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FILE 2:初めての街

 師であるソフィーの許を発ったセキア。

鼻唄混じりに歩き、近くの街まで来ていた。


「ここがパータンの街かぁ〜。近くって言っても、まだここには来たことなかったんだよね・・・。よし! 街の中を探索しちゃおうっ」


ここパータンの街はこの辺りで一番大きな街で、物流が盛んだ。

食べ物から衣服などの商店だけでなく、道のあちこちで露店が開かれ、採れたて新鮮な野菜や果物、加工されたアクセサリーなどが売られている。

このため人が集まる街なので、裏道や夜は治安が少々悪くなる。


「あっ、宿屋発見!! ゆっくり見物したいし・・・今日はここで泊まっちゃおうかな」


ということで見つけた宿屋で部屋を取り、荷物を軽くして街へ繰り出た。





□■□■□■□■□




「はぁ〜、街っておっきいなぁ〜。人いっぱいだし、美味しいものたくさんあるし!」


時刻はすでに夕方。

街の中を見て回ってセキアは満足していた。

そして露店はせかせかと片づけを行っている。


「おなか・・・へった、なぁ。どこかに食堂ないかなぁ・・・」


セキアはきょろきょろと辺りを見渡す。

暗くなってきたので、ぽつぽつと街灯が灯り始める。


そして、セキアの目の前には一軒のちょっとぼろくさい店。


「今日いろいろお金使っちゃったし・・・安く済ませよう」


ということで店決定。

ドアを開けるとカランカランと鈴が鳴り、店員に客が来たことを知らせる。

店の中は煙草の煙で充満していて、あちこちのテーブルで客がカードで賭博をしている。


「うわぁ・・・」


まずいところに入っちゃったかなと、内心びくびくするセキアだが、入ってしまったものは仕方ない。

カウンター席まで行って、お金を机の上に出し、女将らしい太ったおばちゃんに相応の食事を頼んだ。


「あんたよくこんなトコ入ってきたわねぇ・・・。ここら辺の人じゃないでしょ」

「はぁ・・・。旅をしています」


周りの視線に気を取られ、女将の問いに気のない返事をする。

物珍しげに見る客の視線が痛かった。


「一人でかい? どこからきたのさ?」

「うーんと・・・ここからすぐの、ロマヴの村らへんから・・・」


正確に言うと、ロマヴの村周辺の森にある小屋から、だが。

ソフィー師はあまり人と関わりたくないらしいので、ぼかしておいた。


「へぇ、そう・・・」

「???」


ふいに女将の声のトーンが落ちたのでセキアは気になったが、ちょうど食事を出されたので食べることにした。

食べている間、女将は奥へ引っ込んでしまった。


「よぉ、お嬢ちゃんなんでこんなお店に来ちゃったのかな?」



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