序章
親戚の伯父である広瀬の遺品が届いた。
私 美緒は古いアパートの2階に一人で暮している、女子高生だ。
父は小さい時に亡くなり母と私二人で普通に暮らしていたが、母は頑張りすぎて無理がたたったのか、病気で呆気なく亡くなった。
広瀬をはじめ親戚一同一人になってしまった私を心配したが、私は母との思い出のあるこのアパートから離れたくなかった。ここで一人で、いや母の思い出と一緒に頑張って生きていくと決めた。
広瀬はそんな私を応援してくれ、成人するまで保護者となってくれた。
そんな優しく心の広い伯父も病気で亡くなり、かなりの喪失感を感じていたところ、伯父の遺言で遺産の一部と遺品の鏡台が私のもとに届いた。
広瀬の手紙も添えられていた。
「美緒ちゃんへ。
このドレッサーが美緒ちゃんのもとに届いたということは、僕はもうこの世にはいないということだね。
このドレッサーは曰く付きなのだが、きっと美緒ちゃんの助けになるはずと思い、美緒ちゃんに委ねます。
もちろん、リサイクルに売っても良いです。
自暴自棄になるんじゃないよ。美緒ちゃんは一人じゃない。ご両親も僕も美緒ちゃんの事をいつも応援しているよ。
あの世で美緒ちゃんが元気で幸せな人生を歩んでいけるよう、祈ってるよ。 広瀬 ひろし」
少しお節介でお人好しの伯父らしい手紙だった。。。ん?曰く付き?