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プロローグ
この物語を読んでいる君に、一つ質問してみたいことがある。
『この世界を心から楽しいと思ったことがあるか?』
一部のお気楽な頭を持った人間はそう思っているかもしれない。しかし、俺は一度もそう感じたことがない。
ひと時の快楽は誰もが味わっているだろうが、それが継続的に続くともなれば難しい話である。
「だって・・・この世界は希望など微塵もないのだから」
人々は皆、明日への希望を糧に生きている?・・・いいや、そんなことあるはずがない。誰もが明日への不安と恐怖の中、日々懸命にもがき苦しんでいるのである。
もし、そんな不安から解放されるとしたら・・・ごめん、わかりにくかったかな。言い方を変えよう。もし、なんでも思い通りにできる、そんな世界があるならば・・・
君は、こんな世界をやめてみないか?