何も起こらなければ、普通の生活を送れるからな。昨日はヤバかったが、半年間は何もなかったんだ。人が死ぬような事件など早々起こらない。
表向きは部活動として立ち上げるらしい。
名前は確か……、
“自警部”。
……だったか?
良くも悪くもない普通の名前だな。
ただ、それよりも1つ気がかりなのは…。
僕は顎に手を当てて思案した。
次に来る新任の先生……、
校長と教頭に就任するのがあの2人だということだ。
新章
【 第5章 自警部編 】
始動。




