最深部攻略の報奨
異世界転生100日目の夜。
俺は地下迷宮(城っぽい)65層を目指している。
まぁ、石魔法を用いて階段を生成して上るだけだが。
「ジン、お前はどのスキルにしたんだ?」
セント達は手に入ったスキルに満足らしい。
先程からパーティの連係について話している。
「まだ選んでない。特に必要なスキルがなくてな。」
「……贅沢言うなよ!
この迷宮のスキルは上物だぞ!?」
確かに「魔獣使い」や「鉱物鑑定」はいいスキルだと思うが、
配下にドラゴンがいるし、鉱物ならば石魔法を用いて生成すれば良い。
「目星は付けてあるから、近いうちに選ぶさ。
それより、65層の案内を頼む。」
「承知した。」
65層に到着したので、次は転移部屋を目指す。
扉は軒並み破壊されているので、探索する時間は短く済みそうだ。
異世界転生100日目の夕食時。
俺は冒険者ギルドに来ている。
一仕事終えたのか飲んだくれていたのか定かではないが、
酒場には多くの冒険者がいる。
「迷宮の最深部を攻略したぞ!!!」
「マリンちゃんは休みだぞ-?」
「マリンちゃんは関係ない!
ほら、ダイスも言ってくれよ!!」
「我らは最深部を突破した!」
セント達は早速、自分たちで宣伝しながら飲み始めている。
騒ぎを聞きつけた冒険者だけでなく、ギルド職員まで集まりだしているが。
「あの、ジンさん。セントさん達の話は事実でしょうか?」
「俺も立ち会ったからな。
領主とギルドマスターを呼んで貰えるか?」
「っはい!承りました!」
「我が神よ。
領主は不在です。」
「ちょっと待った!
……領主はこっちで迎えを出すから、部屋の準備をしてくれ。」
「わ、分かりました。
ご案内致します。」
「我が神よ。
先程の魔法ですが、冒険者の被害は僅かです。」
「そうか、いつも助かる。」
「勿体ないお言葉でございます。」
まぁ、時間的に潜っていた人数が少なかったからだろうが。
この部屋は、冒険者ギルドにしては豪華だな。
目新しい感じからして、俺が通い出してから整備した部屋かもしれない。
「ジン公国王、ギルドマスターを拝命しております。」
筋肉隆々のバイキングみたいなおっさんが入って来た。
俺が任命したわけじゃないが、緊張しているのだろう。
名前を覚える必要は感じないが、バイキングとして覚えておく。
「ジンだ。話は聞いているか?」
「受付嬢から伺っております。
莫大な報奨と言われている物についてでしょうか?」
「そうだ。領主は一刻ほどで到着するが気になってな。」
隣接する領地にいたので、今頃アイスドラゴンに運ばれているだろう。
一応、コンテナの中に入れたらしいので死にはしないはず。
「……はい。魔金貨と爵位を考えているようです。
もちろん!公国王に爵位などと申すことはございませんが、
領主の懐事情を考えますと魔金貨の増額も難しいかと。」
貴族は国王から事前に承認を得ていれば、その数だけ爵位を独自に与えられるからな。
もちろん、国王から不満が出ない限りはだが。
爵位が報奨に含まれているなら、先に言っておいて欲しいな。
まぁ、曖昧にして餌を大きく見せていたんだろうが。
「その事を知っている者は何処までだ?」
「私と領主など、ごく一部だと思われます。」
それならば、より大きな報奨にしても問題なさそうだな。
爵位も地位には違いないのだし。
口止めは公国王に爵位を与えるつもりだった領主が行うだろう。
「お待たせして申し訳ございません。
領主の。」
「ジンだ。あとはアインに任せる。」
「仰せのままに。」
書類仕事をしている間に領主が来たので、
挨拶だけして、残りをアインに丸投げして帰路につく。
流石に、今日は疲れた気がする。
ありがとうございました。




