未明のテンション
本日四話目です。
異世界転生96日目の深夜。
俺は冒険者ギルドの酒場にいる。
本来の目的は、謎のパーティ(アヤさん達)を確認するのに付き合うことだったわけだが、
来ないように伝えてあるので、当然やって来ない。
だが、それを知るはずのないセント達はもう寝ている。
どんなパーティか、確認するんじゃなかったのかよ。
まぁ、既に冒険者は俺たち以外いないんだけどな。
「……やっぱり、噂って本当なんですか?」
そして、セントから解放されたマリンちゃんに尋問されているわけだが。
「どんな噂か、聞かせて貰わないと分からないんだが。」
「すいません。
実は、ジンさんが現人神なんじゃないかって噂があるんです。
冒険者ギルドには、色々な情報が集まるので。」
まさかな……ステータス。
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名前:ジン・アサイ
種族:神族(未変換)
レベル:4643
生命力:表記不可能
魔力 :表記不可能
体力 :表記不可能
知力 :表記不可能
俊敏力:表記不可能
スキル:健脚(1)
剣術(2)→剣術(3)
身体能力強化(10)
炎魔法(10)
氷魔法(10)
雷魔法(10)
石魔法(10)
眷属召喚
ギフト:成長補正(10→10→10→10乗)
魔神
空間魔法(10)
時魔法(10)
量子魔法(10)
誤認
アイテムボックス
従属神:アン(強制停止)
ドゥ(強制停止)
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いつの間に!?いつから神族になったんだ!!
それに、従属神ってなんだよ!?
「神様?」
「いや、違うけど。」
違わないけど、違うつもりだよ!
変換されてないみたいだしな!!
「そうですよね。すいません、変なこと聞いて。
でも、Sランク以上に強いって聞いています。
軍隊を単独で破ったとか?」
「うちの軍に制裁を加えただけだからな。
それに、アヤさんも一緒だった。」
厳密に言えば、指揮官の実家も俺の味方だったけどな。
「アヤさんが羨ましいです。
綺麗で強くて……いえ、二人ででも、十分凄いことです!」
「そんなに褒めても何も出ないよ?」
「いいじゃないですか。
平民出身の王様なんて、会える物じゃないんですから!」
「国を作るのは、大抵平民出身者だけどね。」
「なんだか意地悪ですね!
あんなにハーレムなのに、性格悪いんですか?」
「さぁ?俺が決めることじゃないから。」
そんな自覚はないけれど、どうなんだろうか?
異世界に来てから、他人と比べた事なんてなかったな。
「もういいです。
ところで、いつまでいれば良いんでしょうか?」
「あー……みんな寝てるし、もういいのかも。」
「やっぱり、偉い人なんて来ないじゃないですか。
なんで休みの私が呼び出されたんですか?」
「こっちにも事情があってね。」
セントが落とすだろうと思っていたんだが、飲んで騒いで迷惑かけるっていう。
クーペやダイスが、マリンちゃんを誘わない理由を聞いておくんだった。
「まぁ、深くは聞きませんが。
セントさん達、送られますか?」
「放置で良いんじゃないか?
それに、何処に泊まっているのか知らないから。」
「そういえば、臨時パーティですね。
では、行きましょうか!
あ、今日はセントさんの奢りなので、後で徴集しておいて下さい。」
そう給仕に伝えて、マリンちゃんはさっさと出て行ってしまう。
異世界転生97日目の未明。
俺は冒険者ギルドから出て帰ろうとしている。
「ジンさん、こっちですよ?」
え?どっち?
「こっちですって!
見失わないで下さいよ。」
「あぁ、ゴメン。
酔ってるのかも。」
「本当ですか?
ちょっと嬉しいです。」
「マリンちゃんと飲んでたからかな?」
獣公爵領の屋敷に帰るつもりだったから、
呼び止められるとは考えていなかっただけだが。
「もう!ちゃん付けなんて止めて下さい。
誰も見てませんよ?」
「まぁ、行こっか。」
「はい!」
セントよ、マリンは初物でした。
ありがとうございました。




