迷宮攻略(65層)
異世界転生99日目の未明。
「我が神よ。敵です。」
俺は城っぽい地下迷宮62層で、こっそり起こされた。
まぁ、当直をアインに任せて寝ていたわけだが。
「敵襲だ!」
セント達を起こしながら周囲を確認する。
棚や燭台の裏から小型の魔獣が出てくる。
通路に閉じ込めて、寝静まった頃に奇襲する罠というわけだ。
半透明の体に粘着質の移動音、所謂スライムだな。
それにしても、大量だ。
天井や床の隙間からも這い出てきている。
「ダイス、どうする?」
半液状の魔獣には炎魔法だと思うが、
これだけの数を相手にすると、酸素を使い果たすかもしれない。
ダイスなら、経験として知っていそうだからな。
「炎魔法は使わず、地道にやるしかあるまい。
アイスレイン!」
「アイスストーム!」
ファイヤストームを使う前に、確認しておいて良かった。
無駄な疑念を抱かせる可能性があったからな。
氷魔法を用いて、削り取っていく。
セントとクーペは、近づいて来た魔獣を追い払う役割だ。
「アイスストーム!」
次々に出現するスライムを削って削って、
最後の集団を倒すと、扉のロックが外れる音がした。
異世界転生99日目の朝。
俺は地下迷宮63層を攻略している。
一応、朝になるまで先程の通路で休憩していたが。
「今日こそ攻略するぞ!」
「このペースだと難しくないか?」
「もう少しで特徴が掴める。」
ダイスが何を見ているのか、さっぱり分からないが、
道が分かるようになるのなら頑張って貰おう。
既に、一階層分の広さとは思えないほど広大だからな。
異世界転生99日目の昼過ぎ。
俺は地下迷宮64層を攻略している。
攻略速度を上げる方法は単純だった。
毎回通路や小部屋に魔獣がいるわけでも無いしな。
まず、確からしい扉をクーペに開いたままにして貰う。
その先の通路でも、確からしい扉をセントに開いたままにさせる。
更に次の通路はダイスが開いたままにして、その先を俺が確かめる。
所謂、深さ優先探索を参考にしたわけだ。
それらの探索結果をダイスに与えると数倍の速さになった。
目の前には、65層への階段が見える。
「65層も探索が必要なのか?」
「ギルドの資料によれば、単純な作りになっているようです。
休憩室とおぼしき小部屋と、強力な魔獣がいる大部屋だけのようです。」
階段を降りながら、クーペから注意事項を聞き出す。
まぁ、小部屋で装備の点検を済ませたら、直ぐに向かうだろうしな。
地下迷宮65層の強力な魔獣とは、デュラハンだった。
甲冑に槍、黒毛の馬に騎乗している。
「ジン、足止めを頼む!」
「任された!」
とは言ったものの、流石に飽きてきている。
通路を歩いて、目についた魔獣を狩って、階段を降りる。
俺って飽き性だったかな?
デュラハンが駆けてくるが、すれ違うように飛びかかり、
胴体を半ばから切断する。
空中を量子魔法で固めて足場として、直ぐに反転。
更に両断する。
セントの前に降り立ち、細い槍状にしたペッタンを複数たたき込む。
よし!完勝だ!!
ありがとうございました。
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